牧草で育てられた牛肉と穀物で育てられた牛肉の違いについて、お財布への影響以外で詳しく知っている人は、あまり多くないかもしれません。
牛がどのような飼料を食べ、どんな環境で育てられたかは、そのお肉の味や食感、栄養価に大きく影響を与えます。それだけでなく、環境への影響や生産者・消費者にかかるコストにも関係しています。私たちが日々口にしている牛肉がどのように作られているかを理解することは、より良い選択をするために大切なことです。
この記事では、牧草飼育と穀物飼育の違いを詳しく解説します。どちらが自分自身、地球、そして動物にとって最適なのか、一緒に考えてみましょう。
牛の一生の始まり
牛が私たちの食卓に届くまでには、いくつかの段階を経る複雑なプロセスがあります。
穀物飼育の牛も牧草飼育の牛も、生まれたばかりの頃は同じような育てられ方をします。子牛の時期には、母牛のお乳を飲みながら、自由に草や他の植物を食べて過ごします。しかし、離乳後の育て方は大きく異なり、それぞれの牛の人生は全く別の方向へ進むことになります。
穀物飼育の牛について
生後6~8か月を過ぎた牛は、伝統的な飼育方法では、まず「バックグラウンディング農場」や牧場に送られ、その後、14~22か月齢の間に「フィードロット」と呼ばれる肥育施設で最終的な仕上げを行います。
モンタナ州立大学エクステンションのブロードウォーター郡担当エージェント、アリソン・コスト氏によると、離乳後の子牛にはいくつかの進む道があります。約60%の子牛は、肥育の前に体重を増やす「バックグラウンディング」と呼ばれる段階を経ます。一方、残りの子牛は、離乳後すぐにフィードロットに送られ、そこで肥育されると彼女は「エポックタイムズ」に語りました。
フィードロットでは、牛はトウモロコシや大豆を主成分とした穀物ベースの飼料を与えられ、目標の体重に早く達するように肥育されます。このプロセスにより、屠殺までの期間を短縮することができます。コスト氏によれば、「アメリカ国内の牛の約95%がこの方法で肥育されています」とのことです。この方法が採用される理由は、牛が成長するにつれて飼料を肉や筋肉に変える効率が低下するため、より早く肥育を終える必要があるからだそうです。
また、穀物は牧草や干し草に比べてエネルギー密度が高いため、牛はより早く成長します。さらに、穀物飼料を与えることで、牛をより小さなスペースで飼育できるため、農地を他の用途に使うことが可能になります。
「フィードロット」や「フィードヤード」、集中家畜肥育施設(CAFO)では、牛が比較的狭い空間で飼育されます。この方法は経済的な利点がありますが、狭い環境では動物の健康問題のリスクが高まることがあります。牛同士が近い距離で過ごすため、移動の自由が制限され、病気の発生リスクが高まるのです。
ただし、コスト氏は、「穀物飼育の牛は生涯の大部分を狭い環境で過ごしている」という誤解があると指摘しています。実際には、穀物飼育の牛がフィードロットで穀物を与えられる期間は、通常、最後の4~6か月程度に限られます。
「穀物飼育の牛は通常、14~18か月齢で屠殺されますが、場合によっては22か月齢になることもあります。一方、牧草飼育の牛は仕上げまでにもっと時間がかかり、22~30か月齢で屠殺されることが多いです。また、牧草飼育の牛はバックグラウンディングの段階を経ないことが多いです」とコスト氏は説明しています。
穀物飼育の牛は、さまざまな薬剤を投与されることがあります。例えば、呼吸器疾患や消化器疾患のワクチン、感染予防や治療のための抗生物質、成長促進のためのステロイド、そして飼料効率を高めるためのホルモン剤などです。また、輸送や混雑によるストレスを軽減するために、抗生物質(テトラサイクリンやスルファメタジンなど)や寄生虫駆除薬が予防的に使用されることもあります。
ストレスは牛にとってだけでなく、最終的な肉質にも影響を与えます。
「ストレスを受けた動物は、体内でストレスホルモンを分泌し、それが肉を硬くする原因になります。一般的に、牧草飼育の牛は穀物飼育の牛よりもストレスを受ける機会が少ないと言われています。ただし、穀物飼育の牛だからといって必ずしもストレスを受けているわけではありません。ストレスは、飼育方法や管理、屠殺前の輸送方法など、多くの要因に影響されます」とコスト氏は語っています。
また、大規模なフィードロットにおける抗生物質の使用が多剤耐性菌の増加に繋がる可能性についても懸念されています。この耐性菌は、従来の薬では感染症の治療が難しくなる原因となります。最近のサスカチュワン大学の研究では、フィードロット内の給水ボウルで抗生物質耐性遺伝子が発見されたと報告されています。また、別の研究によると、2020年から2030年の10年間で畜産業における抗生物質使用量は8%増加すると予測されています。
一方、小規模な農場では、通常の慣行とは異なる方法を選ぶことがあります。例えば、農薬不使用の穀物を与えたり、薬剤を使わない、フィードロットに送らないなどの方法です。また、消費者に直接販売することで、どのように育てられたかを直接伝えることができます。その農場の実際の飼育方法や生産過程を知るには、生産者に直接問い合わせるのが最も確実な方法です。
牧草飼育の牛について
離乳後、牧草飼育の牛は広々とした牧草地で、草や他の飼料を食べながら自由に動き回り、屋外で過ごします。牧草や自然の餌を食べながら自然環境に調和して暮らすため、これらの牛は一般的に健康的であると言われています。現在、アメリカで流通している牛肉のうち、牧草飼育の牛が占める割合は約4%です。
牧草はエネルギー量やカロリーが少ないため、牧草飼育の牛は目標体重に達するまでにより多くの時間がかかります(場合によっては穀物飼育の牛の倍の期間が必要)。また、牧草を食べて育つためには広い土地が必要になるため、牧草飼育の運営コストは穀物飼育に比べて高くなる傾向があります。
牧草だけを食べて育った牛の肉は、脂肪が少なく、より赤身の多い仕上がりになるのが特徴です。
スーパーで「牧草飼育」と表示された牛肉を見ると、その牛は一生涯にわたって牧草を食べ、穀物を一切与えられなかったと思いがちです。しかし、「牧草飼育」という表示には曖昧な点があるのが現状です。
アーカンソー州のM&Mファームズで100%牧草飼育の牛を育てているトム・ムーア氏は次のように語っています。
「もし『100%牧草飼育』と明記されていれば、それは完全に牧草だけを食べて育った牛という意味になります。でも、単に『牧草飼育』とだけ記載されている場合、その牛が一生のうちどこかで牧草を食べたことがあるという意味で使われている可能性があります。その牛が実際には最後の数か月間、穀物を中心とした餌を与えられていたとしても、です」
ムーア氏はさらにこう付け加えます。
「商業的な飼育環境では、牛は母乳から直接穀物に切り替わることがよくあります。ただ、それでも多少の牧草を食べていることは間違いないので、牧草を食べた経験があると言うことはできます。牧草は牛にとって好んで食べる自然な食べ物だからです」
「グラス・フィニッシュ」とは?
また、「グラス・フィニッシュ」と表示された牛肉もあります。アリソン・コスト氏によると、「グラス・フィニッシュ」という言葉は時に「牧草飼育」と同じ意味で使われますが、厳密には異なる意味を持つ場合があります。
「グラス・フィニッシュとは、穀物ではなく、牧草や飼料を与えられて目標体重に達した牛を指します」とコスト氏は説明します。
「定義上、グラス・フィニッシュされた牛は、人生のどこかで穀物を与えられていた可能性もあります。しかし、最終的な肥育段階では、牧草や飼料を中心とした餌で仕上げられた牛です」と付け加えました。
さらに、グラス・フィニッシュという用語には明確なラベルの基準がないため、コスト氏は、生涯にわたって牧草を食べて育った牛にもこの言葉が使われる場合があると指摘しています。
健康面での比較
アリソン・コスト氏によると、牧草飼育の牛は一般的に脂肪分が少なく、カロリーも低めです。研究によれば、牧草飼育の牛肉にはビタミンAやE、オメガ3脂肪酸、共役リノール酸(CLA)が豊富に含まれています。
牧草飼育でも穀物飼育でも、牛肉はさまざまな栄養素を豊富に含んでいます。しかし、牧草飼育の牛肉には特に健康に役立つ栄養素が多く含まれており、牛自体の健康を改善し、私たちがそれを食べることで得られる健康効果も期待できます。
栄養士であるアンドレア・ソアレス氏は、「牧草飼育の牛肉は、その健康面と環境面でのメリットが注目され、人気が高まっています。穀物飼育の牛肉と比べて、より自然に近い栄養豊富な選択肢として評価されています」と語っています。牧草は牛の自然な食べ物であるため、この方法は牛の健康を促進し、その結果、私たち消費者にも良い影響を与える可能性があるとのことです。
ソアレス氏はこうも述べています。「牧草飼育の牛肉は脂肪分が少なく、特定の栄養素が豊富ですが、穀物飼育の牛肉は手頃な価格で購入でき、脂肪分が多いため柔らかく、マイルドな味わいが特徴です。どちらも健康的な食生活の中で取り入れることができますが、特定の健康効果を求める人には、牧草飼育の牛肉の方が優れた選択肢になる場合があります」
具体的には、牧草飼育の牛肉には、穀物飼育の牛肉の最大5倍ものオメガ3脂肪酸が含まれているとソアレス氏は指摘します。オメガ3脂肪酸は、炎症を抑えたり、心血管の健康をサポートしたり、脳の機能を改善するのに重要な役割を果たします。一方で、穀物飼育の牛肉はオメガ6脂肪酸を多く含んでいます。オメガ6脂肪酸も必須脂肪酸ですが、現代の食生活では過剰に摂取されがちであり、オメガ3とのバランスが崩れると炎症を引き起こす可能性があります。牧草飼育の牛肉は、オメガ3とオメガ6のバランスが良く、より健康的とされています。
オメガ6が過剰でオメガ3が不足していると、炎症のリスクが高まり、免疫システムが過剰に反応しやすくなったり、血栓ができやすくなることが知られています。
さらに、牧草飼育の牛肉はビタミンB群も豊富に含んでいます。ある研究では、牧草で肥育された牛肉は穀物肥育された牛肉と比べて、リボフラビン(ビタミンB2)が約2倍、チアミン(ビタミンB1)が3倍、ビタミンEが最大で4倍含まれていることが確認されました。
また、別の研究では、高濃度のトウモロコシ飼料を与えられた牛は、飼料を食べてからエネルギーや体重に変換する効率が低下し、インスリン抵抗性が高まる傾向があることが分かりました。この研究は、牛におけるインスリン抵抗性の発生に炎症が関与している可能性も示唆しています。
農薬について
トウモロコシや大豆といった穀物は政府の補助金を受けているため、一部の畜産農家にとっては経済的な選択肢となっています。しかし、補助金の大半は大規模で裕福な農場に集中しており、小規模農家が受け取る割合はごくわずかです。
家畜用の穀物の多くは収穫量を増やすために、グリホサート(除草剤であり、ラウンドアップの有効成分)などの農薬が散布されています。アメリカ環境保護庁(EPA)は、食品や飼料中のグリホサート残留基準を設定していますが、国際がん研究機関(IARC)はグリホサートを「発がん性がある可能性が高い物質」(グループ2A)に分類しています。
また、最近の研究では、短期間でもマウスがグリホサートにさらされると、脳に顕著な炎症が発生し、アルツハイマー病のような神経変性疾患と関連することが確認されました。この影響は、暴露が終わった後も持続することが分かっています。
一方で、農薬が散布されていない有機栽培の穀物を使用する農家も存在します。アメリカ農務省(USDA)の「オーガニック認証」を受けた製品は、ラウンドアップやグリホサートを含む合成除草剤、農薬、化学肥料を使用せずに栽培・生産されたものである必要があります。一部の農家は、家畜の飼料となる穀物を自家栽培する場合もあります。
栄養士のアンドレア・ソアレス氏によると、牧草飼育の牛は主に牧草や飼料を食べるため、トウモロコシや大豆といった一般的な穀物飼料に由来する農薬に触れる機会が少ないといいます。一方で、穀物飼育の牛は、農薬が散布された作物を使った飼料を食べることが多いため、残留農薬が含まれる可能性が高いそうです。
ソアレス氏はさらに、規制機関が穀物飼育の牛肉に含まれる農薬の残留基準を安全な範囲内に抑えているとはいえ、農薬への暴露を最小限に抑えることは、特に敏感な体質の人や、より「クリーン」な食品を選びたいと考える人にとって重要だと指摘しています。
また、農薬の影響は環境にも及びます。「牧草飼育のシステムは、農薬に依存した農業慣行に頼ることが少なく、生物多様性や土壌の健康を促進します。この点は、持続可能性を重視する消費者にとって共感を呼ぶでしょう」とソアレス氏は述べています。
家畜用の作物に使用された農薬は、最終的に動物の脂肪組織に蓄積し、消費者が口にする製品に残留する可能性があります。EPAなどの規制機関は食品中の農薬の最大許容量を定めていますが、低レベルであっても、長期間にわたる農薬暴露が健康に与える影響については、まだ研究が進行中です。
規制機関が食品安全基準を維持している一方で、長期間にわたる農薬暴露とその累積的な影響が、人間の健康にどのような影響を与えるかについては懸念が残っています。牛肉や他の動物製品を通じて農薬残留物を摂取することの健康への影響を完全に理解するためには、さらなる研究が必要です。
これらの化学物質を避ける方法の一つは、有機製品を選ぶことです。USDAのオーガニック認証を受けた牛肉では、牧草飼育でも穀物飼育でも、農薬が散布されていない飼料が使われ、抗生物質や成長ホルモンが使用されていません。
ラベル表示と等級付けについて
アメリカ農務省(USDA)の食品安全検査局(FSIS)は、肉や家禽製品のラベル表示に関する規則を更新しています。これには、「牧草飼育」「抗生物質不使用」「放し飼い」「ホルモン不使用」などの表記が含まれます。これらのラベルは「特別表記および主張」と呼ばれるもので、任意で表示することができ、義務ではありません。
現時点でFSISは、動物飼育に関する主張について公式な定義を規則で設定していません。また、FSISは、「牧草飼育」や「ホルモン不使用」といった主張を裏付けるために、独立した第三者機関の認証を使用するよう牛肉生産者に推奨しています。ラベルに第三者認証機関の名前、ロゴ、ウェブサイトが記載されている場合、商品自体にその主張を説明する必要はありません。その認証機関のウェブサイトで基準や詳細が明確に説明されていれば良いとされています。
例えば、アーカンソー州にあるムーア氏の農場は、「A Greener World」という第三者認証機関と連携しています。この機関から「動物福祉」と「100%牧草飼育」の認証を受けており、彼の農場はアーカンソー州で初めてこの認証を取得しました。
ムーア氏によると、動物福祉の認証を受けるには、検査員が農場を訪れ、動物の飼料や水の供給源、非常に寒い天候や火災で牧草地が使えなくなった場合のための適切なシェルターが用意されているかなど、さまざまな項目を確認します。また、使用可能な薬剤についても厳格な規則があり、動物に与えた薬剤の記録を詳細に管理する必要があります。
「検査員は、動物を運ぶトレーラーまで調査します。例えば、トレーラーの床が滑り止め加工されているかを確認し、高速道路で動物が滑ったり怪我をしたりしないようになっているかをチェックします」とムーア氏は説明します。
「これが動物福祉認証の一環です。このラベルを私たちの商品に使用することが許可されています。さらに、100%牧草飼育の認証も受けており、その基準も定期的に監査されています」と彼は付け加えました。
かつてUSDAは「USDA-牧草飼育牛肉」という認証プログラムを実施しており、生産者が「牧草飼育」というラベルを使用するための基準を定めていましたが、このプログラムは2016年に廃止されました。現在は、FSISが牧草飼育ラベルの使用に関するガイドラインを提供しています。
「FSISは、牧草飼育という主張は、離乳後に牧草(飼料)だけを食べて育った牛の肉と肉製品にのみ適用されるべきだとしています。しかし、FSISは『グラス・フィニッシュ』という表記についてはガイドラインを提供していません」と、コスト氏は説明します。
また、FSISは牧草飼育の主張を裏付けるために文書の提出を求めていますが、USDAが以前提供していた認証プログラムのような公式認証制度は提供していません。一例として、USDAの「オーガニック認証」プログラムが挙げられます。この認証では、ラベル表示を裏付けるために詳細な文書や検査が必要です。
コスト氏は、牧草飼育牛を育てる上での課題についても言及しています。「牧草飼育の牛は、目標体重に達するまでに飼料を与える期間が長くなるため、肉に含まれる霜降り(脂肪分)が少なくなり、最高等級のプライムに格付けされる可能性が低くなります」と述べています。
USDAでは牛肉の等級付けシステムを導入しており、これにより牛肉の品質、脂肪分(霜降り具合)、柔らかさ、ジューシーさ、風味を評価します。小売店で販売されるのは3つの等級で、最上級の「プライム」、次いで「チョイス」、そして「セレクト」です。この等級付けは任意であり、食肉加工業者はこのサービスを利用するための費用を支払う必要があります。なお、USDAによると、牛肉の等級に関係なく、タンパク質やビタミン、ミネラルの含有量はほぼ同じです。
価格の違いについて
ムーア氏は、自身の農場でのコストの違いについてこう説明します。
「私たちの100%牧草飼育牛肉が工場式のものよりも1ポンドあたり高い理由の一つは、規模の経済が働かないからです。工場式のように18か月で牛を出荷することはできません。私たちの場合は、ほぼ2倍の時間がかかります」
アリソン・コスト氏によると、もう一つの問題は、牧草や飼料を中心とした食事で肥育を仕上げるには、より広い土地が必要になるという点です。そして、アメリカでは牧草飼育を行うための土地がすでに限界、もしくはそれに近い状態にある可能性があるといいます。さらに、宅地開発が進むことで生産性の高い農地が失われており、それは一度失われると取り戻すことはできません。
「モンタナでも同じことが起きています。また、人口が増え続ける中で、食料の需要も増加しています。だからこそ、アメリカの農業は、より少ない土地でどうやって生産性を高めるかを考えなくてはなりません。本当に難しい問題ですよね!」とコスト氏は語っています。
まとめ
牛を育てるプロセスは非常に複雑であり、牧草飼育や穀物飼育の牛を一概に語ることはできません。さまざまな要因が影響するためです。しかし、どちらの牛肉も栄養価が高く、重要なタンパク質やビタミン、ミネラルを提供します。牧草飼育か穀物飼育かを選ぶかは、個人の価値観や予算に基づいて決めることができます。
農家は、牛をどのように育て、何を与えるかを自分たちの価値観に基づいて選択します。薬剤やワクチン、ステロイドを使用するかどうか、牛を放牧で育てるか、飼料の種類をどうするか、有機栽培の飼料を使うかどうか、そして消費者に直接販売するかどうかなど、さまざまな選択肢があります。自分が求める牛肉を手に入れ、また自分の価値観に合った方法で育てられているかを確認する最善の方法は、農家と直接つながることです。
こうした多くの変数がある中で、アリソン・コスト氏も、牧草飼育や穀物飼育に関する誤解を解くために、農業生産者や農家と直接関係を築くことを勧めています。また、地元の大学のエクステンションオフィスを活用することで、地域の生産者とつながることができるといいます。
「多くの農家や牧場主は、自分たちのやり方を共有し、質問に答えることを喜んでくれるでしょう。そして、彼らから直接お肉を買うことができれば、生産チェーンを通さずに、彼らを直接サポートすることにもつながります」と彼女は語っています。
(翻訳編集 華山律)
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