目の不調には、肝のケアが大切
春は五行の中で「木」に属し、対応する臓器は「肝」です。春になると肝の気が高まりやすく、それが熱に転じることで、頭部や目につながる経路に影響を及ぼし、目の乾き、頭痛、めまい、視界のぼやけなどの不調が起こりやすくなります。
これを和らげるには、肝の熱を鎮め、肝血を補うことが大切です。肝が血でうるおされることで、過剰な熱は自然と落ち着き、木(肝)の勢いが強すぎて土(脾)や金(肺)を傷つけるのを防ぎます。
今回は、五行のバランスを意識した「目にやさしい春の和風薬膳セット」をご紹介します。
【主菜】春野菜の天ぷら|肝の熱を鎮め、肝血を養う

写真はイメージ(funny face /Shutterstock)
材料(2人分):
・たけのこ 50g
・わらび 50g
・しそ 4枚
・にんじん 30g
・えび 4尾
・天ぷら粉 100g
・卵黄 1個
・冷水 150ml
・揚げ油 適量
作り方:
- たけのことわらびは下ゆでしてアクを抜き、しそは洗って水気を切る。
- えびは殻と背わたを取り除き、尾を残しておく。
- 天ぷら粉・卵黄・冷水を混ぜて衣を作る。
- 具材に衣をつけてカラッと揚げ、天つゆや塩でいただく。
養生効果:
わらび、たけのこ、しそなどの春野菜は、肝の気のめぐりを良くし、こもった熱を冷ましてくれます。にんじんは脾を助け、血を補う働きがあり、卵黄は肝血をやさしく養います。
【副菜】白和え|肺をうるおし、肝の熱を冷ます

材料(2人分):
・絹ごし豆腐 100g
・すりごま 大さじ1
・ほうれん草 50g
・にんじん 30g
・しょうゆ 小さじ1
・みりん 小さじ1
・塩 少々
作り方:
- 豆腐は水気を切ってつぶし、ごまとよく混ぜる。
- ほうれん草はゆでて水にさらし、水気を絞ってざく切りに。にんじんは細切りにして2分下茹でする。
- 全ての材料と調味料を合わせて和える。
養生効果:
豆腐とごまで肺をうるおし金の気を養い、肝の働きを整えます。ほうれん草で肝血を補い、にんじんで脾を助け鬱血を防ぎ、肝の熱が高まるのを予防します。
【汁物】あさりの味噌汁|脾を整え、肺を養う

材料(2人分):
・あさり 8個(砂抜き済み)
・昆布だし 400ml
・味噌 大さじ1.5
・青ねぎ 適量
・豆腐 50g
作り方:
- あさりは塩水で砂抜きして洗う。
- 鍋に昆布だしを入れて沸かし、あさりを加えて口が開くまで煮る。
- 豆腐と味噌を加えたら、沸騰させないようにやさしく温め、青ねぎをふってできあがり。
養生効果:
あさりは肝の解毒を助け、味噌は脾を整えて消化を促進。
昆布だしが腸胃を優しく整え、春の疲れを和らげます。
まとめ|養肝ケア御膳
・主菜:春野菜の天ぷら ── 肝の熱を鎮め、肝血を補う
・副菜:白和え── 肺をうるおし、肝の暴走を防ぐ
・汁物:あさりの味噌汁 ── 胃腸を整え、肺の潤いを助ける
この和風薬膳セットは、春の五行バランスに沿って肝をいたわり、目の疲れや春のだるさをケアできる一膳です。おいしく季節を取り入れながら、体の内側から元気を整えてみてください。
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