50歳から始める健康と若さを保つ4つの方法

人は年を取るにつれ、体の機能が徐々に衰えます。50歳を過ぎても、如何に若さと健康を保つことが多くの人にとって気に留める話題です。この記事では、食事のトレーニングを通じて、急激な老化を防ぎ、病気を予防、活力と健康を維持する方法をご紹介します。

脾胃を整えてアンチエイジング! 生活習慣病の予防にも効果的

50歳でも35歳のような若さを保ちたい場合に、美容医療に頼ったり、高価なスキンケア製品を使ったりして解決できますか、実は、最も大事なのは「脾胃」のケアです。

漢方医学での「脾胃」とは、消化器系の臓器のすべてを指し、 脾は食べ物の消化吸収や栄養素の運化を行い、胃は消化吸収の完成や栄養素の摂取を行います。漢方医では「脾胃を養うことは命を養うことであり、脾胃が健康なら人は老いない」とよく言われます。

これは、脾胃が食べ物や水分を気血(エネルギー)に変換し全身に運ぶ役割を担っているからです。脾胃が弱まると、運ぶ機能も低下し、必要なエネルギーが届かなくなり、体が弱くなるだけではなく、他の臓器の機能にも影響を及ぼします。

脾胃が弱くなる女性は、老化も速まります。エネルギーが不足し、顔色が青白くなり、肌が乾燥し、シワも出来てしまいます。また、月経不順や更年期症状の悪化なども引き起こします。

脾胃が弱くなる男性は健康に問題が起こりがちです。体力や精力が不足し、少し食べたら胃が張り、消化不良の症状が現れます。さらに、仕事のストレスを解消するために、揚げ物や焼き肉など食べたくなります、しかし、このような高カロリー・高脂肪の食べ物を頻繁に摂取すると脾胃に湿気が溜まりやすくなります。

湿気が体外に排出されないと「痰」となります。漢方医学でいう「痰」とは気道分泌物の痰ではなく、体内に蓄積された老廃物のことです。例えば、血管内の過剰な脂肪やむくみなどです。体内に痰が溜まると、高脂血症、高血圧、高血糖といった生活習慣病を引き起こすリスクがあります。

 

老化防止のための「食べるべきもの」と「控えるべきもの」

50歳を過ぎて急速に老化したくないなら、次2種類の脾胃に負担をかける食品をできるだけ控えましょう。

1.冷たいものや生ものを控える
脾胃は温かいものを好んで、冷たいものを嫌います。アイスコーヒーや刺身などの冷たい食べ物は脾胃を冷やし、消化能力を低下させます。その結果、顔色がくすみ、輝きを失ってしまいます。

2.加工食品や高脂肪食品を控える
ポテトチップス、ソーセージ、ベーコンなど加工食品や、フライドチキン、フライドポテトのような高脂肪食品は脾胃に大きな負担をかけるだけでなく、心血管疾患のリスクも高めます。

脾胃の健康を保つには、次の4種類の食品を意識して摂取するようにお勧めします:

1.穀物
主食として白米、玄米、胚芽米を摂るようにしましょう。漢方医学の古典『黄帝内経』には「五穀は滋養なり」と記されており、臓器を養い、脾胃を強化する効果があるとされています。

2.黄色い食品
漢方医学では、黄色い食べ物は脾胃に相性がいいと考えられています。例えば、雑穀米、さつまいも、かぼちゃなどがおすすめです。

・雑穀米は脾胃を養う効果が高く、血糖値を下げ、睡眠の改善にも役立ちます。
・さつまいもは豊富な食物繊維を含み、コレステロールを下げ、血管の弾力性を高める効果があります。

・かぼちゃは胃の粘膜を保護する働きがあります。

さらに、研究によると、かぼちゃはルテインやポリフェノールなどの生物活性物質を多く含み、脂質低減、血糖値降下、高血圧予防、抗炎症、免疫調整、抗ウイルスなどの効果が期待できます。

3.良質なタンパク質
タンパク質が不足すると、筋肉の合成が十分に行われず、骨密度の低下が進み、骨粗しょう症や骨折のリスクが高まります。有機枝豆や豆腐はタンパク質を豊富に含み、筋力を強化し、骨粗しょう症の予防に役立ちます。

豆類でお腹が張りやすい方は、魚を補うと良いでしょう。魚のタンパク質は消化が良く、特にサバ、サーモン、サンマなどがおすすめです。これらの魚はオメガ3脂肪酸を多く含み、心臓や脳の健康に良いとされています。

4.繊維の含有量が多い野菜
カリフラワー、ほうれん草、サツマイモの葉は食物繊維が豊富で、便通を促進し、心臓病のリスクを低下させる効果があります。

研究によると、カリフラワーを週に1~2回ベースで食べれば、死亡リスクを32%~43%低減することに繋がります。また、カリフラワーの摂取頻度が高いほど、心血管疾患やがんによる死亡リスクも低下する傾向が見られます。

 

油を正しく摂取することで、老化を防ぎ、認知症予防

多くの高齢者は認知症のリスクを伴っています。ハーバード大学の研究によると、オリーブオイルを継続摂取することは、認知症関連による死亡リスクの低減に繋がることが示されています。この研究は今年5月に『JAMA Network Open』誌に発表されました。

研究者は9万人以上のアメリカ人成人を対象に、28年間にわたるデータを分析しました。その結果、オリーブオイルをほとんど摂取しない人と比べて、毎日7グラム以上のオリーブオイルを摂取している人は、認知症関係の死亡リスクが28%低下していることが分かりました。

さらに、研究者たちは、オリーブオイル(特にエクストラバージンオリーブオイル)に含まれるフェノール類化合物が、炎症や酸化ストレスを軽減し、血液脳関門の機能を回復させる効果があると述べ、オリーブオイルは、脳内のアミロイドβやタウタンパク質など誘発要因を減少させ、認知機能を改善する可能性があるとされています。

 

まばたきで老眼や白内障を予防

多くの人は40歳頃から目の老化が始まります。また、スマートフォンを長時間使用することで、目が乾燥したり疲れたりする人も少なくありません。簡単に行える対策として、頻繁にまばたきをすることが挙げられます。この動きを習慣化することで、目の老化を遅らせることができます。

やり方として、バスや電車を待つ間や昼休みなどに、目を閉じた状態で30回連続してまばたきを行います。頻度は1秒に1回のペースで、30秒間続けた後に目を開けます。この動きは、目の周りの血液循環を促進し、目の乾燥を改善するとともに、白内障や目の老化を予防する効果があります。また、疲れを効果的に和らげ、目に休息を与えることができます。

 

骨密度の低下を予防する動き

年齢を重ねるにつれて骨密度の低減が加速し、身体機能に影響を与えるだけでなく、顔や顎など外見にも影響を及ぼします。

人間の骨には「オステオカルシン」というホルモンが存在します、骨の健康にとって非常に重要で、骨密度の低下を抑え、骨を強化する役割を果たします。そして、筋肉の機能や血糖値の調整にも大きく影響します。しかし、加齢とともに体内のオステオカルシンも低下していきます。研究によれば、有酸素運動がオステオカルシンを増加させる効果があることが分かりました。

実践では、「つま先立ち」という簡単な動きがオステオカルシンを活性化させるのに効果的であることが確認されています。

つま先立ちの練習(動画:胡乃文開講より)
つま先立ち(Shutterstock)

やり方として、まず、自然な姿勢で立ちます、つま先立ちをして3秒間キープした後、かかとを下ろします。この動作を毎日30回行いましょう。オステオカルシンは骨の健康を保つだけでなく、インスリンの分泌を促進する効果もあるため、血糖値が高い人にもおすすめのエクササイズです。

                 
(翻訳編集 正道 勇)

胡乃文
台湾台北市にある上海同徳堂の伝統中国医学医師。カリフォルニア州サニーベールのNine Star University of Health sciencesの教授であり、また、スタンフォード研究所で生命科学の研究員としての経験を持つ。20年以上の臨床経験を通じて、14万人以上の患者を治療。中医学を用いて世界で5人目の悪性黒色腫患者を治癒させたことで名を馳せる。現在、登録者数70万人を超えるYouTubeの健康番組を主宰。また、オーストラリアや北米などで開催されている健康とウェルネスに関する人気のロードショーでも知られている。