でんぷんを味方に ! 血糖値安定と減量の秘訣

多くの人は血糖値の上昇や肥満を避けるために、でんぷんを取らないようにしています。しかし、栄養士によると、それは誤った考え方です。でんぷんは、体に役に立つ栄養素をたくさん含んでおり、適切に摂取することで、血糖値が安定する上、ダイエットにも役に立ちます。でんぷんの摂取を簡単に計算できる方法もご紹介します。
 
でんぷん類は「全粒穀物」とも呼ばれ、毎日欠かせない6大食品群の一つであり、メインの成分は炭水化物です。

長期間にわたってでんぷん類を摂取しないと健康に問題がおきる

クリニックを訪れる人で、血糖値の上昇や体重増加を心配し、全粒穀物食品を全く摂取していない人がいます。しかし、長期間にわたって、でんぷんを摂取しないことは、次のような健康問題が起きる可能性があります。

•    血糖値が不安定になる
•    満腹感を得られず、代替食品を摂取し、食事が偏ってしまう、特に脂肪や精製糖の摂取量が増える
•    代謝が悪化する
•    痩せにくくなる
•    免疫力が低下する
•    インスリン分泌が大幅に減少する
•    筋肉が減少し、サルコペニア(筋肉減少症)が起きる
•    骨密度が低下し、骨粗しょう症になる
•    老化が早まる
•    脱毛の原因になる
•    女性の生理周期が乱れ、量が不安定になる

 

でんぷん類の摂取におけるメリット

でんぷん類を適切に摂取することで、上記の問題を避けられるだけでなく、次のメリットも挙げられます。

・必要なエネルギーのメイン供給源 日々の食事で、1日に必要なエネルギーの40~60%を賄えます。

・満腹感を得られます

・多くの栄養素をバランスよく供給 全粒穀物や未精製の穀物は加工過程が少ないため、ビタミンB群、ビタミンE、ミネラル、食物繊維などの栄養素が多く残されているため。次のような効果が期待できます。

ビタミンB群 代謝を調整し、皮膚や筋肉の健康を維持すると  ともに、免疫力や神経系の働きを強化します。
ビタミンE 重要な脂溶性抗酸化物質で、心血管を保護し、活性酸素による損傷を減らすのに役立ちます。
食物繊維 腸のぜん動を促進、腸内細菌を調整し、腸の健康を守ります。
 

でんぷんを含有する食品を正しく摂取するポイント

血糖値を安定させながら体重を減らしたい場合、でんぷんのほか、栄養素もバランスよく含んでいる食品を適切に摂取することがポイントです。栄養士が直伝したでんぷんの簡単な計算方法をご紹介します。

推奨摂取量
デンプン15グラムを1単位にし、そのカロリーは60キロカロリーです。目的によって1日の摂取量は、次の表をご参照ください。

減量中や糖尿病の人が避けるべきデンプン類の主食
下記の主食はGI値(グリセミック指数)が高い食品で、つまり精製度が高くて、食物繊維が少ない、でんぷん以外の栄養素はほとんど含んでいません。そのため、減量中や糖尿病の人におすすめできません。

1.お粥をおすすめしない理由  お粥は血糖値を急上昇させるほか、多くの人が豆腐や漬物などと一緒に食べる習慣があり、栄養バランスが非常に偏りがちです。
2.ビスケットに注意 昼食を抜きにして、代わりにビスケットを食べ続ける人がいます、結果、知らないうちに大量のでんぷんを摂取してしまいます。

でんぷんを含有する食品を選ぶポイント
でんぷんのほか、食物繊維やさまざまな栄養素を含んでいる食品を選びましょう。食物繊維は血糖値を安定させるだけでなく、排便も促します。特に減量中の方に最適です。

1.サツマイモ、カボチャ、ヤマイモはデンプン類に分類されるため、毎日のデンプン摂取量を計算する際には、計上しなければなりません。
2. 台湾彰化キリスト教病院の研究によると、高血圧、高血糖、高脂血症の患者が毎日100グラムのハトムギご飯を白ご飯の代わりに食べることで、血液中のトリグリセリドやコレステロールを減少させ、空腹時の血糖値を改善させる結果を示しています。

糖尿病患者および減量中の方の食事
臨床経験によると、糖尿病患者や減量中の人にとって、ごはんは血糖を安定させ、満腹感をもたらす最適な選択肢です。

糖尿病患者 3食で一定量のデンプンを摂取することによって、血糖値よりよくコントロールできます。1日に6〜9単位のでんぷんを摂取することを推奨します、3食で均等に分けて食べるのが理想的です。つまり、1食あたり2〜3単位のでんぷん量で、だいたい茶碗0.5杯から八分目のご飯に相当します。

減量中の人 減量中に炭水化物を完全に排除することはよくありません。炭水化物が極端に少ないと、身体の代謝が悪化する恐れがあります。1日に少なくとも3単位のデンプンを摂取することが推奨されています。おおよそ茶碗8分目のご飯に相当します。

いつ食べたらいいかというと、最適なタイミングは昼食です。昼食をしっかり食べることで、仕事中にエネルギーも体力も維持できます。その次に良いタイミングは運動後で、体重が増えにくくなります。
でんぷん源として玄米をお勧めします、玄米がなければも良いでしょう。もし飽きてしまった場合は、前述した栄養バランス良いデンプン含有食品を試みてもよいでしょう。

                          

(翻訳編集 正道 勇)

李婉萍