「中共対策計画」米国下院司法委員会が設置決定

2024/05/25
更新: 2024/05/25

5月22日、米連邦議会の下院司法委員会は、司法省に「中共対策計画」を新設する法案を可決した。この措置は、中共によるスパイ活動が、米国の国家安全保障に及ぼす脅威に対応するためのものだ。

22日、下院司法委員会は15対8の票で、「米国の革新と経済安全を中共の侵害から守る法案」(Protect America’s Innovation and Economic Security from CCP Act Bill)を通過させた。

この法案は、昨年3月に共和党の下院議員4人が提出したもので、司法省に「中共対策計画」を設けることにより、米国の知的財産や学術研究を、中共のスパイ活動から保護し、国家の安全を確保することを目指している。

トランプ前大統領は在任中、「中国行動計画」を推進し、中共が引き起こす経済スパイ活動を含む米国の国家安全への脅威に取り組んでいた。しかし、2022年2月にバイデン政権がこの計画を終了させた後、同様の対策は実施されていない。

民主連合カナダの主席である頼建平氏は、「米国は現在、中共の浸透、横領、知的財産権侵害、米国在住の中国系住民に対する嫌がらせや脅迫、その他の干渉行為に立ち向かうための防壁や専門機関が全くなく、基本的な防御手段を欠いている」と指摘している。

頼建平氏はまた、「そのため、米国下院司法委員会が、この問題に対する提案を再提出したことは、時宜を得た非常に必要な措置である」と述べた。

米民主党内の一部の人々は、以前の「中国行動計画」が中国系コミュニティに対する人種プロファイリングを懸念させていたことから、新しい計画では用語を「中国」から「中共」へと明確に変更している。

米国に住む中国の人権弁護士、呉紹平氏はこう指摘している。

「『中国行動計画』の名称を『中共行動計画』に変えることにより、米国が標的にしているのは中共であって、中国の人々ではないということを世界に対してはっきりさせている。この計画は、中共と緊密な関係を持ち、情報提供や技術窃盗を行う者たちを対象としている」

この新しい提案は、次に下院での投票が行われる予定だ。

頼建平氏はこのように述べている。

「もし提案が正式に厳しく実施されるならば、影響を受けるのは一部の中共の手先、すなわち共産党の不正な仕事を引き受ける者たちだけだ。これらの人々は、他の中国系住民や海外華人にとって大きな脅威になりうるのだ。だからこそ、私が以前に言及した通り、この提案は非常に重要であり、広く支持されるべきだ。なぜなら、それは多数を占める中国系住民や海外華人を保護し、米国や西洋で普通に生活し、働き、学ぶ彼らの安全を守るためのものだからだ」