良い肌状態を保つには?
年齢を重ねるにつれて、肌のコラーゲンが減少し、角質層が薄くなっていきます。これにより、肌は乾燥しやすくなり、シワができたり、ハリが失われやすくなります。美しい肌を保つため最も大切な3つの基本原則は、「適度な洗顔」「適度な保湿」「積極的な紫外線対策」です。この3つを守ることで、しっとりとなめらかで透明感のある角質層を育むことができ、見た目にも若々しい印象を保てます。
1. 適度な洗顔:理想的な肌状態は、「さっぱりしているが、つっぱらず、ベタつかない」こと。洗いすぎは角質層を傷つけ、炎症や敏感肌を引き起こしやすくなります。過剰な洗浄はかえって肌のバリア機能を弱めるため注意が必要です。
2. 適度な保湿:肌の保湿は、角質層に存在する天然保湿因子(アミノ酸、糖類、塩類など)、生理的な脂質、そして皮脂腺から分泌される油分(セラミドや脂肪酸)によって保たれています。そのため、自分の肌がどの要素を欠いているのかを見極めることが大切で、ただ保湿化粧品をたくさん使えば良いというわけではありません。
3. 積極的な紫外線対策:太陽光、特に紫外線を浴びると、肌は乾燥しやすくなり、コラーゲンが減少して肌がしぼみ、さらには老化を進める活性酸素(フリーラジカル)も増えます。したがって、日焼け対策は非常に重要で、肌を守るために欠かせない習慣です。
避けるべき習慣とは?
肌の調子が悪くなる根本的な原因は、血行不良と老化した角質の蓄積です。これにより、肌はくすんで黄ばみがちになり、顔色が悪く見えるようになります。以下のような生活習慣は、肌トラブルの原因となるため避けることが大切です。
1. 喫煙・飲酒:タバコは血管を収縮・硬化させ、血流を悪化させます。アルコールは肌の水分を奪い、炎症を引き起こしやすくなります。いずれも肌の老化を早める要因です。
2. 夜更かし・睡眠不足:十分な睡眠がとれないと、気や血の生成が滞り、血流が悪くなります。その代表的なサインが「クマ(目の下の黒ずみ)」です。
3. ストレスの蓄積:強いストレスは交感神経を興奮させ、血管を収縮させ、免疫のバランスを乱します。その結果、肌は慢性的に炎症を起こしやすい状態になります。
4. 過度な加工食品や不規則な食生活:栄養が偏ったり、加工度の高い食品を頻繁に摂取すると、肌の角質層が正常に形成されず、肌荒れやくすみの原因になります。
肌を明るく、つややかにするには何を食べればいい?
中医学では、外見の状態は体内の臓腑の働きを映し出すものと考えられています。そのため、食事による体内からのケアによって、肌の調子を整えることができるとされています。特に「滋陰養血(陰を潤し、血を養う)」ことが、肌をみずみずしく、つやのある状態に保つための基本原則です。よく用いられる中薬には、阿膠(あきょう)、麦冬(ばくどう)、玉竹(ぎょくちく)、石斛(せっこく)、何首烏(かしゅう)、枸杞(くこ)、熟地黄(じゅくじおう)、龍眼肉(りゅうがんにく/桂円)などがあります。
また、古代の宮廷でも美容薬として使われていた「真珠パウダー」も、肌を美しく保つ代表的な素材です。古い文献には「真珠は心を穏やかにし、精神を強くし、女性の肌を白く美しくする」と記されており、内服でも外用でも高い効果があるとされています。
日常生活では、以下のような栄養素を積極的に摂るのもおすすめです:
1. ビタミンC:メラニンの生成を抑え、コラーゲンの合成を助けます。柑橘類、キウイ、緑色野菜などに多く含まれています。
2. オメガ3脂肪酸:肌の炎症を抑え、保湿力を高めます。深海魚、アマニ、ナッツ類などがおすすめです。
3. アントシアニン、ビタミンE:活性酸素の生成を抑え、細胞の老化を防ぎます。ベリー類、ローズ、ハイビスカス、ブロッコリー、オリーブオイルなどが効果的です。
美肌を育てる飲み物
1. ローズとローゼルの美容茶:材料: 乾燥ローズの花びら 20g、ハイビスカス(洛神花)20g、はちみつ 50g、水 200〜300ml。お好みで真珠パウダーを2〜3g加えると、さらに美容効果が期待できます。
2. 桂円と白きくらげの潤いスイーツドリンク:材料: 白きくらげ 25g、桂円(りゅうがん/龍眼)15g、なつめ 10g、はちみつ 50g、クコの実(適量)、水 200〜300ml。
ツボ押しで顔にツヤとハリを
顔の肌つややハリを取り戻したいときは、毎日のスキンケアに加えて「ツボ押し」を取り入れるのがおすすめです。以下のツボは、中医学で美容効果が高いとされており、定期的に刺激することで肌に透明感や引き締め効果が期待できます。
四白(しはく)のツボ
・位置: 両目をまっすぐ前に向けたとき、黒目の真下約2cmのところ。
・効果: 目の周りの筋肉の疲れを和らげ、眼精疲労の改善や血行促進に役立ちます。クマや目の下のたるみ、くすみの改善にも効果的です。
顴髎(けんりょう)のツボ
・位置: 目尻と同じ高さで、頬骨の下のくぼんだ部分。
・効果: 顔の血流を良くし、シミの軽減や筋膜の弾力を高める働きがあります。いわゆる「アップルチーク」にツヤを与える効果も期待できます。

地倉(ちそう)のツボ
・位置: 目を正面に向けた状態で、瞳孔の垂直線と口角の水平線が交わる点。
・効果: 口輪筋や頬の深層筋に働きかけて、筋肉のハリを回復させ、口角を引き上げます。ほうれい線や口元のたるみ、シワの予防に効果があります。
頬車(きょうしゃ)のツボ
・位置: 奥歯をかみしめたときに頬が盛り上がる部分、その最も高くなる場所。
・効果: 話したり食べたりするときに酷使する咀嚼筋をほぐし、小顔効果やフェイスラインの引き締めに。さらに、顎関節症の予防にもつながります。

ツボ押しは継続することで効果が現れるため、毎日数分でもコツコツ続けることが大切です。もし、より早く変化を実感したい、あるいは肌の奥深くのコラーゲン再生や筋肉の弾力回復を望む場合は、「中医美容鍼灸(しんきゅう)」を取り入れるのも一つの方法です。
(翻訳 華山律)
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