冬が近づくと、外での活動が減りがちになります。このように「冬眠」するような生活は、体力や持久力が低下しやすい時期を作り出してしまいます。筋力や持久力は日々の活動に支えられており、寒い季節になると、多くの人が室内で過ごす快適さを選びがちです。それ自体は自然な選択ですが、その結果、日常的な活動量が大幅に減少してしまうこともあります。
ですが、冬を「弱くなる季節」と考える必要はありません。寒さに耐えながら春を待つのではなく、自宅でできる簡単な運動を取り入れて、筋力や持久力を保ち、体の内側から温かさを感じることができます。
ここでは、冬の間も健康を維持するためのエクササイズをご紹介します。
注意: 以下のエクササイズは、筆者の患者にはおおむね好評ですが、ご自身の体調や状況に合うかどうかは、必ず医療の専門家に相談して確認してください。
冬を元気に過ごすための6つのエクササイズ
1. ウォーキング
冬に特におすすめなのがウォーキングです。外に出て新鮮な空気を吸いながら、体を動かすことで関節をほぐし、体を温めることができます。また、運動の習慣がない人でも始めやすく、継続的なエクササイズ習慣を作るきっかけにもなります。
ステップ1 通常のペースで5分間歩きます。 体の調子を確かめながら、違和感があれば無理をせずゆっくり進めましょう。
ステップ2 ペースを上げて速足にし、15~30分間歩きます。
ステップ3 最後にまた通常のペースに戻して5分間歩き、クールダウンします。
ウォーキングは全身を動かす運動として効果的なだけでなく、気分をリフレッシュし、ポジティブな気持ちになれるのも魅力です。
2. その場足踏み
外が寒すぎて出たくない時でも、その場足踏みなら家の中で快適に運動できます。この運動は簡単に始められ、強度を調整できるので、初心者から上級者まで対応できます。
ステップ1 足を肩幅に開いて立ち、腕は体の横に自然に下ろします。 必要なら壁や椅子などでバランスを取っても構いません。
ステップ2 背筋を伸ばし、顔を正面に向けたまま、右足を床から持ち上げます。 膝が90度になる位置まで上げ、股関節も同じ角度になるよう意識しましょう。
ステップ3 右足を下ろし、次に左足を持ち上げます。 1回の足上げに1秒かけて行い、お腹や体幹の筋肉を意識します。
ステップ4 左右1回ずつを1回として数え、1セット50回を目指します。 または、1セット3~5分間行い、これを3セット繰り返してもOKです。
さらに負荷をかけたい方: スピードを上げて、その場でジョギングやランニングに切り替えるのもおすすめです。
3. 地面と天井にタッチするエクササイズ
このエクササイズは、全身を動かしながら、体の姿勢を高低に切り替える動作を含むため、バランス力を鍛えるのに最適です。柔軟性や姿勢の向上にも役立ちます。
ステップ1 足を約30cm(12インチ)ほど開いて立ち、重心を体の中心に保ちながら、腕は体の横に下ろしておきます。
ステップ2 まず腕を頭上に真っ直ぐ上げたあと、大きなビーチボールを抱えるように腕を広げます。このとき、胸を開くように腕をできるだけ後ろに引きながら、胸郭を広げるために深呼吸します。
ステップ3 腕をゆっくり下ろしながら、股関節を曲げて地面に手が届くまで、または届く範囲まで体を下げます。このとき、息を吐き、背筋をまっすぐ保ちながら、目線は前ではなく下に向けます。必要に応じて膝を曲げ、腰やハムストリング(太ももの裏側にある3つの筋肉・大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)への負担を軽減します。
地面に近づいたら3秒間キープします。
ステップ4 地面にタッチしたあと、ゆっくりと体を起こし、再び腕を頭上に上げる動作を繰り返します。1回の「上に伸びる→下に降りる」動作が1回とカウントされます。1セット15回を目標に、3セットを推奨します。必要に応じて回数を調整してください。
ポイント:
- 目まいがする場合は動きを止めて、目まいが治まるまで待ちましょう。
- 無理をせず、できる範囲からスタートしてください。
- 足元まで手を伸ばすのが難しい場合は、膝の高さまで手を伸ばして行いましょう。
4. スキージャンプ
この左右に素早く移動するエクササイズは、バランス感覚と可動性を向上させ、持久力を鍛えるのに効果的です。
ステップ1 足を肩幅に開き、腕を横に構え肘を軽く曲げます。手は前方に出し、体の重心を安定させます。足元に目印として見えない線をイメージするか、テープなどで実際に線を作るとよいでしょう。
ステップ2 両足を揃えて、線から約30cm(1フィート)右にジャンプします。このとき、腕を素早く胸に引き寄せてジャンプを補助します。着地時には腕を自然に後ろに伸ばします。
ステップ3 再び両足を揃えて中央の線に戻り、腕を使って勢いをつけます。その後、左側にも同じようにジャンプします。中央から左右に交互にジャンプを繰り返します。
ステップ4 この動作を1分間続けた後に休憩を取ります。これを1セットとし、3セット行うことを目標にします。自分のペースや体力に応じてセット数を調整してください。
ポイント:
- ジャンプが難しい場合は、左右に大きくステップする動作に置き換えましょう。
- 中央の線を超えるだけでなく、左端から右端まで一気にジャンプし、左右に大きく動くことで運動強度を高められます。
5. チェアスクワット&キック
このエクササイズは、基本のチェアスクワットをさらに発展させ、動作に「キック」を加えることで強度を高めたものです。
練習のコツ: 繰り返し動作の間に椅子に座り続けないようにしましょう。椅子に触れたらすぐに立ち上がることで、エクササイズの効果を最大化できます。
ステップ1 安定した椅子の前端に座り、腕をまっすぐ前に伸ばします。足は肩幅に開き、体がバランスを取れるようにします。
ステップ2 ゆっくりと体を前傾させ、腕を下ろしながら立ち上がります。このとき、体をしっかりコントロールして動作を行います。
ステップ3:立ち上がった直後に右足を前方にキックします。その後、ゆっくりと椅子に戻ります。このとき、膝がつま先より前に出ないように意識して椅子に腰を下ろします。
ステップ4 次に立ち上がったときには左足をキックします。「立ち上がり→キック→椅子に戻る」が1回の動作とカウントされます。1セット12回を目標に、3セット行いましょう。
ポイント:
- 動作の効果を最大化するため、椅子に座るときに長時間留まらないようにしましょう。軽くタッチするイメージで動作を続けます。
- 椅子が動かないよう、安定した椅子を使用してください。また、足が滑らないよう、床の状態にも注意してください。
ラテラルランジ・フットタッチ
スキージャンプ運動が高速な左右の動きを取り入れていたのに対し、このエクササイズでは、動きをゆっくり行いながら膝や股関節の曲げ伸ばしを強化し、高い位置から低い位置への動きを加えています。
ステップ1 両腕を体の横に下ろし、足を揃えて立ちます。両手を組んで顎の下に持ち上げます。
ステップ2 滑らかに右足を約60cm(2フィート)右へ踏み出し、右足の上に体重を乗せてしゃがみます。このとき、右膝を90度曲げることを意識し、左膝は伸ばしたままにします。背筋を伸ばし、頭を上げた状態で、同時に右手で右足に触れます。
ステップ3 ゆっくりと立ち上がり、右足を元の位置に戻します。同じ動きを左側でも繰り返します。
ステップ4 一度左右に動いて元に戻るのを1回として数えます。1セット20回の反復を目標に、合計3セット行ってください。
冬の寒さで運動を控える必要はありません。この簡単なエクササイズを取り入れれば、春までの間も健康を保つことができます。これらの運動は、週に3回以上、できれば毎日1回行うことをおすすめします。
この記事で述べられている意見は著者の意見であり、必ずしもエポックタイムズの意見を反映するものではありません。エポックヘルスは、専門的な議論や友好的な討論を歓迎します。
(翻訳編集 華山律)
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