ドラゴンフルーツは、その鮮やかな赤い皮と緑のうろこが中国の神話に登場するドラゴンに似ていることから名付けられました。一部の神話では、この果実はドラゴンからの贈り物とされています。

ドラゴンフルーツ（ピタヤ）は、サボテン科に属し、熱帯および亜熱帯地域で栽培されています。甘いものと酸っぱいものがありますが、最も人気があるのは甘い白い果肉と黒い種を持つ赤い皮の品種です。他の品種には赤い果肉や黄色い果肉があります。ピタヤとも呼ばれ、キウイと洋梨の中間のようなやや甘い味がします。
 

効能

ドラゴンフルーツの高い抗酸化物質レベルは、その優れた栄養特性の一つです。これにより、果実は抗炎症作用を持ち、今日の環境やライフスタイル要因による体内のフリーラジカル損傷と戦います。フリーラジカルの蓄積は細胞の損傷と酸化ストレスを引き起こし、老化の加速やがん、心血管疾患、パーキンソン病やアルツハイマー病などの神経変性疾患を引き起こします。

ベタシアニン（赤色素）とベタキサンチン（黄色と白色素）は、ドラゴンフルーツの果肉の色の差です。これらの色素、ベタレインと呼ばれるものは、抗酸化作用と抗がん作用があります。

フラボノイドはドラゴンフルーツにも含まれるフィトケミカル化合物です。この果実に含まれる高いビタミンCとともに、フラボノイドはドラゴンフルーツの強力な抗酸化作用を高めます。

●心臓

研究によると、ドラゴンフルーツはLDLコレステロールを低下させ、HDLコレステロールを改善する可能性があります。ドラゴンフルーツの皮にはペクチンが含まれており、研究ではコレステロール代謝を改善し、正常な血圧をサポートします。この果実の小さな黒い種子にはオメガ-6およびオメガ-3脂肪酸が豊富に含まれており、心臓に良く、コレステロールを低下させ、心血管疾患のリスクを軽減します。

●がん

ドラゴンフルーツにはリコピンが含まれており、これはβ-カロテンに関連するカロテノイドで、果実の赤色に寄与します。研究によると、リコピンはがん予防に重要な役割を果たします。ドラゴンフルーツのビタミンCと組み合わせることで、リコピンは腫瘍細胞の成長と拡散を抑制し、特に乳がんに対する抗がん活性を高める可能性があります。

●脳

マグネシウムは脳の健康に不可欠なミネラルです。ドラゴンフルーツにはマグネシウムが含まれており、うつ病の治療や脳機能の向上に役立ちます。マグネシウム欠乏症は神経筋および精神的な状態に関連しています。ドラゴンフルーツの高い鉄分含有量は、ヘモグロビンと赤血球の生成に必要であり、脳の酸素化にも重要です。

●糖尿病と体重

肥満と糖尿病の関係はよく知られています。ドラゴンフルーツの低カロリー、高繊維、高水分含有量は、これらの状態の管理に役立ちます。ドラゴンフルーツには血糖値を調節する低血糖作用もあります。

ある研究では、ドラゴンフルーツの摂取量が増えるにつれて血糖値が低下し、治療用途が示されました。高脂肪食のマウスを用いた研究では、ドラゴンフルーツエキスを与えたマウスは体重増加が少なく、肝脂肪、インスリン抵抗性、および炎症が減少しました。

別の研究では、赤いドラゴンフルーツに含まれるベタシアニンがインスリン抵抗性を低下させ、有益な腸内細菌の成長を調節することで肥満を予防しました。

●消化

赤色と黄色のドラゴンフルーツは自然な緩下剤です。その高い繊維含有量は便の形成と排泄を助けます。ドラゴンフルーツに含まれるプレバイオティクスのオリゴ糖は、特に結腸内の良好な腸内細菌を増やします。これらは消化を助け、肥満、がん、心血管疾患、および変性状態を防ぎます。

●肌

ドラゴンフルーツの皮膚を養う特性は、その豊富な抗酸化物質からきています。これらは日焼け、乾燥肌、にきびの治療に役立ちます。そのビタミンC含有量は、コラーゲンと結合組織の成長を助け、打撲や傷の治癒を促進します。

また、その高い水分含有量は乾燥肌の水分補給に適しています。果肉をヨーグルトと混ぜて20分間顔に塗ることで、肌の健康を改善できます。つぶした果肉は、日焼けやにきびを和らげます。

●目

ベータカロテン、リコピン、およびビタミンAとCは、目の健康に不可欠です。ロンドンの眼科クリニックによると、これらの化合物は角膜を保護し、白内障や黄斑変性症のリスクを低減することで視力を改善します。

●骨

ドラゴンフルーツはカルシウム、マグネシウム、リンが豊富で、骨を強くし、良好な骨の健康に寄与します。
 

ドラゴンフルーツを食べるためのヒント

見た目にかかわらず、ドラゴンフルーツは非常に簡単に食べられます。熟した、鮮やかな色の均一な果実を選びます。鋭いナイフを使って果実を半分に切ります。スプーンを使って果肉を掻き出すか、皮をむいて果肉をスライスします。スムージー、フルーツサラダ、サルサ（ソース材料にする）など、さまざまな方法で楽しめます。

（翻訳編集　柴　めぐみ）