犬は人間のストレスを嗅ぎ分ける? 研究が明らかにした驚きの影響

驚くべきことに、人間のストレスは特有のにおいを持っており、嗅覚が鋭いはそれを感知することができるのです。最新の研究では、犬がストレスのにおいを感じ取るだけでなく、それによって影響を受け、悲観的な選択をする傾向があることが明らかになりました。

イギリスのブリストル大学は7月22日のプレスリリースで、同大学の研究チームが行ったこの研究は、人間のストレスのにおいが犬の学習や感情にどのように作用するかを初めて調査したと発表しました。

この研究では、18組の子犬と飼い主がさまざまな人間の匂いに関する試験に参加しました。試験の間、これらの子犬は訓練を受けました。皿が一つの位置に置かれているときはその中に食べ物が入っていましたが、別の位置に置かれると空で、食べ物はありませんでした。

犬がこの位置の違いを理解すると、食べ物がある方への移動が食べ物がない方への移動よりも速くなります。その後、研究者たちはこれらの位置の間に新たな位置を設け、犬がそれらの位置にどれだけ早く近づくかを観察しました。

子犬が位置の違いを理解すると、食べ物がある位置への移動が速くなった(Shutterstock)

 

小犬が新しい場所に素早く近づく場合、それは楽観的な気持ちの表れです。反対に、ゆっくり近づくのは悲観的な感情を示しています。研究チームは、飼い主がストレスを感じている時と、リラックスしている時に、それぞれ汗と息のサンプルを採取しました。そして、小犬たちにそれらのサンプルの香りがあるかないかの両方の条件で、テストを繰り返させました。

研究結果によると、ストレスの香りは小犬が空のボウルに最も近い新しい場所に向かう速度を遅くしていましたが、リラックスした香りではそのような影響は見られませんでした。これは、ストレスの香りが小犬に新しい場所にご飯がないという予想を強めさせるかもしれないことを示しており、それは空のボウルがある場所と似たような状況です。

研究者たちは、この悲観的な反応が、ネガティブな感情状態を示していると考えています。これは、子犬がエネルギーを節約し、失望を避けるための戦略かもしれません。

研究チームは、子犬が最初に訓練を受けた二つのボウルの位置に食物があるかどうかの理解を向上させ続けていることも見つけました。特に、ストレスを感じさせるにおいがある状況では、その学習速度が速くなることが明らかになりました。

ブリストル大学の獣医学部で野生動物保護の専門家であるニコラ・ルーニー博士は、人間のストレスが犬の健康に与える影響を理解することは、犬舎で育つ子犬や、伴侶犬や介助犬としての訓練を受ける子犬にとって非常に重要だと指摘しています。

ルーニー博士は次のように述べています。「子犬の飼い主は、彼らのペットが自分たちの感情に敏感であることをよく知っています。しかし、私たちの研究では、ストレスを感じる見知らぬ人のにおいでさえも、子犬の感情状態や報酬に対する認識、学習能力に影響を及ぼすことが示されました」

 

(翻訳編集 井田千景)

陳俊村