サウジアラビアの砂漠で発見された謎の割れた巨岩:宇宙人の仕業か?

巨大ながまるでレーザーで切られたかのようにきれいに二つに割れた大きなが、科学者たちやインターネット上で話題になっています。

「これは宇宙人の仕業に違いない!」とインターネット上では賑わっています。

まるで超常現象のように見える、サウジアラビア砂漠にポツンと立つ巨石。それは二本の細い支柱の上に完璧なバランスを保ちながら静かに佇んでいます。この現象は、理解しがたいです。

地球上、あるいはそれ以外の何かが、この光景を生み出したのでしょうか?

科学者たちは宇宙人の仕業である可能性には懐疑的です。勿論、人間による影響が完全に否定されたわけではありません。

アル・ナスラの岩石形成として知られるこの物体のキノコのような形は、地質学者には馴染みが深いです。しかし、その中央を貫く、非常に目立つ完璧な直線の切断面については、今もなお、謎が多いのです。

タイマーオアシスの近く、リヤドの首都から8時間の距離にあるアル・ナスラ岩の形成は、いくつかの事実は明らかになっています。巨大な砂岩は砂によって削られ、自然の力で形づくられ、今では2つの細い自然にできた支柱の上で、見事にバランスを保っています。その側面には、古代人が使用した道具で彫られた、アイベックス(高山の岩場にすむ野生のヤギ)や馬、人間の姿をおぼろげに描いた刻印があります。

しかし、この巨岩が誰によって、または何によって、完璧に垂直に、平らな面で真っ二つに割られたのかは、正確には分かっていません。また、わずかな隙間を残して、接触することなく両側がどうバランスを取っているのかも謎のままです。

インターネット上ではさまざまな憶測が流れています。

科学者たちにもそれぞれの理論があります。

ウィキペディアによると、この謎は実は謎ではないとされています。ウェブサイトによれば、「ジョイントによって割れた」とのことです。ジョイントとは、岩層がより連続していた時に形成され、現在は周囲の侵食によってあらわになった、圧力の解放と膨張によって自然に生じる岩の亀裂のことで、バーミンガム大学の地質学者で地球物理学者のティム・レストン氏がデイリーメールの取材で説明しています。

The Al Naslaa rock formation in Saudi Arabia features a perfect vertical slice that scientists can only theorize as to its origins. (<a href=
サウジアラビアのアル・ナスラ岩の形成は、科学者たちがその起源に関して仮説を立てるしかない、完全な垂直の割れ目が特徴(パブリックドメイン)

 

レストン氏は、ウィキペディアの見解に賛同し、「それは恐らく正しい説である」と述べています。

「正しいのであれば、亀裂の両側に美しい『羽毛状』の構造が見られるかもしれません。それらは羽根のように見えますが、風による侵食で広がっていないだけです」とレストン氏は指摘しました。

その他の推測によると、「凍結融解」の現象が岩を割ったとしています。何百万年もの間、昼夜の極端な温度差がある砂漠の気候下で、岩の亀裂に侵入した水が夜に凍り、凍結と解凍を繰り返す水の膨張と収縮が岩を徐々に割っていきました。これにより、風と砂の風化作用が合わさり、現在見られる岩の間の隙間が形成されました。

侵食は、世界の他の砂漠地帯で見られる岩の形成と同様に、「キノコ」形状を初めに形成した要因です。砂漠の風は地面近くで特に強く、アル・ナスラを削り取りました。

断層や地震活動も一因となった可能性があります。完全に直線的な割れ目は地球の動きによって生じたとする説もありますが、それによって生じた見事なバランスは、依然として多くの人々を驚かせています。

科学者たちは、岩の割れ目が節理や凍結と融解の繰り返しによって生じた可能性があると考えています。

一部の人は、この現象が人間の仕業であるとしています。インターネット上では、人がロープと砂、あるいはのこぎりと忍耐力を使って作り上げたという説がありますが、科学者の中にも人工的なものだと考える人がいます。

「過去の文明が世界文化遺産のストーンヘンジやイースター島の彫像を基本的に道具によって作り出したことを考えれば、人工的に作った可能性も十分あり得る」と地質学者のチェリー・ルイス氏はデイリーメールに述べています。

石面に彫られたペトログリフ(岩に刻まれた彫刻の絵)、つまり古代の彫刻は間違いなく人の手によるものです。これらが誰によって彫られたかは不明ですが、数千年前のものとされています。考古学者たちはサウジアラビアの砂漠で紀元前4千年紀の火打石の道具を発見しています。

アル・ナスラへの訪問は、現代の落書きや破壊行為から守るためにガイド付きで行われています。この場所は、サルバドール・ダリの絵のような壮大な写真を撮りたい写真家たちにとって人気のスポットになっており、地元の観光業にとっても好影響をもたらしています。

しかし、最も奇想天外な理論にはまだ触れていません。インターネット上は、古代の宇宙人が岩を切り分けたという意見で溢れており、超常現象を求める人々を引きつけているのかもしれません。

レーザーを使って、まるでバターを切るように簡単に割ったのでしょうか? それともライトセーバー(架空の武器)の訓練が行われたのでしょうか? 真相はおそらく永遠に謎のままでしょう。

「宇宙人だとは断言していませんが、実際には宇宙人だったのです」とRedditユーザー(Redditはアメリカ合衆国の掲示板型ソーシャルニュースサイト)のEl_Hombre_Siniestro氏は投稿しています。

また、進化した人類が原因だという考えも人気があります。知られている歴史よりも前の時代に、現在の技術水準に匹敵、またはそれ以上の技術進歩が存在したことはあるのでしょうか?

ピラミッドやイースター島、ストーンヘンジなどの例は、この理論を裏付けるものです。

地球外の存在であれ古代の人類の文明であれ、誰かが遥か昔、見当たる理由もない中で、この見事に均衡を保った傑作を、まるで何もない場所に創り出したのです。

——そして私たちはその魅力に夢中です。

 

(翻訳編集:柴めぐみ)

カナダのカルガリーに拠点を置くライター兼編集者。主に文化、人間の興味、トレンドのニュースについて執筆。