多くの書籍や映画が結婚式でフィナーレを迎え、「その後もずっと幸せに」という想定のもとに終わることがあります。しかし、実際には結婚の誓いを交わした後に、真の冒険が始まることがほとんどです。文学作品や映画では、恋愛の時のデートや求愛の段階が描かれることが多いため、結婚生活の冒険がどう展開するかについては、私たちはあまり知らされていません。

幸いに、多くの文学作品が結婚生活の現実、その並外れた喜びと悲しみを描いています。偉大な文学作品は結婚のような人間生活の側面を描き出し、私たちが個人的に経験するというしばしば痛みを伴うプロセスを経ることなく、それについて学ぶことができるようにしてくれます。

今日は結婚に関する以下の三つの文学作品を紹介します。これらは結婚生活に役立つ、楽しくて実践的な知恵にあふれています。

『デイヴィッド・コパーフィールド』
賢明な選択とその結果を受け入れること

1850年に発表されたチャールズ・ディケンズの『デイヴィッド・コパーフィールド』は、デイヴィッド・コパーフィールドの幼少期から成人期までの人生を描いています。デイヴィッドは温厚で真面目な少年で、成長して世の中で成功を目指します。青年になっても、デイヴィッドは純真さと無邪気さを保ち続けています。それはある面では道徳的な善良さを、一方では素朴さや無知を意味しています。

学校を卒業したばかりの若きデイヴィッドは、法律事務所に入り、スペンロー氏の下で働きます。スペンロー氏にはドーラという魅力的で美しい娘がいます。デイヴィッドはドーラに恋をし、すべてのエネルギーと思い描いた夢、さらには人生そのものがドーラを中心に回るようになります。青春の初恋のときめきに心を奪われたデイヴィッドは、ドーラを高く評価します。

「ドーラがどこから来たのか、または高次元の存在とどの程度関係があるのか​​、はっきりとした考えはなかったと思います。しかし、ドーラが他の若い女性と同じように単なる人間であるという考えには、憤慨と軽蔑の念を抱いていたに違いありません。言い換えれば、私はドーラの虜になっていました」

デイヴィッドは愛情に夢中になり、すぐにドーラと結婚します。しかし、ドーラは善良で親切な性格である一方、デイヴィッドと同じくらい、いやそれ以上に子供っぽかった。彼女は空想的で、無責任で、不器用でした。新婚生活が始まると、デイヴィッドは自分が深みのある性格の妻を求めていなかったことに気づき始めます。彼が求めたのは、愛らしい笑顔、魅惑的な魅力、色気、そして無垢なロマンスでした。

例えば、実際の生活では、ドーラは家事を切り盛りすることができず、使用人を管理することもできません。二人の生活は混乱状態にありました。デイヴィッドがこの問題を持ち出そうとすると、ドーラは彼の額に鉛筆で色っぽく絵を描いて、涙を流してデイヴィッドを「残酷」と呼びながら話を避けます。

後に、デイヴィッドがこの問題を大伯母と話し合ったとき、彼女は次のような良いアドバイスを与えます。

「これらはまだ初めのうちの事です…ローマは一日にして成らず、一年でも成らず。あなたは自分で自由に選びました…そして非常に美しく愛情深い女性を選びました。それはあなたの義務であり、また喜びでもあります—もちろんそれはわかっています。説教をしているわけではありません—彼女が持っている資質によって（あなたが彼女を選んだように）彼女を評価するのであって、彼女が持っていない資質によって評価するのではありません。できることなら、彼女が持っていない資質を伸ばしてあげなければなりません。そして、もしできないのであれば、あなたは……彼女の持ち合わせていない資質の状態に慣れるしかありません」

ここで、デイヴィッドの大伯母はいくつかの優れた見解を示しています。まず、第一に、デイビッドは自分の選択を受け入れなければなりません。それが最も賢明な選択ではなかったとしても、彼は結婚生活を成功させることができます。次に、結婚は努力と忍耐を必要とし、双方の配偶者が互いの利益のために自らを改善することを目指すのです。最後に、お互いの長所と短所を受け入れ、他の誰かであって欲しいと願ってはいけません。

このように、『デイヴィッド・コパーフィールド』は、賢明な選択とその結果を受け入れることの重要性を示しています。デイヴィッドが若さゆえの過ちから学び、成長していく姿は、多くの読者に共感と教訓を与えるででしょう。

つづく

（翻訳編集　清川茜）