サツマイモパワーで血糖&心臓ケア!毎日の健康習慣に

●サツマイモにはがん予防効果が期待されるタンパク質が豊富

●心血管疾患予防に役立つフェノール系化合物を含む

血糖値を調整する代謝調整成分を含有

●食物繊維と抗酸化物質が豊富で便秘予防にも効果的

●蒸して食べることで、栄養を効率よく摂取可能

サツマイモは甘くておいしい、栄養豊富な健康的な食品です。食物繊維が豊富で、β-カロチン、ビタミンB、C、鉄、マグネシウム、カリウムなどの微量元素も豊富で、人体に必要なアミノ酸も多く含まれているため、サツマイモは一般的にスーパーフードとされています。

研究によると、サツマイモをよく食べることで糖尿病、心血管疾患、がんなどの慢性疾患を予防できることが明らかになりました。また、サツマイモの葉にも様々な健康上の利点があり、抗がん作用や抗酸化の特性があります。サツマイモはおいしいだけでなく、少なくとも4つの主な健康上のメリットがありますが、それは、蒸して食べる場合に限ります。

サツマイモのタンパク質でがん予防

2005年8月に疫学の雑誌「Journal of Epidemiology」に発表された研究報告によると、日本の科学者が40歳以上の男性4万7997人と女性6万6520人を7年以上追跡調査しました。その結果、サツマイモ、ジャガイモ、サトイモを定期的に食べることで、腎臓がんの死亡リスクを下げることがわかりました。

1996年3月に、国家癌研究所の雑誌「Journal of the National Cancer Institute」に発表された研究によると、β-カロテン、葉酸、ビタミンC、食物繊維などの栄養豊富な野菜(サツマイモなど)は、閉経前の女性の乳がんリスクを約50%下げることができます。

1931年に研究者は、サツマイモに抗がん作用を持つ独特なタンパク質(unique protein)が含まれていることを発見しています。

2013年6月に、胃腸学の雑誌「World Journal of Gastroenterology」に発表された研究によると、サツマイモから抽出されたタンパク質は、ヒト結直腸癌細胞の増殖と転移に顕著な抑制作用が明らかになりました。これらのタンパク質は結腸直腸癌細胞の成長速度を遅らせるだけでなく、癌細胞の移動と広がりを防ぐこともできます。

また2007年に、アジア太平洋の臨床栄養学「Asia Pacific Journal of Clinical Nutrition」に発表された研究によると、ビタミンAを豊富に含む野菜、特にセロリとサツマイモの葉は、肺がんを予防できることが明らかになりました。

サツマイモの葉は肺がん予防効果があります。(蕎麦喰亭 / PIXTA)

 

心血管疾患予防に役立つフェノール系化合物を含有

サツマイモの葉にはフェノール系化合物が含まれており、体内のフリーラジカルを除去でき、血管炎症を軽減できます。そのため、サツマイモの葉を食べると、高血圧患者の脳動脈硬化予防に効果的です。

2021年8月に、ライフ誌「journal Life」に発表された研究によると、サツマイモの葉を食べることで総コレステロールを下げ、LDLが低下し、酸化ストレスが軽減されることが判明しました。サツマイモの葉を多く食べると高脂血症や心血管疾患を予防できる考えられていますが、これには、さらに研究が必要です。

台湾大学病院、老年医学科の元主治医で、医師の裕翔博士(Dr.Yu Hsiang Fu)は、サツマイモは食物繊維が豊富で、コレステロール値を下げるとフェイスブックに投稿しました。さらに動脈硬化を予防し、心臓病リスクを下げることができるコム多糖類も含まれているといいます

紫色のサツマイモはアントシアニンが豊富に含まれます。2019年2月に、農業と食品化学の雑誌「ournal of Agriculture and Food Chemistry 」の発表によると、十分なアントシアニンを摂取することで心血管疾患の予防に役立つことが分かりました。

アントシアニンが心血管の健康を改善するメカニズムはまだ不明ですが、疫学データは、より多くのアントシアニンを摂取した人は心筋梗塞や心血管疾患で死亡するリスクが低いことが示されています。

紫芋はアントシアニンが豊富です。(Nungning20 / PIXTA)

 

血糖値を調整する代謝調整剤を含有

2004年に、糖尿病のジャーナル誌「journal Diabetes Care」に発表された12週間の臨床試験研究で、オーストリア・ウィーン大学の研究者は、さつまいもの一種である、カイアポ芋を摂取している2型糖尿病患者61人を調べました。すると、HbA1cレベルが7.21%から6.68%に大幅に低下していることを発見しました。(HbA1レベルは6.0%未満が正常範囲 。)その結果、カイアポ芋は2型糖尿病患者の血糖値とコレステロール値を下げるのに役立つことが分かりました。

2000年1月に発表されたもう一つの生物・薬学「Biological and Pharmaceutical Bulletin」の研究によると、サツマイモは抗糖尿病の作用を持ち、インスリンの抵抗性を低下させることで、異常なグルコースと脂質の代謝を改善できることが分かりました。

研究者は糖尿病を患うマウスにカイアポ芋を与えました。すると、カイアポ芋の経口投与からわずか6週間後にマウスの高インスリン血症が60%改善されました。

サツマイモはまた食物繊維が豊富で満腹感が得られるため、血糖値とインスリンの変動を起こしにくく血糖値のコントロールに役立ちます。

カイアポ芋は、2型糖尿病患者の血糖値とコレステロール値の低下を助けます。(大紀元データ図)

 

食物繊維と抗酸化物質で便秘予防

サツマイモには繊維質と抗酸化物質が豊富に含まれているため、腸の健康維持に役立ちます。また、水溶性および不溶性の食物繊維も豊富で、食物繊維は体内で消化吸収されませんが、腸にとっていくつかの利点があります。

水溶性食物繊維は水分を吸収して便を柔らかくしますが、不溶性食物繊維は水分を吸収せず便の体積が増します。水溶性繊維と不溶性繊維の両方が結腸内の細菌によって発酵され、腸内を裏打ちする細胞に栄養を与え、腸の健康維持に役立つ短鎖脂肪酸化合物を生成します。

2016年6月のがんのケアマガジン「Journal of Cancer Nursing」に発表された研究によると、白血病患者57人が、毎日200グラムのサツマイモを食べた後、化学療法による便秘の軽減を経験しました。

サツマイモには腸内環境を整える効果があります。サツマイモの食物繊維は善玉菌の増殖を促進し、悪玉菌を抑制します。腸内の善玉菌の数を増やし、腸をより健康にし、腸疾患のリスクを減らします。
 

サツマイモは蒸して食べるのが最も効果的

適量のサツマイモを食べることは、カロリーと脂肪の摂取量をコントロールできるため、糖尿病患者やダイエット中の人に効果的です。ただし、サツマイモを食べる場合は他の主食の摂取量を減らして総摂取カロリーをコントロールする必要があるので注意が必要です。

傅裕翔氏によると、サツマイモは中程度のGI値(血糖指数)約69です。最高の食事療法効果を達成するためには、蒸したサツマイモをそのまま食べ、調理や味付けをしすぎないようにしなければなりません。サツマイモのポテトチップス、干し芋などに加工されたサツマイモ食品は栄養が大幅に低下します。

David Chu
ロンドンを拠点とするジャーナリスト。中国の主要都市や韓国、タイ、その他東南アジア諸国の金融業界で約30年に渡るキャリアを持つ。中国伝統医学を専門とする家庭に生まれ、中国の古典文学の素養がある。