【ニュースレターが届かない場合】無料会員の方でニュースレターが届いていないというケースが一部で発生しております。
届いていない方は、ニュースレター配信の再登録を致しますので、お手数ですがこちらのリンクからご連絡ください。
鮭の皮の真実

鮭の皮は健康に良い? 専門家が語る利点とリスク

鮭は栄養価が高く、心臓や脳の健康をサポートする魚として知られていますが、あなたは鮭を皮ごと食べるべきかどうか考えたことはありますか? 魚の皮は健康に良いのでしょうか?

鮭は、最も健康的で人気のある魚のひとつです。そして、もし鮭の皮が好きであれば、それを捨てる理由はありません。実際、鮭の皮にはミネラル、オメガ3脂肪酸、ビタミンB群やビタミンDなど、さまざまな栄養素が豊富に含まれています。また、焼いたり揚げたりした鮭の切り身に香ばしくパリッとした食感を加え、食欲を引き立ててくれます。以下では、アメリカの「FOXニュース デジタルチャンネル」が栄養士に取材した、鮭の皮に関する見解を紹介します。

FOXニュースが3月28日に掲載した記事によると、鮭の皮を残すことで調理時間の短縮になるだけでなく、皮を取り除くよりも健康に良い可能性があるとのことです。登録栄養士たちは、鮭の皮を食べることで、魚料理全体の栄養価が高まると述べています。
 

栄養士の見解

「鮭の皮にはオメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。オメガ3脂肪酸は炎症を抑える働きがあり、脳と心臓の健康にとって非常に重要です」と、ニューヨークの登録栄養士であり、ロングアイランド大学ブルックビル校ポストキャンパスのプログラム責任者を務めるローラ・フェルドマン氏は、FOXニュース デジタルチャンネルに語っています。

一部の鮭の消費者は「魚の皮を食べるのはよくない」と考えているかもしれませんが、専門家たちはその見解に異議を唱えています。

フライパンに鮭を入れる際は、十分に加熱してから入れることで、皮がくっつきにくくなります(Shutterstock)

「はい、鮭の皮は食べられます。実際、鮭の皮にはオメガ3が高濃度で含まれていますが、私たちが普段摂取しているオメガ3は(通常)不十分です」と語るのは、同じくロングアイランド大学の登録栄養士で大学院栄養学プログラムのディレクターを務めるデボラ・サルバトーレ氏です。

サルバトーレ氏によると、鮭の皮を食べることで一食あたりの脂肪量は増えるものの、「現代の食生活ではオメガ3が不足しがちであることを考えると、それによって善玉コレステロール(HDL)の増加、血圧の低下といった効果が期待でき、結果として心血管疾患のリスクを減らすことにつながります」と述べています。

さらに、こうしたオメガ3を豊富に含む食品を食事に取り入れることは、全体的な目の健康や視力の維持、さらには抗炎症作用にも役立つ可能性があると補足しています。

鮭の皮には、タンパク質やコラーゲンも多く含まれており、関節や肌の健康維持にも効果があります。

「鮭の皮は、骨の強度を高めるビタミンD、エネルギー代謝を助けるビタミンB群、そして細胞を損傷から守る強力な抗酸化物質であるセレンなども含んでいます」と話すのは、ロサンゼルスの登録栄養士で、アメリカ栄養・食事療法学会のスポークスパーソンでもあるジェイミー・モク氏です。

また、米国メイヨークリニックも、鮭の皮にはこれらの栄養素とともに天然の魚油が含まれており、コレステロール値や高血圧の低下、関節炎による痛みの緩和、心疾患の予防にも役立つとしています。さらに、皮とピンク色の身の間にある灰色の部分にも、多くの栄養素やオメガ3脂肪酸が含まれていると述べています。
 

鮭の皮に潜むリスク

鮭の皮は一般的に「安全に食べられる」と考えられていますが、ロサンゼルスの登録栄養士であり、アメリカ栄養・食事療法学会のスポークスパーソンでもあるジェイミー・モク氏は、いくつかの潜在的なリスクについても指摘しています。モク氏によると、鮭の皮には「ポリ塩化ビフェニル(PCB)、マイクロプラスチック、水銀などの環境汚染物質が含まれている可能性があり、その含有量は鮭の産地によって異なります」とのことです。

こうした環境汚染物質の摂取による影響を最小限に抑えるためには、「さまざまな種類の魚をバランスよく食べること」が推奨されています。モク氏はその中でも、比較的水銀の含有量が少ない魚――たとえばイワシ、サバ、アンチョビ、鮭、ニシンなど――を優先的に選ぶようアドバイスしています。

アメリカ食品医薬品局(FDA)によれば、鮭は水銀含有量の少ない魚として分類されています。

「アメリカ人の食事ガイドラインやアメリカ心臓協会は、心臓の健康をサポートする食事の一環として、週に少なくとも8オンス(約227グラム)の魚を食べることを推奨しています。特に、鮭のような脂の多い魚を積極的に摂ることが重要です」とモク氏は述べています。

FDAの公式サイトでも、幼児や妊娠中・妊娠を予定している、あるいは授乳中の女性については、特に水銀の少ない魚を選ぶよう注意が促されています。

なお、鮭ステーキや切り身、大きなブロック状の鮭を調理する場合でも、新鮮なものや冷凍のものであれば、皮ごと安全に食べることができます。カリッと焼いた鮭の皮を使った「サーモンスキンロール」は、アメリカで人気のある寿司スタイルの一つでもあります。
 

鮭の皮の調理方法

鮭の皮は、簡単においしく調理することができます。まずは、皮を下にしてフライパンで焼き始めるのがポイントです。最初のうちは、皮がノンスティック加工のフライパンにくっつくように見えるかもしれませんが、3分ほど経つと皮が反り返り、カリッとした食感に仕上がります。

フライパンに入れる前に、鮭の皮が完全に乾いていることを確認しましょう。キッチンペーパーや清潔な布巾で軽くたたいて水気を取ると、パリッと仕上がります。また、一部の料理人は、皮の表面に浅く切れ目を入れることで、より食感が引き立つよう工夫しています。ただし、このときは身の部分まで切らないように注意してください。

料理の専門知識を持つデボラ・サルバトーレ氏は、「皮付きの鮭の切り身をそのまま食べるのもおすすめですが、カリッと揚げてサラダに散らしたり、クルトンのようにして加えるのも、栄養価が高くて美味しい食べ方です」と提案しています。

(翻訳 華山律)

夏雨