爪を見れば体の健康状態がわかる?

「小さな兆候から全体を見抜く」とよく言われています。物事の些細な兆候から、その本質や発展の方向を見通すことができるという意味です。専門家によれば、健康状態は小さなの状態からもわかるので、普段からネイルをせずに、健康に関する情報を得るための指標として観察することが重要だといいます。

イギリスのブリストル大学の薬理学および神経科学の上級講師であるダン・バウムガート氏は、「The Conversation」のウェブサイトへの投稿で、足の爪や指の爪は皮膚の延長となり、髪の毛と同じように健康に関する情報を提供すると説明しています。

足の爪や指の爪はケラチン(角質)という硬い物質で形成されており、指先の方向に向かって硬い板状に成長します。さらに、皮膚と爪の境界部分を覆うキューティクルは、怪我や感染から守るための追加の保護を提供します。

バウムガート氏は、爪の外観や質感に変化があれば、それが健康状態に関する重要な手がかりである可能性があると指摘しています。以下は注意すべきポイントのいくつかです。

 

匙状爪

通常、健康な足の爪や指の爪にはわずかな凸曲線があり、くぼみはありません。それに対して、匙状爪(さじじょうそうこう/コイロニキア・スプーンネイル)の場合、爪の中央にくぼみができ、液体が一滴たまるほどの形状になります。この状態の爪は通常、薄くて脆くなります。

匙状爪は、貧血、つまり血液中に十分な赤血球がなく、体の組織に酸素を供給できない状態が多いです。これは鉄分不足と関連しているかもしれません。栄養不良、セリアック病、または胃腸がんが原因である可能性もあります。

また、機械工や美容師は、機械油やパーマ液に含まれる石油系溶剤を使用するため、特に匙状爪になりやすい職業です。しかし、匙状爪の原因は多岐にわたるため、長期間この状態が続く場合は医師に相談することを推奨します。

 

爪の変色

通常の状況では、爪床 (爪の下の皮膚) は均一なピンク色になっています。病気や感染症により、爪床や爪全体が変色することがあります。たとえば、爪が黄色い場合は、真菌感染症や乾癬などの皮膚疾患による変化を示している可能性があります。

また、爪の白化を意味する白斑症には、さまざまな形があります。

場合によっては、爪の白い跡は、鉛やヒ素などの重金属中毒によって引き起こされる可能性があります。どちらの状況も、水道システムの汚染により多くの国で依然として問題となっています。

爪全体が白く、いくつかの爪が影響を受けている場合は、循環系のタンパク質の不足が問題である可能性があります。これは肝臓または腎臓の病気を示している可能性があります。

しかし、爪についた小さな白い跡は、つま先に重い物が当たったり、閉まるドアに指が挟まれたりするなど、何らかの外傷を表している可能性が高くなります。最も一般的なのは爪噛みで過度のマニキュアでも、爪に損傷を与える可能性があります。

足の指を蹴ったり、指をつまんだりすると、爪が濃い紫、青、赤などに変色することがあります。この状態は爪下血腫と呼ばれ、外傷後に爪と爪床の間に血液が集まります。この状態は通常、時間の経過とともに自然に治りますが、感染や爪床からの爪の剥離を引き起こす可能性もあります。
 

爪検査

緊急時に、医師はよく患者の爪の血中酸素飽和度を確認します。爪を押してみることで、昏睡状態や意識不明の患者の状態を確認することができます。また、毛細血管再充満時間(CRT)テストは、患者の血液循環機能を確認するために用いられます。

毛細血管再充満時間テストとは、医師が患者の爪や指先を5秒間押し、その下の皮膚を白くします。押すのをやめた後、皮膚は通常2秒以内に元の色に戻ります。もしそれ以上の時間がかかる場合、患者は脱水状態、寒冷状態、あるいは末梢循環不全などの問題を抱えている可能性があります。また、心臓のポンプ機能が弱いために血液が体の末端まで届かない可能性もあります。

バウムガルト氏は、上記の症状に加えて、欠けた爪、陥没したりしわのある爪など、他にも多くの爪の問題があると述べました。爪の色や形の変化が気になる場合は、かかりつけ医に相談してください。

同氏は最後に、「つけ爪やマニキュアは、これらの変化を見逃す原因になる可能性があります。したがって、爪を装飾しないように注意し、それがあなたの健康に関する何かを示している可能性を見逃さないようにしましょう」と警告しています。

大紀元は以前、爪や足の爪に現れる変化は、新型コロナウイルス(私たち大紀元グループは「中共ウイルス」と呼んでいる)などの感染症の兆候である可能性があり、このような兆候は見過ごされがちであるとされています。英国の国民保健サービス(NHS)の医師カラン・ラジ氏は、時折、指や足の爪に「ボー線」と呼ばれる横線が現れることがあり、これは感染症の兆候である可能性があると指摘しています。

 

ラジ氏は、「科学者たちは、中共ウイルスに感染した患者が回復した後、彼らの爪に明確な白い水平線が残り、爪の表面が凹凸になることに注目しています」と述べています。

彼は、この横線は通常「無害」であり、これが現れたからといって必ずしも中共ウイルスに感染したことを示すわけではないと説明しています。というのも、この横線が現れる原因は多岐にわたり、中共ウイルスはその一つに過ぎないからです。

翻訳編集 清川茜

陳俊村