「死」は二つの世界の中継点か

肉体が亡くなっても、は存続し続けるでしょうか? このような素朴な疑問を抱く人は少なくないでしょう。古代から、異なる民族に異なる伝説が存在しますが、そのほとんどは魂の存在を認めています。

ロシアの新聞『ウネン』の報道によると、米国デトロイト市にある病院の神経心理学者ポール・ペアソル(Paul Pearsall)氏は、心臓移植を受けた140例の患者について調査を行ない、その結果を『心臓の暗号』という本にまとめました。

ペアソル氏の研究結果は驚くべきものでした。ペアソル氏によると、心臓は人間の性格や特徴が存在しているところだと言います。心臓は人間の脳を制御し、感情、恐怖、夢、思想などは、すべて心臓によって管理されています。更に、「魂」の記憶は、心臓の移植と共に他の人に移り替わることができるとのことです。

1915年、人間の魂の重量は、21.4グラムであると発表されました。1990年末、米国の科学者はさらに精密に魂の重さを量ることに成功し、後の体重は生前より2.5~6.5グラム減少したことが分かりました。

2001年、イギリスの科学者サム・パルニア(Sam Parnia)氏とピーター・フェンウィク(Peter Fenwick)氏は、臨死体験を経験した63人の患者に対して調査を行ない、彼らのうち7人が「死亡時」の感覚を鮮明に覚えていることが分かりました。彼らの証言によると、「死亡時」の感覚は、時間が速くなる、嬉しい気持ちになる、光が見えた、天使と聖人が見えた、別の世界に暫く滞在したものであると言います。

2001年、ピム・ヴァン・ロメル(Pim van Lommel)氏を初めとする3人のオランダの科学者は、臨死体験を研究し、その研究論文を英国の医学雑誌『ランセット』に発表しました。論文の中には、次のような症例があげられています。

ある瀕死の患者が救急蘇生されていたとき、一時、脳波が一直線になり、大脳の活動が完全に停止状態になりました。気管挿入のために、入れ歯が外された一時間後、この患者は意識が戻り、傍にいる看護婦に「あなた、私の入れ歯を押し車の引き出しの中に置いたでしょう」と話しました。

この患者の話によると、救急蘇生処置がなされている間、自分はずっと天井の上で見ており、救急蘇生が途中で中止されるのではないかと心配していたといいます。更に、この患者は当時の医者たちの動きを全部覚えていたと言うのです。

ロメル氏たちは、「瀕死の患者が、本来見えないはずのものを見たのは、ちょうど中枢神経の機能が停止した時で、その時に意識が大脳から分離して活動をしている」と考えています。

なお、彼らの研究によると、女性の瀕死感覚は男性より強く、また、視力障害者が瀕死状態で見たものは、視力健常者と変らないといいます。

魂が本当に不滅のものであるとすれば、「死」は、ただ二つの世界の中継点に過ぎないのかもしれません。