2025月着陸 NASAがPradaに宇宙服の製作を依頼

Pradaはイタリアのファッションブランドの1つで、世界中に店舗を展開し、広く知られています。2025年の月面着陸任務に向けて、アメリカ航空宇宙局(NASA)はこのブランドに新しい宇宙服の設計と製作を委託しました。

1972年12月のアポロ17号(Apollo 17)の任務に続き、NASAは2025年にアルテミス3号(Artemis 3)は任務を実行し、再び月面着陸を目指し、そして初めて宇宙飛行士が月の南極付近の地域を探索することになります。

そのため、Pradaは材料と製造に関する専門知識に基づいて、米国の宇宙企業「Axiom Space」と共同でこの任務に必要な宇宙服を設計および製造することになりました。

ある宇宙飛行士がイギリス放送協会(BBC)に語ったところによれば、Pradaがこの仕事に適任であるのは、彼らが関連する設計経験を持っているためです。ミラノ・ファッションショーへの参加に加え、アメリカズ・カップへの参加からもこのような経験を得ています。

5回のNASA飛行任務と4回の宇宙遊泳を行った元宇宙飛行士のホフマン(Jeffrey Hoffman)氏は、Pradaが様々な合成素材の使用において豊富な経験を持ち、新しい宇宙服の表面層の製造に技術的な貢献をもたらすだろうと述べています。

2023年9月21日、Pradaがイタリアのミラノで2024年春夏の女性ファッションを展示しています(Claudio Lavenia/Getty Images for Prada)

 

彼は、「宇宙服はまるで小型宇宙船のようです。それは圧力と酸素を供給し、合理的な温度で保つ必要があるからです」と述べました。

彼は、「宇宙服がどれほどの華やかな外観を持つのかを期待すべきではない。なぜなら、保温環境を維持することが最も重要だから」と述べました。

「Axiom Space」は今年初め、アルテミス3号の宇宙服のプロトタイプを公開し、その重量は55キログラムで、女性により適しています。アルテミス3号は女性宇宙飛行士を月に初めて着陸させる宇宙任務だからです。

「Axiom Space」のCEOであるマイケル・サフレディーニ(Michael Suffredini)氏はプレスリリースの中で、Pradaの原材料、製造技術、革新的なデザインに関する専門知識は、宇宙飛行士が月面で快適な宇宙服を着用するために必要な先進技術につながります。しかも従来の宇宙服に欠けていた、人間工学的デザインの改善が期待されると述べました。

宇宙で任務を実行する宇宙飛行士のイメージ図(World Image / PIXTA)

 

プラダグループのマーケティング部長であるロレンツォ・ベルテッリ(Lorenzo Bertelli)氏は、「私たちは『Axiom Space』とともに、この歴史的なミッションに参加できることを光栄に思います」と述べました。

彼はさらに、新しい宇宙服はより柔軟で、より保護力があり、過酷な環境に耐え、宇宙飛行士が自在に行動し、いつでも月の探索に必要な特定の工具を出し、さらに多くの科学実験を行えると述べました。

将来の宇宙探査にとって、これら次世代の宇宙服の開発は重要なマイルストーン(象徴する出来事)であり、人々が月、太陽系、および太陽系外の宇宙をより深く理解するのに役立つでしょう。

Pradaは1913年にイタリアのミラノで創立され、世界的に有名な高級ブランドであり、世界中に専門店があり、衣類、ファッションアクセサリー、香水、皮革製品、化粧品などを販売しています。

Pradaはプラダグループのブランドです。プラダグループは世界の高級品業界における世界有数の企業であり、Miu Miu、Church’s、Car Shoeなど、世界で最も有名な高級ブランドを多数所有しています。