夏の健康法 心を整え、4種のお茶でのぼせと疲労を解消

暑いの日には、いつもだるいと感じる人が多いでしょう。だるくなる原因は高温だけではなく、体内に湿気が溜まることも考えられます。漢方医学では「夏に心を養う」を強調し、養生の大事なポイントの一つとされています。夏の対策として、冷房を付けたり、氷水を飲むことより、体内の湿気を除去することは大事ですが、それより体調を内から整えて、心の疲れを取り除けば、心身共に軽く感じるでしょう。
 

夏こそ心をしっかり休め、食後にお茶を飲みましょう

夏は気温が上がり、なんとなくだるく感じますが、これは、体が内外の温度差を調整するために血液の循環を加速させることによって、心臓や血管に負担がかかってしまうためです。頭がぼんやりしたり、力が出なくなってしまします。

体が冷えて外部の高温に対応できなくなると、水分の代謝や消化系統の機能が妨げられ、悪影響を受けてしまうため、体がさらにだる重く感じ、疲れやすくなります。

この状態を避けるためには、夏には心臓の火を減らす必要があります。漢方医学では、夏の養生は『心を養う』ことから始めるべきだとよく言われます。心臓の火を下げ、心の負担を軽減し、湿気を取り除くことで、体がより軽やかになります。食後に温かいお茶を飲んで体の湿気を取り除き、消化を促進し、心の疲れを解消することをお勧めします。そうすれば、夏の日々をより快適に過ごせるでしょう。
 

◎むくみ取りに最適 朝は紅豆薏仁(小豆ハトムギ)茶

あずきとハトムギ(Shutterstock)

材料 紅豆(あずき)50グラム、薏仁(ハトムギ)30グラム、水1000ミリリットル

手順

1.あずきとハトムギをフライパンに入れ、弱火で香りが出るまで軽く炒め、常温の水に約1時間浸します。

2.中火で煮ながら軽くかき混ぜます(なるべく豆を潰さないように気を付けましょう)。軽く沸騰したら弱火にし、30分ほど煮込みます。

3.火を止め、こしてから冷ませば、出来上がりです。
 

養生効果 漢方医学では、夏が五行では「火」に属します。体の養生で心を養い、心臓の火を下げることが最優先で、「火は赤であり、心に入り、気や血を補う」とも言われます。夏に赤い食材に相応しく、紅豆(あずき)、紅棗(なつめ)、紅麴(べにこうじ)、トマトなどを多く摂るのが良いとされます。

紅豆(あずき)は熱を冷まし解毒する効果があり、血液循環を促進し、顔色を良くします。「水分排出の神器」とも言われる薏仁(ハトムギ)は、ビタミンや抗酸化剤が豊富に含まれています。この二つの食材を一緒に煎じて飲むことにより、湿気を取り除くだけでなく、体の炎症を抑え、肌の弾力を保つ効果も期待できます。朝起きて手足がむくんでいたり、顔色が悪いと感じたら、紅豆薏仁(あずきハトムギ)茶を一杯どうぞ。
 
注意事項
煮る途中に、スープが徐々にとろみが出る場合があります、それは紅豆(あずき)や薏仁(ハトムギ)が潰れて、中のデンプンが流れ出したことが原因です。むくみを解消したい方は、豆を潰さないように注意しましょう。
 

◎夏の暑さを和らげ、脂っこさも解消する黒檀ジュース

サンザシ茶(Shutterstock)

材料:熟生烏梅35グラム、ローゼル10グラム、山楂(サンザシ)25グラム、陳皮12.5グラム、甘草(かんぞう)7.5グラム、氷砂糖200グラム、水2000ミリリットル

手順

1. 材料を洗浄し、水に入れて強火で沸かします。

2. 沸いたら弱火にして蓋をし、1時間煮込んだ後、材料を取り出して捨て、煮汁を冷ませば出来上がりです

養生効果:夏に人気の飲み物「烏梅ジュース」、別名「酸梅湯」は、酸味と甘味が絶妙に調和した美味しさで、脂っこさを解消し、腸の機能を守りながら消化を促進します。燻製された烏梅は漢方では薬材として使われており、豊富に含まれている有機酸が、乳酸の蓄積を減らし、血管の老化を促す有害物質を排除して疲労を解消します。

市販されている烏梅ジュースはメーカーによって材料が異なりますが、作りにこだわりがある烏梅ジュースには、ローゼル、山楂、甘草、陳皮、少量の氷砂糖を加えられ、複雑な味わいを楽しむことができます。養生烏梅ジュースは、暑さを和らげて喉を潤すだけでなく、美容効果もあります。

ローゼルはポリフェノールやアントシアニンを豊富に含み、抗酸化作用や抗炎症効果があり、適切に摂取すれば肌の保湿力を高めることができます。濃縮烏梅蜜で作られた烏梅ジュースを避け、天然で無毒、漢方薬の材料にも使用されている烏梅で作ったジュースを選ぶことをお勧めします。

注意事項
家にあるこし器の穴が大きすぎて、材料のカスをうまく濾せない場合は、目の細かいガーゼ袋を使うと良いです。材料を洗浄した後、すべて袋に入れてから煮ると、より滑らかな口当たりになります。」
 

◎お茶を正しく飲むと元気倍増 熟地黄入りミルクティー

ミルクティー(Shutterstock)

材料:熟地黄5グラム、牛乳1缶

手順

1.弱火で牛乳を温めます。
2.熟地黄を細かく切り、温めた牛乳に入れます。
3.當色が薄黒くなったら、お好みの濃さに調整すれば出来上がりです。

養生効果:午後の仕事で眠気が襲ってくるとき、熟地黄茶と牛乳の組み合わせはお勧めです。医学研究によると、熟地黄には多糖類、グリカン、アミノ酸、ツルコケモモ配糖体、および多くのビタミンを豊富に含んでおり、滋養強壮、利尿、腎臓の代謝を促進、免疫力を高め、体力を強化し、体内の湿気を取り除く効果があります。毎日香り高く栄養豊富な熟地黄入りミルクティーを1杯飲むことで、栄養補給、健康促進だけではなく、身体に優しい手軽なケアにもなります。

注意事項
熟地黄を選ぶ際には、九蒸九曝を行ったものを選ぶと、熱すぎず冷たすぎないので、おすすめです。
 

◎情緒の不安定には 枸杞(クコ)菊花茶

菊とクコの実を使用した養生茶(Shutterstock)

 

材料:乾燥キンセンカ(黄金菊)5個、クコの実3粒、水500ミリリットル

手順
1. キンセンカをセラミックフライパンに入れ、弱火で香りが出るまで素早く軽く炒めます、炒めることによって、菊花の冷たい性質を温かく変わります。
2. キンセンカとクコの実に熱湯を注ぎ、蓋をして15分間蒸らしたら、出来上がりです。

養生効果:現代人は生活のリズムが速く、寝る時間になってもスマートフォンをいじり続け、目の疲れや睡眠の質の低下を引き起こしがちです。そんな時に鎮静効果のある菊花クコ茶を淹れて、菊花の爽やかな香りで心を落ち着け、気持ちを整えましょう。

クコの実は「東洋の仙果」とも呼ばれ、現代医学の研究によれば、クコの実には18種類のアミノ酸、大量のβカロテン、ベタイン、ビタミンB群、ビタミンC、糖類、多糖類、カルシウム、リン、鉄などが豊富に含んでおり、目の機能を守るほか、肝臓を養い、視力を改善、血圧や血糖値、コレステロール値を下げる効果もあります。

注意事項
菊花は軽いため、焦がさないように素早く炒めることがポイントです。焦げた菊花は苦味が強くなります。
そして、寝る2時間前までに飲むことをお勧めします。そうすれば、夜中にトイレに起きる心配が少なくなります。

 

 (翻訳編集 正道 勇 )