最近、米国のゲノム研究者ケビン・マッカーナン氏が、新型コロナmRNAワクチンのDNA汚染に続き、そのDNAがヒトのDNAに組み込まれる可能性があることを発見した。
新型コロナワクチンのスパイクタンパク質の配列が、ワクチンに曝露したがん細胞株の2種類の染色体で検出された。
マッカーナン氏はサブスタック(プログ系プラットフォーム)でこの知見を発表したが、査読はまだ受けていない。
「これらは“まれな現象”だと予想されるが起こりうることだ」とマッカーナン氏はエポックタイムズに語った。
DNAの統合
新型コロナmRNAワクチンの登場以来、ワクチンの配列がヒトゲノムと結合することでヒトのDNAを改変するのではないかといった懸念の声があった。
それに対し、いわゆる「ファクトチェッカー」らは、mRNAによってDNAが変わることはあり得ないといった反論を展開してきた。
一方、マッカーナン氏は以前から、ワクチンバイアル(容器)に含まれるDNAがヒトのDNAを変化させる可能性があることを研究で示してきた。
ドイツのヴュルツブルク大学病院でヒト生物学を教えるウルリケ・ケンメラー教授が、この研究の初期段階を遂行した。乳がんと卵巣がんのヒト細胞をファイザー製およびモデルナ製のmRNAワクチンに曝露したところ、約半数の細胞が細胞表面に新型コロナウイルスのスパイクタンパク質を発現した。つまり、細胞がワクチンを吸収したということだ。
次にマッカーナン氏が遺伝子配列決定法を用い、これらの細胞とその子孫細胞にワクチンのDNAが含まれていることを発見した。
続いてマッカーナン氏は、ワクチンのDNAががん細胞のDNAと結合しているかどうか、つまり「DNA統合」について検査した。この現象は細胞の遺伝的安定性と完全性を破壊し、がんのリスクを高めるため、がん細胞よりも健康な細胞で懸念される。
がん細胞はすでにDNAが不安定になっているため、DNA統合による影響はあまりはっきりしていない。
現在、生物医学研究の実験で用いられるがん細胞株のほとんどは、入手、実験、実験室での維持が容易なものだ。
マッカーナン氏は、がん細胞株の2つの染色体(第9染色体と第12染色体)からワクチンのDNA配列を検出した。シーケンス装置はこの2つの統合を2回ずつ検出した。DNA統合が誤読やランダム誤差の結果でないことを確認するには2回読み取ることが重要だという。
マッカーナン氏はエポックタイムズに対し、「ワクチンの遺伝情報が細胞のゲノムに組み込まれていたことは、私にとってはそれほど驚きではありませんでした。というより、残念ながら、私たちが予想せざるを得なかったことの確認となりました」と語った。
統合はまれであり、より精度の高い結果を得るためには、遺伝子の塩基配列が何度も決定されなければならないため、2本の染色体からそれぞれの2回ずつ統合が読み取れたのは驚くに当たらないことだとマッカーナン氏は述べた。
今回の結果はまだ予備的なものであるため、DNA統合が子孫のがん細胞に受け継がれるかどうか、またそれががん患者に影響を及ぼすかどうかについては、さらに多くの検査が必要だという。
また、この試験はがん細胞で行われたものであり、健康なヒト細胞で行われたものではない。つまり、健康なヒト細胞で同じような統合が起こることは示唆していない。
しかし、分子腫瘍学研究所(ミラノ)所属の研究員で分子生物学と免疫学の博士号を持つ荒川央氏がマッカーナン氏のデータを検証したところ、同様に9番染色体と12番染色体にDNA統合の兆候が見られた。
「培養細胞で起こる事は正常細胞でも起こり得る事であり、ゲノム統合の部位次第では多種多様な異変が発生します」と荒川氏は自身のブログに書いている。
ランダムな出来事ではない
9番染色体への統合も12番染色体への統合も同じ場所で起こった。
マッカーナン氏は、このようなことが起こる確率は30億分の1であり、ランダムで起こっているわけではないだろうと述べた。
マッカーナン氏はエポックタイムズに対し、「おそらくホットスポットがあるのでしょう」と語り、ヒトゲノムでは、DNAの高度に活性化された領域に 「動く遺伝子」と呼ばれる短い配列が入る傾向があることを強調した。
高度に活性化されたDNAは、人体において重要な役割を果たす傾向がある。
12番染色体へのDNA統合はFAIM2遺伝子の中で生じた。いったん活性化されると、この遺伝子は細胞死に関与するタンパク質を作り出す。がん細胞は細胞死を回避するため、12番染色体への統合は生存に関わる変化である可能性がある。
ワクチンのDNAが細胞内で活性化
マッカーナン氏は、ワクチンDNAががん細胞内で非常に活性化していると確信している。彼のシーケンス装置はがん細胞のDNAを30回検出したが、スパイクタンパク質のDNAは3000回検出した。
ワクチンのDNAがはるかに多く検出されただけではない。その特定のセグメントに新たな変異体も検出された。
これらの新たなDNA変異は、ワクチン未接種者のがん細胞や、がん細胞に暴露していないワクチンでは観察されなかった。
マッカーナン氏は、これらの新たな遺伝子変異は、がん細胞がワクチンDNAのコピーを作成し、小さなエラーを発生させたために起こった可能性が高いと述べた。
マッカーナン氏は、自身とそのチームによる発見は、「mRNAワクチン由来のDNAは細胞内に入ることはできず、活性化することもない」と主張するファクトチェッカーらの最新の主張と矛盾すると述べた。
mRNAワクチン製造によるDNA汚染
新型コロナmRNAワクチンのDNA汚染は、製造工程に原因がある。
このことは米国食品医薬品局(FDA)、カナダ保健省、欧州医薬品庁によって検証されている。
mRNAワクチンはDNAから作られているが、クリアランスが不十分なため、このDNAの一部が最終製品に残留しているのだ。
当初ファイザー社は、mRNAワクチンのDNAを製造するためにPCR装置を使用すると報告していた。PCR装置がまずDNAのコピーをたくさん作り、それをRNAに配列するというプロセスだ。
しかし、このプロセスでは需要を満たすのに十分な速度が得られないため、メーカーはバクテリアを使用してmRNAワクチンの鋳型となるDNAを大量生産するという方法に切り替えた。
このプロセスで、メーカーはワクチンのスパイクタンパク質の配列を含むバクテリアDNAを導入した。細菌は分裂しながらこのスパイクタンパク質のDNAのコピーをたくさん作る。このDNAを採取して機械でmRNAに転写した後、mRNAはワクチン接種用に脂質ナノ粒子にパッケージされる。
しかし、スパイクタンパク質やその他の配列を含むバクテリアDNAの一部も脂質ナノ粒子にパッケージされ、ワクチン接種の際に細胞内に送達される可能性がある。マッカーナン氏は以前の研究でこれを実証している。
分子ウイルス学者のデイビッド・シュパイヒャー氏の研究により、mRNAワクチンバイアルに含まれるDNA量は、FDAの許容基準値である1ワクチン量あたり10ナノグラムよりも多いことが示された。
マッカーナン氏は、主に細胞内に入りにくい裸のDNAで構成されていた以前のワクチンと比較すると、mRNAワクチンに含まれるDNAは、脂質ナノ粒子に詰め込まれてそのまま細胞内に送り込まれるためより大きな健康リスクをもたらすと強調した。
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