アサイーベリーの奇跡(上)

アニー・ウィリス著「アサイーベリーの奇跡」から引用しアサイベリーを紹介します。この本は、アマゾン産の濃い紫色のアサイーフルーツ、アサイーを詳しく紹介しています。この小さな宝石をどう使えばいいか迷っていませんか? 心配いりません。ウィリス氏が、あらゆる季節や行事にぴったりのアサイーボウル、ジュース、スムージー、のレシピも紹介しています。では、アサイーのすばらしさを見ていきましょう。

 

強力なアサイーベリー

アサイーは、健康の代名詞ともいえる主流のフレーバーになっています。ヨーグルトや紅茶などの健康的な選択肢に(通常はブルーベリーと一緒に)アサイーが含まれているのを目にするでしょう。チョコレートからエナジードリンクまで、あらゆるものにその神秘的な健康パワーを吹き込み広く使われています。この魔法のようなベリーは、突然現れてどこでも見かけるようになりました。

しかし、アサイーは神秘的でも魔法的でもないのです。健康的なビタミン、ミネラル、抗酸化物質がぎっしり詰まった、小さな果物です。アサイーがアメリカに初めて紹介されたのは2千年代初頭ですが、原産国では何世紀にもわたって栄養価の高い主食として親しまれてきました。この果実と共に育った世代にとって、アサイーを食べることは、ブルーベリーをひと握り食べるのと同じくらい日常的なことです。

だだし、アメリカでも、日本でも、スーパーでアサイーの実をみかけることはないでしょう。アサイーは非常に傷みやすいため、収穫後数時間以内に加工して冷凍する必要があります。ですから冷凍ピューレまたはフリーズドライパウダーでしか見つけられないのです。

どのような形であっても、アサイーはその驚異的な栄養効果をもたらします。アサイーを摂取することで、より多くのエネルギー、免疫システムの強化、消化の改善、脳機能の向上、コレステロールの低下、輝く肌などを得ることができます。アサイーを活用して健康を管理し、素晴らしい気分を味わいましょう!

 

アサイーについて

アサイーは深い紫色で、熱帯の中南米原産の果実です。その名前は現地の言葉をポルトガル語に適応させたものです。アサイーの実はは、高さ100フィート(約30メートル)、葉の長さが10フィート(3メートル)にもなるエウテルペ・オレラセア(アサイーヤシの木)に実ります。果実は葉の下の密集した枝に房状に実り、枝ごとに 500~900 個も実ります。

アサイーベリーが房状に実る (shutterstock)

 

しかし、アサイー「ベリー」は実際にはベリーではなく、核果(サクランボやアンズのような種を持つ果実)です。見た目はブルーベリーに似ていますが、アサイーの可食部分は種を覆う薄い外層だけで、その種が果実全体の80%を占めています。また、味は甘くてジューシーな熟したブルーベリーとは全く異なり、ブラックベリーとダークチョコレートの間のような味とよく言われます。(アサイーは低糖果実なので、しばしば甘いものと一緒に混ぜて食べられます)

想像できると思いますが、アサイーベリーを巨大なヤシの木から収穫するのは大変な作業です。何世紀にもわたり、地元の人々は素足で道具を使わずに木に登り、10ポンド(約4.5キロ)のベリーの枝を手作業で収穫してきました。そして、今でもその方法は変わっていません。アサイーは非常に傷みやすいため、すぐに手作りのバスケットに詰められ、ボートで加工工場に運ばれます。アサイーは数時間以内に洗浄され、ピューレにされ、冷凍されて世界中に出荷されています。

 

アサイーの多くの利点

アサイーは強力な抗酸化物質、ビタミン、ミネラル、その他の栄養素の組み合わせにより、「スーパーフード」としての称号を得ています。もう一つの有名なスーパーフードであるブルーベリーと比較すると、アサイーにはより多くの抗酸化物質、タンパク質、カルシウム、鉄、ビタミンAおよびCが含まれており、さらに健康的な脂肪が多く、糖分は少ないのです。

このような素晴らしい栄養価があるため、アサイーが健康に大きな効果をもたらすのも不思議ではありません。では、アサイーがどのようにしてこれほど奇跡的な効果を発揮するのでしょうか。アサイーの栄養成分がどのようにして血圧、コレステロール、血糖値を下げ、免疫システムと脳機能を強化し、老化を止め、さらには慢性疾患やがんから保護するのかについて説明しましょう。

 

抗酸化物質とフィトニュートリエント

抗酸化物質がフリーラジカル(活性酸素)と戦い体に良いということはご存知でしょう。しかし、それが何を意味するのかはご存じないかもしれません。簡単に言うと、抗酸化物質は細胞を健康に保つということです。

フリーラジカルは不安定な原子で、健康な細胞に付着し、酸化ダメージやストレスを引き起こします。このダメージは、しわのような小さな問題から、慢性疾患や特定のタイプのがんに関連する炎症のような大きな問題まで引き起こす可能性があります。体は自然にフリーラジカルと戦いますが、できるだけ多くの助けが必要です。

フリーラジカルは体内で生成されるだけでなく、汚染物質やタバコなどの毒素にさらされることで発生します。

アサイーに含まれる抗酸化物質は、フリーラジカルに結合して健康な細胞に付着し、問題を引き起こすことを防ぎます。アサイーや、抗酸化物質が豊富な食品を摂取することで、これらの有益な栄養素が血流に入り込み、潜んでいるフリーラジカルを探しだします。抗酸化物質だけでも非常に多くの効果が得られます。

アサイーの抗酸化物質のおかげで、がん細胞の形成と拡散を防ぐことが示されています。また、抗酸化物質は脳細胞の炎症と酸化の有害な影響に対抗するため、アサイーには神経保護作用があります。研究によると、アサイーは記憶力を向上させ、脳が有害な細胞を掃除し、新しい神経を作るためのスペースを確保するのに役立ちます。

言い換えれば、アサイーに含まれる抗酸化物質は、脳をフル稼働させるのに役立ちます。そして、ビタミン C 、ビタミンE、ポリフェノール、アントシアニンなどの植物性栄養素など、さまざまな栄養素の中に、抗酸化物質が隠れているのがわかります。

(New Africa/shutterstock)

 

アントシアニンとその他のフラボノイド

ワインに含まれる抗酸化物質を言い訳にしてもう一杯注いだことがあるなら、アントシアニンはすでに馴染みがあるでしょう。アントシアニンは、赤ワイン(そしてアサイー)に色を与え、健康に良いとされる抗酸化物質です。

アサイーに含まれる12種類のフラボノイドはすべて抗酸化作用がありますが、中でもアントシアニンが最も有益とされています。その抗炎症作用は、慢性疾患の症状を緩和し、神経変性疾患を防ぎ、脳への血流を改善し、記憶力を向上させる可能性があります。さらにアントシアニンを定期的に摂取すると、若い女性と中年女性の心臓発作のリスクが 32 パーセント減少することがわかっています。

また、アントシアニンには強力な抗がん効果があります。アントシアニンは解毒酵素を活性化し、がんの拡散を防ぎ、がん細胞を殺し、さらにはがんの形成を完全に防ぐことがわかっています。したがって、一杯のワインを楽しむことも良いことですが、アントシアニンが最大30倍含まれるアサイーを摂取することでさらに良い効果が得られるでしょう。

つづく

(翻訳編集 清川茜)

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