カリフォルニア州シーサイドのボート所有者が、市の条例に抗議するために、ユニークで笑いを誘う方法を使いました。この条例では、自分の敷地内でボートをどのように駐車するかが定められています。
強制的に設置された白いフェンスには、彼の誇り高いボートの船首とトレーラーの絵が描かれています。フェンスのすぐ裏には実際のボートが停められており、通りからは見えなくなっています。
この「愚かな法律」に対して、言論の自由を唱えた合衆国憲法修正第1条の権利を主張するためにフェンスの壁画を描かせたのは、地元住民のエティエンヌ・コンスタブルさんです。この絵を描くために地元のアーティストが雇われました。
フォックスニュースの報道によると、2023年7月、市の職員はコンスタブルさんに対して、適切な停泊スペースと高さ6フィートのフェンスを建設するよう命じました。それまで彼のボートは庭に置かれていました。この命令に従わなければ、100ドルの罰金が科せられることになっていましたが、最終的には支払う必要はありませんでした。
「古い車両を放置しないという法律にはある程度の理屈があります」と彼はフォックスニュースに語りました。「でも、これは見苦しくないと思います。なぜそんな風に言われなければならないのか理解できません」
市の条例には、「ボートや大型キャンピングカー、モーターホーム、レクリエーション車両、ユーティリティトレーラー、バケーショントレーラーは、6フィートの高さのフェンスで側面と前面を隠す場合のみ、住宅地区に駐車できる」と記載されています。
そこで、コンスタブルさんは、新しい抗議方法を考え出しました。
「自分の所有する財産に好きなメッセージを書くのは、合衆国憲法修正第1条で認められた権利だと思う」
「だから、自分の権利を守るためにこのようなことをやったのです」
地元のアーティスト、ハニフ・パニさんは、隣人のコンスタブルさんと協力し、その才能と絵画の力を駆使して強力なメッセージを発信しようとしています。壁画の画家であり、デジタルデザイナー、そしてDJでもあるパニさんは、視覚的な絵画を描く才能に優れ、実物大のリアルなボートの3D絵画を描き上げました。この画は、通りから誰でも、さらには役人でも自由に見ることができるようになっています。
パニさんの優れた技術により、フェンスがあるにもかかわらず、まるで透明または存在しないかのように見えます。
この錯覚は非常に巧妙で、通行人は一目見ただけではそのトリックに気づかないでしょう。偽の車道や陽光が差し込む茂み、奥行きを感じさせるボートなどが完璧な遠近法で描かれています。
これは規則に準拠しており、憲法によっても保護されています。
コンスタブルさんは、役人からの反応にたいして「何が来ても準備ができている」と言っていましたが、この動画がネット上で大きな人気を集めるとは予想していませんでした。しかし、実際にはInstagramで多数の再生回数を獲得しました。2人は「驚くとともに楽しんでおり」、その後、有名になったことには驚いていたとコンスタブルさんは語っています。
船のオーナーとアーティストによるいたずらにもかかわらず、市は友好的でユーモラスな対応を見せ、コンスタブルさんに100ドルの罰金を科しませんでした。
「市長代理兼警察署長から電話があり、『君は面白いね。ハイタッチしたいくらいだよ。いつか会いたいね。それに、『何か必要なことがあれば教えてくれ』と言われました」とコンスタブルさんはフォックスニュースに語り、「このコミュニティの99%の人々もそれを面白いと感じていた」と付け加えました。
フェンスの設置には数百ドルかかり、壁画のために近所の人にもお金を払ったそうです。
アーティストのパニさんは、公共の場でのアートを通じて人々の関心を引き、時には会話だけでは得られない気づきや共感を生むことがあると言います。
中部海岸沿いに多くの壁画を描いているこの画家は、船の壁画が話題になって以来、同様の作品の注文が殺到しています。
(翻訳編集 華山律)
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