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脳を元気にする運動習慣 セラピストの視点から

最近の研究によると、座りがちな生活が脳の活動に影響を与えることが明らかになって来ました。体を動かすことが、血糖値のコントロールや脳の健康に深く関わっているのです。

一般的に、運動量が多いほど脳の健康に良いという研究結果が出ていますが、座りがちな生活は脳の衰えを招きかねません。実際、私の治療を受ける患者さんの中には、もともと活動的だった方が多くいますが、そうした方々は年齢の割に驚くほど頭の回転が速いと感じます。もちろん、脳の健康にはさまざまな要因が関係しますが、運動と認知機能のつながりを何度も目の当たりにしてきました。

作業療法士として30年以上の経験を持つ私の実感として、脳の働きを活発に保ち、代謝を良くするには、一日の中でこまめに体を動かすのが効果的だと気付きました。ジムに通うのも良い方法ですが、週に1~2回の運動だけでは、日常生活の中で体を動かす時間がまだまだ足りません。

そこで、どこでも簡単にできる運動をご紹介します。これらを1日に数回取り入れることで、脳を活性化する習慣を身につけることができます。

ただし、これらの運動は私の患者さんには効果的ですが、ご自身の体調や健康状態に合っているかどうか、事前に医師や専門家に相談してから試してみてください。

脳を元気にする6つの運動

1. その場でランニング/ジョギング

静止した状態でのランニングやジョギングは、短時間で心拍数を上げ、その状態を維持できる優れた運動です。体をしっかり動かすことで、座りっぱなしの状態では行き届きにくい栄養を脳に届ける効果が期待できます。

ステップ:

1、足を肩幅に開き、腕を自然に下ろして立ちます。

自分のペースに合わせて、1~3分間ゆっくりその場でジョギングします。体が温まるのを感じながら、無理のない範囲で動きましょう。このとき、膝をしっかり上げ、股関節が90度くらい曲がるよう意識します。

2、背筋を伸ばし、目線を前に向けたまま、ジョギングから少しずつスピードを上げてランニングに移行します。腕もしっかり振り、運動強度を高めましょう。(もしランニングが難しければ、無理せずジョギングを続けてもOKです。ランニングは徐々に慣れていけば大丈夫です)

3、2分間ランニングを続けたら、再びジョギングに戻り、1分間続けてから止まります。これで1セット完了です。この流れを3セット繰り返しましょう。

ジョギングやランニングは、短時間で効率よく体を活性化できる運動です。終わる頃にはエネルギーが湧いてきて、次の運動にもスムーズに取り組めるはずです。

その場でジョギング/ランニング(大紀元)

 

2. 左右振りステップ

左右振りステップは、衝撃が少なく体への負担が少ない運動ですが、素早く左右に動くため心拍数をキープしやすいのが特徴です。先ほどのその場ジョギングの後に行うと、心拍数や代謝を高めた状態を維持しやすくなります。

ステップ:

1、準備姿勢:足をそろえて立ち、腕を自然に下ろします。

2、サイドステップ開始:右足を無理のない範囲で大きく横に踏み出し、つま先で軽く床にタッチします。すぐに右足を元の位置に戻しながら、今度は左足を左側へ踏み出します。

3、リズムよく繰り返す:この動きを弾むような軽いリズムで繰り返します。片足を出して床に触れたら1回とカウントし、30回を1セットとして、3セット行いましょう。回数やセット数は、自分の体調やレベルに合わせて調整してOKです。

左右振りステップ(大紀元)

 

3. 立った状態で膝から肘までをタッチ

この動きはシンプルですが、全身をしっかり使うため、心肺機能を高める効果が期待できます。また、バランスをとる力も鍛えられるので、一石二鳥のエクササイズです。どこでも手軽にできるのも魅力のひとつです。

ステップ

1、足を肩幅に開いて立ち、腕を左右に広げ、ヒジを曲げて手のひらを天井に向けます。

2、背筋を伸ばしたまま、右ヒジを左ヒザに向かって引き寄せます。同時に左ヒザを持ち上げ、へその高さあたりでヒジとヒザを近づけます。この動きを1秒ほどかけて行いましょう。

3、ヒジとヒザが触れたら、ゆっくり元の姿勢に戻し、今度は反対側(左ヒジと右ヒザ)も同じ動きを繰り返します。

4、ヒジとヒザが触れたら1回とカウントし、1セット30回を目安に、3セット行いましょう。動作は急がず、正しいフォームを意識して行うことが大切です。

立ったまま膝と肘を合わせる運動(大紀元)

 

4. ジャンピングジャック/ステッピングジャック

ジャンピングジャックは、狭いスペースでもできて、特別な道具も不要なシンプルで効果的な全身運動です。その実用性の高さから、世界中の軍隊でもトレーニングに取り入れられています。しっかり体を動かしたいときに最適な運動です。

ステップ:

1、足を肩幅に開いて立ち、腕は体の横に下ろします。

2、ジャンプしながら足を左右に大きく開き(目安は90cm程度)、同時に腕をまっすぐ頭上に振り上げて手を合わせます。

3、すぐに再びジャンプし、足を肩幅の位置に戻しながら、腕も下ろして元の姿勢に戻ります。腕を上げて下ろすまでを1回とカウントします。

4、1セット15回を目安に、3セット行いましょう。

ジャンピングジャック(大紀元)

ジャンピングジャックがきついと感じる場合や、ジャンプの動作が難しい場合は、より負担の少ない「ステッピングジャック」がおすすめです。ジャンプを使わずに同様の動きをすることで、無理なく全身を動かせます。

ステップ

1、ジャンピングジャックと同じように、足を肩幅に開いて立ち、腕は体の横に下ろします。

2、右足を横に踏み出しながら、腕を頭上に振り上げます。

3、右足を元の位置に戻しながら、腕も下ろします。同じ動作を今度は左足から踏み出して繰り返します。

4、片足を踏み出すごとに1回とカウントし、1セット30回を目安に3セット行いましょう。 自分の体調に合わせて回数を調整してもOKです。

ステッピングジャック(大紀元)

最初は少しぎこちなく感じるかもしれませんが、慣れてくると自然にスムーズな動きになります。無理のない範囲で続けてみましょう!

 

5.大きく腕を回す運動

ウインドミルアームサークルは、腕を大きく回すことで心拍数を上げ、肩や背中の筋肉をほぐすのに効果的な運動です。準備運動としても優れており、体を動かすスイッチを入れるのに最適です。

ステップ:

1、腕を左右にまっすぐ伸ばし、ヒジをしっかり伸ばします。

2、できるだけ大きな円を描くように、ゆっくりと腕を回し始めます。最初は無理のない範囲で動かし、慣れてきたら少しずつスピードを上げましょう。

3、この動きを1セット30秒間行い、合計5セットを目安に行います。セット数や時間は、自分のペースに合わせて調整してOKです。

4、これらの運動は、できれば毎日1回以上行うのが理想的です。時間があるときは、さらに回数を増やすのも良いでしょう。

大きく腕を回す運動(大紀元)

認知機能の低下は、多くの患者さんにとって身体の衰え以上に大きな不安や悩みの種となっています。だからこそ、脳を大切に扱うことが、豊かで自立した人生を送るためのカギとなるのです。今回紹介した運動を習慣にすることで、脳を元気に保ち、健康的な生活につなげていきましょう。

 

この記事で述べられている意見は著者の意見であり、必ずしもエポックタイムズの意見を反映するものではありません。エポックヘルスは、専門的な議論や友好的な討論を歓迎します。

(翻訳編集 華山律)

主要な医療現場で30年以上の経験を持つ作業療法士である。健康コラムを執筆。