更年期のケアに役立つ 4種類の食物成分とホットフラッシュ対策

多くの女性が悩む更年期。その辛い時期を少しでも楽にするために5つの症状、腰痛、肥満、ホットフラッシュ、不眠、頻尿に焦点を当て、改善方法をご紹介します。この記事を読んで、更年期をうまく乗り切るためのヒントを見つけてみてはいかがでしょうか?

 

骨粗しょう症を防ぐ4種類の食物成分

女性は閉経後5~10年の間に骨密度が急速に減少し、腰痛や背中の痛み、骨粗鬆症を発症しやすくなります。次の四種類の食物成分を補給することによって、骨の健康を維持し、骨粗鬆症を遠ざけることができます。

• カルシウムの補充

牛乳を飲んだり、チーズを食べたりすることは、最も手軽にカルシウムを補充する方法です。乳製品を摂取できない人は、チンゲンサイを食べましょう。チンゲン菜はカルシウムが豊富で(100グラムあたり288ミリグラム)のカルシウムを含み牛乳に匹敵します。

• タンパク質とコラーゲンの摂取

タンパク質とコラーゲンは筋肉と骨を強化する効果があります。タンパク質が不足すると、骨の成長に悪影響を与えるだけでなく、筋肉の密度と強度も低下し、転倒するリスクが高まります。卵、鶏肉、豆腐の摂取をお勧めします。

コラーゲンについては、豚足や鶏の足を食べましょう、骨粗しょう症を防ぐだけでなく、肌に潤いを与え、美容に良いです。ベジタリアンの人は、白キクラゲのスープや海藻類など、コラーゲンが豊富な食品を摂取してカルシウムを補えば、筋骨を強化できます。研究によって、海藻エキスには骨の形成を促進する効果があることがわかりました。

• 植物性エストロゲンの補充

大豆、豆腐、味噌、枝豆などを食べることで、大豆イソフラボンを摂取できます。人間のエストロゲンの構造に似ているため、体内のエストロゲンの水準の調整に役立ち、ホットフラッシュ、不眠、関節や筋肉の痛みを軽減できます。

• ビタミンDの摂取を増やす

鮭、サバ、キノコ類など、ビタミンDが豊富な食品は、カルシウムの吸収と骨の形成に役立ちます。

その上、日光浴や筋力を強化する運動を併せて行うことも、骨粗しょう症の予防に効果があります。
 

ホットフラッシュ(のぼせ、ほてり)は
冠状動脈性心臓病発症の恐れ

多くの中年女性がホットフラッシュの症状を持っていますが、医療機関を受診する人は非常に少ないです。研究によると、頻繁にホットフラッシュや寝汗をかく女性は、症状のない女性と比べて冠状動脈性心疾患のリスクが2倍に増えることがわかりました。

1日にホットフラッシュが7回以上起きる場合、症状がかなり深刻であることのサインで、病院で検査と治療を受けましょう。

1日にホットフラッシュが7回以上起きる場合、症状がかなり深刻(Shutterstock)

 

太ももの内側を叩くことで、更年期のホットフラッシュと不眠を和らげます。

漢方医学では、人間の体にエネルギーが通る道「経絡」があるとしています。エネルギーは陰と陽の2種類に分かれ、更年期のホットフラッシュと不眠は「陰虚」つまり熱気が出ることによるものです。太ももの内側は陰(肝、脾、腎)のエネルギーが通る道で、この部分を叩いて通すことで、ホットフラッシュを減少させる効果があり、月経不順の改善にも役立ちます、また、足のむくみを徐々に解消し、美しい足のラインを作ります。

やり方

・両脚を持ち上げて水平にします。

・ふくらはぎの内側から太ももの内側へ、下から上へ叩き、鼠径(そけい)部まで叩きます。

・叩きを繰り返して、1回に30秒間叩きます。一日2回、時間があればさらに多く叩いても良いです。
 

就寝前に運動 膀胱の力を強化し、尿漏れを防ぐ

更年期の女性は、人前で大笑いや咳をすると尿漏れの恐れがあります

漢方医学は、就寝前の運動で尿漏れの症状を改善します。この運動の呼吸法は独特で、口で息を吸って、鼻で息を吐きます。毎晩就寝前にこの運動を行えば、膀胱の力を強化し、尿漏れの問題を改善できます。

やり方

・ベッドに横になり、両手で膝を抱えます。

・かかとをできるだけお尻に近づけます。

・口で息を吸って、鼻で息を吐きます。この呼吸を7回繰り返します。

・夜寝る前に2回行います。
 

更年期のダイエット秘訣 食事の管理と運動

更年期になるとあまり食べなくても体重が増えやすくなり、日常的な食事の管理と運動が大切となる(Shutterstock)

更年期の頃になるとあまり食べなくても体重が増えやすく、特に腰回りに脂肪がつきやすくなったと気づく人が多いと思います。原因の一つは、エストロゲンレベルの低下で、脂肪が体内にたまりやすくなるからです。もう一つの原因は日常の運動不足で、体重が自然に増えてしまうことです。
 

効果的に減量できる3つの秘訣

2種類の食物成分を摂ること

カルシウムと良質タンパク質です。カルシウムは内臓脂肪を減らし、良質タンパク質は満腹感を持たせ、代謝を高め、脂肪燃焼を促進します。

ストレスを減らし、十分な睡眠を確保する

ストレスと睡眠不足は、ストレスホルモンであるコルチゾールの過剰分泌を引き起こし、食欲増進と脂肪蓄積を促進してしまいます。心のケアを行い、ストレスを減らし、7時間の睡眠をとることで、情緒が安定すると、体重のコントロールがしやすくなります。

2種類の運動を組み合わせる

有酸素運動と筋力トレーニングです。両方やると、減量だけでなく、筋力を強化し、骨粗しょう症の予防にも役立ちます。
 

夕食後1時間休憩してから運動を始めましょう

• まず10分間の速歩を行います、有酸素運動で、心肺機能を高め、余分な脂肪を燃焼させます。

• 次に、水の入ったボトルを持って10分間のバイセップカール(上腕の前面にある2つの力こぶを鍛える)とスクワットを行なって、腕、太もも、お尻の筋肉を鍛えます。

毎日の速歩が飽きたと感じる場合は、スロージョギング、水泳、または自転車などの他の有酸素運動に置き換えることを試してみてください。

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(翻訳編集 正道 勇)

胡乃文
台湾台北市にある上海同徳堂の伝統中国医学医師。カリフォルニア州サニーベールのNine Star University of Health sciencesの教授であり、また、スタンフォード研究所で生命科学の研究員としての経験を持つ。20年以上の臨床経験を通じて、14万人以上の患者を治療。中医学を用いて世界で5人目の悪性黒色腫患者を治癒させたことで名を馳せる。現在、登録者数70万人を超えるYouTubeの健康番組を主宰。また、オーストラリアや北米などで開催されている健康とウェルネスに関する人気のロードショーでも知られている。