砂糖と人工甘味料が脳の健康に与える影響

脳の燃料は、甘いもの、つまり砂糖から得られます。

ブドウ糖としても知られる糖類は、体内に入ると神経系の複雑な働きのための主要なエネルギー源として機能します。糖が安定的に供給されなければ、驚くほど複雑な脳は機能を停止し、認知機能と神経機能が変性による破壊にさらされることになります。

私はEpochTVの「Vital Signs」でブレンドン・ファロン氏とその理由について話し合いました。

 

ブドウ糖の効果

低血糖症の場合を考えてみましょう。低血糖では、脳に必要な燃料である血糖が不足します。こうした状況では、脳の細胞が飢餓状態に陥り、自給自足できなくなり、細胞が変性し、最終的には細胞死に至ります。これは、脳の健康と認知機能を維持するために適切な血糖値を保つことの重要性を強調しています。

研究では、ブドウ糖は記憶に即座に良い影響を与えることが証明されています。私は、アルツハイマー病患者がブドウ糖を摂取した後に一時的な記憶改善を経験した事例を見ています。これは、ブドウ糖レベルと認知機能の直接的な相関関係を示しています。しかし、この改善は一時的なものであり、認知機能を持続的に維持するためには安定した血糖値を保つ必要性があります。

脳のブドウ糖消費の不均衡は、脳の代謝的重要性を浮き彫りにしています。脳は他の臓器と比較して相対的に小さいですが、体のブドウ糖の20%以上を消費します。この代謝活動の活発さは、複雑な機能をサポートするために、脳が絶え間ないブドウ糖の供給に依存していることを示しています。

ブドウ糖の摂取方法も脳の健康に対する影響において、重要な役割を果たします。全粒穀物や野菜などの複合炭水化物は、血流に徐々にブドウ糖を放出し、脳への持続的な供給を確保します。対照的に、炭酸飲料などの甘い飲み物を飲んだりクッキーを食べたりして単糖だけを摂取すると、体が過剰なインスリンを生成し、血糖値を低下させ、最終的に脳を飢えさせることになります。

 

砂糖とメンタルヘルス

過剰なブドウ糖レベルは、脳の健康に害を及ぼします。この状態はブドウ糖毒性として知られています。長期的に高血糖値ままだと、脳細胞が圧倒され、細胞の損傷や機能不全を引き起こし、さまざまな神経障害につながります。

ブドウ糖の過剰摂取は、脳の健康に直接的な影響を及ぼすだけでなく、うつ病などの気分障害の発症にも関係しています。体内のブドウ糖が多すぎると、神経伝達物質であるグルタミン酸の過剰生産につながる可能性があります。グルタミン酸の過剰はうつ病と関連しています。

脳内のブドウ糖レベルが低下すると、過剰な量のグルタミン酸の分泌が引き起こされます。この過剰なグルタミン酸は、うつ病の状態と関連する脳領域で過剰反応を引き起こし、うつ病の発症と関連しています。グルタミン酸レベルの不均衡は、統合失調症などの他の精神障害の発症にも寄与します。

しかし、うつ病や他の精神障害は、過剰なブドウ糖摂取だけが原因ではないことに留意する必要があります。メンタルヘルスは多くの要因が関係していますが、食事や体に取り入れるものも無視されるべきではなく、考慮に入れる必要があります。

 

人工甘味料の危険性

砂糖の過剰摂取の危険性(高血圧、慢性炎症、脂肪肝疾患など)はよく知られています。そのため多くの人が代替品として人工甘味料に頼っています。

アスパルテームやスクラロース(スプレンダ)などの人工甘味料の使用には、独自のリスクが伴います。研究によれば、これらの甘味料は肝臓の損傷、心臓障害、特定のがんのリスク増加など多くの健康問題と関連しています。

さらに、人工甘味料は体内の抗酸化バランスを乱し、心血管疾患やがんのリスクをさらに高めることが明らかになっています。特にアスパルテームはリンパ腫や脳腫瘍との関連が指摘され、スクラロースは免疫機能を抑制します。これらの人工甘味料に関連する潜在的な健康リスクが強調されています。

一方、天然甘味料であるモンクフルーツは、健康への悪影響は無視できるほど小さいとされ、より安全な甘味料の選択肢です。モンクフルーツ果汁や粉末を甘味料として使用した場合、いかなる悪影響もみられません。

 

バランスを取る

砂糖の消費と脳の健康との複雑な関係は、認知機能と全体的な健康を維持するために、注意深い食事の選択が重要です。人々は、単純な砂糖や人工甘味料の摂取を最小限に抑えながら、複合炭水化物や天然甘味料を優先することで、最適な脳の健康を支え、関連する健康問題のリスクを軽減できるでしょう。

覚えておいてほしいのは、アスパルテームなどの人工甘味料による損傷は累積的なものであり、低用量でも最終的には有害な影響を引き起こす可能性があるということです。ケトン体とは、体内で脂肪分から生成される物質のことで、糖分が不足した時に代わりとなってエネルギー源の働きをします。緊急時には、ケトン体が脳細胞の約50%のエネルギー需要を満たすことができ、さらに高い割合でも効果的です。ケトン体には他にも多くの有益な効果があります。

我々の体は完璧な器官であり、健康に対するアプローチには一つの決まった方法は存在しません。重要なのは、そのバランスを見つけ、自分の健康を改善するためのステップを踏み、知識を深めることです。

 

翻訳編集 清川茜

著名な神経外科医、著者、そして健康実践者であり、Newsmax.comのために「ブレイロック・ウェルネス・レポート」をまとめている。医療教育と神経外科の訓練を終えた後、25年以上にわたり神経外科の分野で活動しながら、栄養実践にも従事。現在は神経外科を引退し、栄養学の研究に専念し、毒素、栄養、がんなどのウェルネスに関するトピックについての本を執筆。ラジオ、テレビ、そして専門家向けの講演会においても、その専門知識を共有するために招かれることが多く、「インテグリティ・イン・サイエンス賞」などの称賛を受け、栄養補助食品と医師擁護に焦点を当てたジャーナルの編集委員会にも所属。以前は、ミシシッピ大学医学センターとベルヘイブン大学で学術的な役職を勤務。