笑いと想像力に満ちあふれ、遊びたい放題だった子供の頃を覚えていますか。いつしか、多くの人はその遊び心を失ってしまいます。私たちは成長し、責任を背負い、いつの間にか義務に埋没し、楽しむ余裕などなくなってしまうのです。遊びが疎かになったり、贅沢品のように扱われたり、子供だけのものとみなされたりするのです。
私たちは子どもたちに遊びを奨励する一方で、「大人になりなさい」と言う時期がやってきます。まるで、大人になることが遊びを置き去りにすることであるかのようです。大人になると、「遊び」という言葉さえ変わってしまい、もはや「遊び」とは呼ばれず、「余暇活動」という言葉に変わってしまいます。
しかし、遊びは子供だけのものではないし、軽薄なものでもありません。実際、遊びはいくつになっても、心と体を癒す強力なツールになり得るのです。
ある研究によると、遊びを取り入れた活動は、うつ病、不安障害、双極性障害、統合失調症の予防や管理に役立つとされています。定期的に遊びの活動をしている大人は、ストレスが減り、エンドルフィン(体内の快感物質)が増えるのです。スポーツやクリエイティブな趣味、ゲームなどの遊びは、血圧を下げ、心臓病や認知機能の低下から守り、長寿を延ばす効果もあるのです。
これは、私たちが人生に望んでいることのように思えませんか?
私は、日々の忙しさが遊びの邪魔をすることに罪悪感を感じてきました。仕事、家族の責任、用事に追われ、楽しむ時間などないと自分に言い聞かせているのです。しかし、子供たちと鬼ごっこをしたり、80年代の音楽に合わせてキッチンで踊ったりと、遊びの時間を持てば、心が軽くなり、魂が充電されるように感じます。
遊びは成長するものではなく、年齢に関係なく受け入れるものです。遊びは、私たちの幸福のために必要なものとして、違った見方をする許可を自分自身に与えましょう。
では、大人の生活にもっと遊びを取り入れるにはどうしたらいいのでしょうか。いくつかのアイデアを紹介します。
1.ゲーム
家族とのカードゲームや友人とのボードゲーム(電源を使わず、紙やペンやサイコロなどアナログなものを使って遊ぶゲーム)は、一緒に遊ぶことでつながりが生まれ、ストレスが軽減されます。もし一緒に遊ぶ人がいない場合は、ソリティアゲーム(カードの色を交互に且つ、降順になるよう場にカードを移動させて最終的に同じマークでA~Kまで揃えるというゲーム)をしたり、パズルを組み立てたり、マンガを読んだりしてみましょう。
2.遊びながら体を動かす
ダンスをしたり、キャッチボールをしたり、レクリエーション・スポーツ・リーグに参加するのも、運動不足を感じさせない楽しい方法です。
3.クリエイティブな面を再発見する
創造性も遊びの一種です。絵を描く、詩や物語を書く、落書きをするなど、創造的な遊びは脳を刺激し、日常に喜びをもたらします。
4.自然体でいる
孫と公園で追いかけっこをしたり、友だちとくだらないコンテストに挑戦したりすることで、喜びを感じ、今この瞬間の存在感が増します。
5.笑う
笑いは最も純粋な遊びのひとつです。ストレスホルモンを減らし、免疫機能を向上させます。面白い映画を見たり、感情を高めてくれる友人と過ごしたり、ジョーク本を読んだりしましょう。
「遊び」という言葉を取り戻しましょう。遊びは卒業するものではなく、受け入れるものであり、健康で、つながりを感じ、幸せでいるために欠かせないものなのです。
週末を迎えるにあたり、1日5分でもいいので、どうしたら生活に遊びを増やせるか考えてみてください。ゲームであれ、創造的な活動であれ、自発的な楽しみの爆発であれ、自分自身に遊ぶ許可を与えてみませんか?
(翻訳編集 呉安誠)
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