ガーダシル関連の重篤傷害のエビデンスを収集 その存在は否定できない

子宮頚がん予防のHPVワクチン接種後の明らかな重症事例(下)

ガーダシルとPOTS/失神との関連性を確認した大規模研究

私たちの自律神経系は、血圧や脈拍数など、意識的にコントロールできない重要な身体プロセスを調節しています。このシステムの障害は、失神、立ちくらみ(突然の血圧低下)、またはPOTSを引き起こし、頭部外傷を引き起こす可能性があります。

POTSは、起立時に心拍が速くなる神経系の機能障害であり、失神に類似することもあります。

2009年のJAMA誌の記事によると、ガーダシルが米国で発売された直後、FDAとCDCは2年以内に1,896例の失神を報告しました。これはHPVワクチン10万回接種あたり8.2例に相当し、他のワクチンにおける発生率よりかなり高いです。これらの症例の半数以上がHPVワクチン接種後15分以内に起こっており、明らかな関連性が示唆されています。

2020年のデンマークのシステマティックレビューで、女性79,102人、男性16,568人を対象とした24の臨床試験で、HPVワクチンは積極的対照群(他のワクチン)と比較して、重篤な神経系障害を49%増加させることが分かりました。POTSと複合性局所疼痛症候群(CRPS)はHPVワクチンとの関連が顕著で、それぞれ対照群の1.92倍と1.54倍であった。

これらの増加率は、生理食塩水注射ではなく、積極的対照群(他のワクチンやアルミニウムベースのアジュバント)との比較で観察されたことには注意が必要です。対照群の被験者のほとんどは、ガーダシルと同じアルミニウム化合物を含む擬似プラセボを受け、中性の塩水プラセボを受けたのはごく一部でした。

ほぼ廃人と化した少女

エリザベス・Bさんは、HPVワクチンを接種するまでは健康で幸せな15歳の少女でした。2回目のHPVワクチン接種後、彼女は疲労、慢性疼痛、失神に悩まされています。

エリザベスさんの母親はこう語っています。「彼女は普通の12歳の女の子で、自分の人生にとても満足していました。いつも私に『ママ、私の人生大好き』と言っていました。でも今はすごく疲れています。元気もないし、何かをする気力もありません。もう3年もベッドに寝たきりです。健康な娘がほぼ廃人になってしまったのは、とても悲しいことです」

エリザベスさんは、「長い間立っていることができず、体全体がいつも痛いです。全く力が入らないし、物を持ち上げようとすると痛みます。前はできたのに、今はできないことがたくさんあります」 と語りました。

HPVワクチン接種後、ひどい疲労感に襲われ、寝たきりになってしまった15歳の少女エリザベスさん。(Photo from “Under the Skin” documentary.)

月に15日は頭痛に悩まされる少女

サラ・シュミットさんはHPVワクチン接種に関する集団訴訟に参加した。

「私はいつも明るい性格で、スポーツにも積極的に参加していました。友達もいました。予防接種が始まり、おかしくなってしまいました。何もできなくて、家でベッドに横になるだけでした。私の脳は周囲の出来事をきちんと把握できません。私が早く動けば動くほど、あるいは私の周りで何かが動けば動くほど、めまいがします」

「非定型片頭痛を持っていて、月に15日以上は痛みがあります。少なくとも3日間は連続して片頭痛が起こります。いろいろなリラクゼーション療法を試しましたが、ヨガが一番好きでした。ヨガがなかったら、もっと頻繁に片頭痛に襲われるだろうと思います」

サラさんの障害は正式に認められ、今では毎月少額の支払いを受けています。

2022年9月23日にエポックタイムズが発表したドキュメンタリーより、HPVワクチン接種後の体験談を語るサラさん。(Photo from The Epoch Times documentary “Under the Skin”)

1型糖尿病と診断された少女

テッサ・クラウスニッヒさんは、HPVワクチン接種後に1型糖尿病と診断されました。11歳のとき、彼女は学校の予防接種キャンペーンでガーダシル9を接種しました。当初彼女はワクチン接種をためらっていましたが、医師から「接種したいか、それとも死にたいか」と聞かれたといいます。

1型糖尿病では、免疫系が自らの膵臓β細胞を攻撃し、インスリンの産生を破壊します。テッサさんは毎日血糖値を測定しており、一生インスリンを注射しなければなりません。

テッサ・クラウスニッヒさんは、HPVワクチン接種後に1型糖尿病を発症して以来、日常的に血糖値を測定しています。(Photo from The Epoch Times documentary “Under the Skin”)

HPVワクチンと自己免疫疾患との関連性

HPVワクチン関連傷害に共通する基本的なメカニズムは自己免疫疾患です。欧州のいくつかの国で行われた研究では、HPVワクチン接種と自己免疫疾患との関連が認められています。

200万人以上の少女を対象とした2017年のフランスの研究では、HPVワクチン接種後にギラン・バレー症候群(GBS)のリスクが4倍近く増加することが示されました。GBSは、神経損傷と運動機能障害を引き起こす自己免疫疾患です。

2011年の米国の調査では、ガーダシル接種後6週間以内にGBSを発症する率が、一般集団と比較して2.5〜10倍高く、他のワクチンの発症率を上回っていました。

2013年にデンマークとスウェーデンで行われた10〜17歳の女児100万人近くを対象とした研究では、HPVワクチンとベーチェット症候群(3.37倍)、レイノー病(1.67倍)、1型糖尿病(1.29倍)との間に有意な関連があることが判明しました。

18〜44歳の女性300万人以上が参加した2017年の研究では、HPVワクチン接種後に以下の7つの有害事象のリスクが増加することが確認されました。

  • 尋常性天疱瘡: ワクチン接種後179日以内に約9倍の頻度で発生する、皮膚および粘膜表面に生じる水疱。
  • 脳炎、脊髄炎、脳脊髄炎: HPVワクチン接種後少なくとも180日目に4.27倍の頻度で発生。
  • アジソン病: まれではあるが生命を脅かす疾患で、ワクチン接種後180日以上経過すると発生率が2.25倍になる。
  • エリテマトーデス: 皮膚、神経、腎臓を侵す多系統の自己免疫疾患で、HPVワクチン接種後はいつでも1.7倍の頻度で発症する。
  • セリアック病: 胃腸の自己免疫疾患であり、HPVワクチン接種後はいつでも1.56倍多く発症する。
  • レイノー病: HPVワクチン接種後、いつでも1.46倍の頻度で発生する。
  • 橋本甲状腺炎: 自己免疫性の甲状腺疾患で、ワクチン接種後180日以上経過すると1.42倍の頻度で発症する。

ガーダシル発売後の患者急増に警鐘

ガーダシルが2006年に米国で発売された後、2006年から2009年までの有害事象を分析した研究で、髄膜炎菌ワクチン接種と比較して憂慮すべき以下の統計結果が明らかになっています。

  • 障害イベントが26.5倍に。
  • 入院が12.5倍に。
  • 生命を脅かすイベントが10倍に。
  • 救急外来受診が8.5倍に。

同様の傾向はコロンビアや日本でも見られました。

2012年8月、コロンビアはガーダシルを国の予防接種スケジュールに導入しました。2014年8月までに、エル・カルメン・デ・ボリバルの200人以上の少女が、直近のガーダシル注射後に失神や頭痛などの謎の症状を経験しました。

日本では、接種した少女に発作などの副作用が多発したため、2013年にHPVワクチンが推奨リストから削除され、接種率は70%から1%以下に激減しました。

HPVワクチン接種後に重傷を負った症例が大量にあるにもかかわらず、2019年のある論文は、それらを 「集団心因性疾患」として片付けました。しかし、車椅子に頼らざるを得なくなったり、目が見えなくなったり、寝たきりになったりしている少女たちに、本当の病気がないはずがありません。症例は実在します。傷害は十分に文書化されており、否定できません。

エポックタイムズのシニアメディカルコラムニスト。中国の北京大学で感染症を専攻し、医学博士と感染症学の博士号を取得。2010年から2017年まで、スイスの製薬大手ノバルティスファーマで上級医科学専門家および医薬品安全性監視のトップを務めた。その間4度の企業賞を受賞している。ウイルス学、免疫学、腫瘍学、神経学、眼科学での前臨床研究の経験を持ち、感染症や内科での臨床経験を持つ。