健康な心臓を目指して

心臓を守る! 必須食品3選と簡単エクササイズ

血管の健康を保つことは、長寿と全身の健康にとって非常に重要です。バランスのとれた食事、指圧、そして定期的な運動が、心臓を守り、心血管疾患の予防に役立ちます。

心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患は、命に関わる重大なリスクです。アメリカ心臓協会の2024年版「心臓病と脳卒中に関する統計」によると、心臓病は1921年以降、アメリカで最も多い死因となっています。

冠状動脈疾患、心不全、脳卒中、高血圧といった心血管疾患は依然として非常に高い発生率を示しています。アメリカ心臓協会の報告によると、2050年までにアメリカの成人の60%以上が何らかの心血管疾患を抱えると予測されています。この増加の主な原因は高血圧の増加であり、推定1億8400万人が高血圧を患うと見込まれています。高血圧を持つ成人の割合は、2020年の51.2%から2025年には61%に増加すると予測されています。

処方された薬を服用するだけでなく、心血管の健康を最適化するためには、心臓と血管を守る食品を日常の食事に取り入れることが重要です。

血管の健康を守るための3つの必須食品

血管をきれいにし、動脈硬化の予防に効果的な食品を3つご紹介します。

1. アブラナ科の野菜

ブロッコリー、キャベツ、チンゲンサイなどのアブラナ科の野菜は、血管の健康にとって非常に有益です。アメリカ心臓協会誌に掲載された研究によれば、アブラナ科の野菜を1日225グラム以上摂取することで、頸動脈の壁の厚みを減少させ、動脈硬化のリスクを下げる効果があるとしています。

2. 魚類

サバなどの魚には、オメガ3脂肪酸(特にエイコサペンタエン酸)が豊富に含まれています。この脂肪酸は血管の機能を改善し、血栓の形成を防ぐのに役立ちます。魚を定期的に摂取することで、血流がスムーズになり、心血管疾患のリスクを低下させることができます。

3. 果物

リンゴやオレンジ、グレープフルーツなどの柑橘類には、ペクチンという水溶性食物繊維が豊富です。この食物繊維は、悪玉コレステロール(LDL)の濃度を下げ、血管を保護する効果があります。2014年の研究では、1日93グラム以上の果物や25グラム以上の水溶性食物繊維を摂ることで、頸動脈の壁の厚みを減少させ、動脈硬化の予防に寄与することが示されています。

補足研究
2004年の研究では、果物や野菜を1日4回以上摂取した人は、血中のLDLコレステロールの大幅な減少を経験したと報告しています。また、リンゴを1日1個食べることで、心血管疾患やがんによる死亡リスクが低下するという研究結果があります。このことから、「1日1個のリンゴが医者を遠ざける」ということわざが実証されているといえるでしょう。

 

心臓の健康評価

古代中国の医書『黄帝内経』には「心は顔色に現れる」と記されています。これは、心臓の健康状態が顔色などの外見に表れるという考え方です。伝統的な中医学(TCM)では、以下のような特徴を見ることで心臓の健康を評価します。

1. 顔の色

非常に赤い顔色 高血圧の可能性があります。

青白い顔色 貧血や低血圧を示唆することがあります。

青紫色の顔色 瘀血(おけつ 血液の滞り)のサインかもしれません。

2. 唇の色

青紫色の唇 心臓に何らかの問題が潜んでいる可能性があります。

3. 耳たぶの状態

耳たぶにシワがある 心血管の健康が悪化している兆候です。特にシワが深い場合は、心血管疾患のリスクが高まっている可能性があるため、早めの医療機関での診察が強く勧められます。

 

不整脈の症状を和らげる指圧ポイント

何の原因もないのに心臓が速くなったり、心拍が不規則になったり、動悸や胸の痛みを感じる人もいます。指圧はこれらの症状を効果的に緩和し、心臓の健康を守るのに役立ちます。

効果的な2つの経穴、内関(ないかん)と公孫(こうそん)は、手と足にあります。動悸や不整脈が起こった際には、いずれかの経穴を個別に、または両方を同時に押して症状を緩和することができます。

不整脈の症状を和らげるツボ(大紀元製図)

1. 内関(ないかん)経穴

場所 手首の横じわから指3本分上の位置にあり、手首の2本の腱の間。

効果 狭心症や不整脈の緩和、心血管疾患の予防に役立ちます。胸の圧迫感、呼吸困難、低血圧に悩む人にも効果的です。また、心臓疾患を持つ患者や妊婦にも推奨されており、吐き気や嘔吐の緩和にも効果があります。

2. 公孫(こうそん)経穴

場所 足の内側、第一中足骨の下部に位置します。

効果 中医学では、内関と公孫の経穴を同時に押すことで、胃、心臓、胸に関連する問題を緩和できると考えられています。

なお、動悸、胸の痛み、息切れ、疲労などの症状は心臓病の始まりを示している可能性があるため、速やかに医師に相談することを推奨します。

 

心臓病予防のための簡単な運動

45~50歳の人々は、疲労感や背中、体の痛みを感じることが多くなります。特に、更年期の女性はエストロゲンの減少により、心血管疾患のリスクが大幅に増加します。

日本の医師、池谷敏郎氏が提案する運動は、血管を活性化し、動脈硬化や心筋梗塞の予防に効果的です。

準備
立った状態で肩と腕をリラックスさせ、体幹の筋肉を意識します。

つま先立ちジョギング
かかとを上げてつま先立ちになり、その状態で1分間その場でジョギングをします。体全体をリラックスさせながら行いましょう。
※かかとを上げてのジョギングが難しい場合は、足全体を使って無理のない範囲で行ってください。

クールダウン
1分間のジョギングの後、徐々にペースを落とし、30秒間その場で歩きます。腕は自然に振ってリラックスしましょう。

この運動は、空腹時に1日3回行うのが理想的です。血液循環の改善や血管の健康維持に役立ち、特に高齢者や膝の問題を抱える人にも適した運動です。

 

この記事で述べられている意見は著者の意見であり、必ずしもエポックタイムズの意見を反映するものではありません。エポックヘルスは、専門的な議論や友好的な討論を歓迎します。

胡乃文
台湾台北市にある上海同徳堂の伝統中国医学医師。カリフォルニア州サニーベールのNine Star University of Health sciencesの教授であり、また、スタンフォード研究所で生命科学の研究員としての経験を持つ。20年以上の臨床経験を通じて、14万人以上の患者を治療。中医学を用いて世界で5人目の悪性黒色腫患者を治癒させたことで名を馳せる。現在、登録者数70万人を超えるYouTubeの健康番組を主宰。また、オーストラリアや北米などで開催されている健康とウェルネスに関する人気のロードショーでも知られている。