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NASAがSh2-284星雲の画像を公開 新たな星が輝く

アメリカ航空宇宙局(NASA)は3月8日、Sh2-284星雲の写真を発表し、その一部を公開しました。この恒星形成領域は新しい恒星で満ちており、明るく輝いています。

NASAによると、Sh2-284は一角獣の方向、天の川銀河の外側の渦巻腕の端から1万5千光年離れたところに位置しています。この画像はNASAのハッブル宇宙望遠鏡によって撮影されました。画像に映っているのはSh2-284のほんの一部に過ぎません。

この広大な領域はガスと塵から成り立っており、恒星が生れる場所であり、新しい恒星は雲の中で明るく輝いています。赤外線で見ると、多くの新生恒星はピンク色に輝いており、とても美しいです。

また、ふわふわした雲のようなガスと塵の雲の上には、より密度の高い塵からなる黒い塊が点在しています。

この画像はハッブル宇宙望遠鏡によって赤外線で撮影され、可視光とは異なり、赤外線の波長はガスと塵の雲を通過することができ、ぼんやりとした雲の中で形成された恒星を垣間見ることができます。赤外線でなければ、これらの恒星は雲に隠れてしまう事になるでしょう。

Sh2-284という星雲は、その中心にある若い星団Dolidze 25(画像には映っていない)によって形成されており、そこに存在する恒星の年齢は150万年から1300万年の間になりますが、これに対して、私たちの太陽は46億年の歴史を持ち、明らかにずっと古い存在です。

Dolidze 25は電離風と放射を放出し、Sh2-284のガスや塵を押し進め、複雑な形状や柱状の構造を作り出します。この電離放射の影響で、この星雲は水素イオン領域(H II領域)に分類され、これは主に電離水素から成る発光星雲といいます。

Sh2-284のような発光星雲は、自ら輝くことができます。これは、内部または近くにある恒星が大量の強力な紫外線を放射し、そのガスにエネルギーを供給して自ら光を放つことができるのです。

また、Sh2-284は金属含有量が非常に低い領域でもあり、これは水素やヘリウムよりも重い元素が存在しないことを示しています。これらの条件は宇宙の初期段階に似ており、その時期の物質は主にヘリウムと水素で構成されており、重い元素は巨大恒星内での核融合によって形成され始めたばかりでした。

ハッブル宇宙望遠鏡がこのような画像を撮影したのは、低金属含有量が恒星形成に与える影響や、それが宇宙の初期にどのように作用するかを研究するためでした。

また、3月8日、NASAはハッブル宇宙望遠鏡が撮影したNGC 4536銀河の画像も発表したが、そこには多くの生れたばかりの星が輝く様子も写っていました。

NASAのハッブル宇宙望遠鏡が撮影した銀河NGC4536の画像(NASA/ESA/Space Telescope Science Institute/Catholic University of America)

NASAは、NGC 4536がおとめ座に位置して、地球から約5,000万光年の距離にあることを示しました。この銀河は、1784年にイギリスの天文学者ウィリアム・ハーシェルによって発見されたものです。

NGC 4536は、形状が少し異常に見える渦巻銀河で、いわゆる「中間銀河」に分類されます。また、NGC 4536はスターバスト銀河でもあり、星形成速度はほとんどの銀河よりも高い割合で形成される銀河でもあります。この現象は、他の銀河との重力相互作用によって引き起こされる可能性があり、またはガスが小さな領域に押し込まれることによって形成されることもあります。これはNGC 4536の状況にも当てはまります。

NGC 4536の棒状構造は、ガスを中心に向かって押し込まれることで、中心周辺での星形成が徐々に活発化している可能性があります。星爆発銀河は、多くの熱い青い星を生成し、これらの星は爆発的に燃焼し、短命であり、強い紫外線を放出して周囲の環境を水素イオンゾーンに変化させてしまいます。

 

(翻訳編集 青井蒼太)

陳俊村