『ダ・ヴィンチ・コード』の秘密 フィクションか真実か?【未解決ミステリー】

 2006年、オスカー俳優トム・ハンクスが主演した映画『ダ・ヴィンチ・コード』は、その爆発的な話題性で世界中で注目を浴びました。

 この映画では、イエスに忠実な女弟子のマグダラのマリアが、実はイエスの妻で、二人は子孫を残していたという非常に大胆なプロットがベースになっています。

 教会は、これはイエスの神性を冒涜するものだと強く抗議しました。しかし、一般人の間では、物語はフィクションなのだから、特に気にする必要はないとしています。マリアが娼婦であったという過去から、イエスが彼女の罪悪感や執着を取り去り、彼女を救うのが当然のことですし、救われたマリアもイエスの女弟子となり、イエスのためにその後の人生を捧げたという話のほうが、人の道に合っているのではないでしょうか。

 問題の核心のイエスに妻子がいたかどうかということは、聖書では明確な記述はありません。実際、イエスが伝道するまでの30年間は、聖書でも他の歴史書でも見当たりません。誕生時の奇怪な現象を除けば、イエスの12歳の時のある事件くらいしか記録に残されていません。

 

ケイシーによるイエスの解釈

 そこで、アメリカの予言者、エドガー・ケイシーの解釈を見てみましょう。

 イエスは13歳よりインド、ペルシャ、シリア、エジプトへの旅を始めました。インドではカハンジとアルカヒアに師事し、自らを清め、肉体的、精神的な強さを高めました。その後、ペルシャに行き、ジュナーという先生のもとで「力の結合」を学びました。

 ところが、養父ヨセフの死を聞きつけ、急遽、エルサレムからは遠いガラリアの家に帰りました。弔いを終えると、エジプトに行き、ユダヤで伝道を始める前のほとんどの時間をそこで過ごしました。

 従兄弟の洗礼者ヨハネの母はイエスの母マリアとは親戚で、ヨハネの母も、大天使ガブリエルからヨハネの誕生を予言されていたのです。ヨハネは、イエスの先駆者としてその道を整える使命を持ち、主の道を備える者だとされています。

 あと少しで学業が成就する頃、イエスは大ピラミッドで最後の入信試練を受けます。これは非常に危険なもので、被験者は石棺の中で、幻、貪欲、恐怖、色欲などさまざまな幻の世界を体験するよう求められます。その人が心を決め、固い信念を持っていれば、幻影を見抜くことができ、試練に合格できます。しかし、もし幻影に陥り、そこから抜け出すことができなければ、肉体は死に、魂は輪廻転生に入り、幻影の中で定められた様々な人生を経験することになります。そうなってしまうと、いつ戻れるかも定かでなくなります。

 イエスはその試練に合格しました。ケイシーによれば、彼は試練の間に、自分が後に十字架刑、そして死と復活を経験することを確認したといいます。だから、後にその日が実際に来たとき、イエスは微笑んでいました。なぜなら大ピラミッドで彼は既に死に直面し、内なる恐れを克服したからです。

 イエスの幼少期のこれらの記録は、もともとエジプトのアレクサンドリアの図書館に保管されていましたが、残念ながら紀元2世紀に破壊されてしまったと、ケイシーは明かしました。

 ところが20世紀になって、ヒマラヤ山脈のふもとにある古寺で、イサという名前でイエスが当時インドで仏教を学んだ体験を記録した写本が発見されました。つまり、イエスはインドを訪れていたことになります。この主張は、現在教会では認められていませんが、それでも東洋、特にインドでは一般的に認められています。

 興味深いのは、ケイシーによると、イエスが学んだことはすべて東洋からもたらされたということです。しかし、不可解なことに、東洋の信仰の根幹であるカルマと輪廻転生が、今日のキリスト教では認められていません。

 

ケイシーがマグダラについて解釈

 では、イエスの女弟子、マグダラのマリアを見てみましょう。不義姦通を目撃されたマリアが捕まり、石礫を皆から投げられ、殺される直前、イエスが現れて、「罪の無い者だけが、その石を投げることができる」と言いました。一人一人、石を握った者たちが、石を落として去ってゆく、あの名場面です。

 ケイシーは教会が言うのと同じように、マグダラのマリアは当時ローマの上流社会を出入りし、映画で美化されているのとは違ってふしだらな生活をしていた、と解釈しました。イエスに救われ、貪欲、憎悪、放縦、利己の7つの悪魔が、体から追い出された後は、イエスの熱心な信者となりました。イエスが十字架につけられ、他の弟子たちが散って逃げたとき、彼女はずっと近くに残り、イエスの遺体を埋めるのを手伝いました。そして彼女は、イエスの復活を見た最初の人でもあります。

 しかし、マグダラはイエスの恋人だったのかと聞かれたケイシーは、そんなことはないときっぱりと答えました。

 ケイシーの解読は効果的で、彼のもとを訪れる前世解読の依頼者はどんどん増えていきました。そしてケイシーはまた、多くの人が一緒に生まれ変わっていることに驚きました。たとえば、マグダラと同時代を生きた人々の多くも現代に転生しています。当時イエスの誕生を祝いに来た東方の三博士の一人は、今は科学雑誌の編集者であり、もう一人は会計学の教師です。イエスの12弟子の一人であるアンデレは、現世では超能力分野の第一人者であり、1950年代から70年代にかけては、国内各地で頻繁に講演を行っていました。

 ではイエスはどうでしょうか?彼もまた生まれ変われるのでしょうか?1932年の解読でケイシーは、1919年にジュネーブで開かれた平和会議に、イエスが座っているのを見たと語りました。この会議では、国連の前身である国際連盟が創設されました。そして別の解釈では、ケイシーは、イエスも最初に人間として地上に降りてきたとき、アトランティスで生まれ変わり、彼の名前はアメリウスだったと述べています。

 

詳しくはEPOCH TVをご覧ください。

李扶摇
新唐人テレビのアナウンサー。25万人のフォロワーを持つ「未解決ミステリー」の司会者。他にも中国の時事動画を手掛けている。2020年受賞映画の主人公でもある。 https://www.youtube.com/@WJZM-FY