雑草が、がん治療に挑む! 最新レビューで明かされる効果(2)

(続き)

イラクサ

高い薬効を持つ雑草の二番目はウルティカ・ディオイカです。温帯地域ではイラクサが繁茂し、多くの人にとって望ましくない野生の花と見なされています。
一般的な考えに反して、私は最近わざわざ庭にイラクサを植え、その成長を促すために種もまきました。イラクサは栄養価が高く、加工すると刺毛の刺激がなくなるため、スープやサラダドレッシングに最適です。

イラクサはプロビタミンのβ-カロテンやビタミンA、B、C、鉄、マグネシウム、カリウム、カルシウムなどのミネラルを豊富に含む多年生のハーブで、健康に良い効果が期待できます。

2020年の研究論文では、イラクサの潜在的な抗がん作用が取り上げられています。イラクサの抽出物は「特定の用量での肝細胞がんおよび大腸がん細胞株」の増殖率に有望な効果を示しました。

2022年にアジア太平洋がん予防ジャーナルに掲載された研究では、植物薬が3種類のがん細胞株に対して抗がん特性を持つことが証明されました。セイヨウイラクサの細胞毒性のテストは、試験管内(マイコプラズマテスト)と生体内(ラット)で実施され、結果は肯定的で、イラクサは抗腫瘍特性を通じて乳がんに効果がある可能性を示しました。

人間の結腸がんや胃がんに対するハーブの潜在的な治癒効果を研究する別の研究では、イラクサはアポトーシスを誘発し「胃がん細胞と結腸直腸がん細胞の増殖を抑制」し、正常な細胞に毒性の副作用を及ぼしませんでした。
 

ゴボウ

ゴボウはアメリカ各地の荒廃した地域に生育し、駐車場、牧草地、野原、道路沿いでよく見られる野生の植物です。タンポポと同様に、ゴボウはキク科(キク属)に属し、どこにでも生えています。薬効部分は根と葉、さらに種子です。

ゴボウには、ビタミンB群のチアミン、リボフラビン、ナイアシンなどのミネラルやビタミンが豊富に含まれています。また、根と種子にはリグナン、根にはアミノ酸、種子にはフェノール、ステロール、脂肪酸が含まれ、「生物学的活性と薬理学的機能の豊富さ」が特徴です。

ゴボウには、ビタミンB群のチアミン、リボフラビン、ナイアシンなどのミネラルやビタミンが豊富に含まれている(Shutterstock)

 

ゴボウの化合物の一つであるラパオールF(天然リグナン)は、「細胞周期の停止を誘導することで腫瘍細胞の増殖を抑制する」抗がん剤であると2021年の研究で述べられていますが、抗がん特性の根底にあるプロセスは依然として不明です。それでも、将来的にはこの薬用植物から抗がん薬が開発される可能性を研究者は示唆しています。

「Inflammopharmacology」に掲載されたレビューでは、ヨーロッパ、北米、アジアでゴボウが100年以上前から薬として使われてきたことを強調しています。このレビューでは、ゴボウの抗炎症作用、解毒作用、抗腫瘍作用、特に「膵臓がんなどの腫瘍の成長に対する強力な抑制効果」があります。

ゴボウは「多剤耐性がん細胞」に対しても有効であることが実証されています。研究ではゴボウの種子に含まれる6種類のリグナンを調べ、非毒性の化学療法薬として組み合わせた結果、「多剤耐性を逆転する有望な活性を持つ」と報告しています。この効果は、ドキソルビシンという化学療法薬と組み合わせて検証されました。

(つづく)

 

(翻訳編集 青谷荘子)