[9日 ロイター] – ドゥテルテ大統領が推進するフィリピンの麻薬戦争を巡り、調査を求めるとした決議案の採決が、国連人権理事会で12日に行われる。
国際人権団体のアムネスティは、フィリピンの麻薬戦争における殺人行為は、警察権力の乱用と超法規的殺人を常態化させる危険なものだと主張し、決議案を採択するよう求めている。
「ドゥテルテ政権が発足して最初の2年くらいは、死亡事案に関する報告書が残されていたが、いまや記録さえ残されなくなった」とアムネスティのフィリピン支部長、オラノ氏は指摘する。「その結果、超法規的殺人や警察権力および法律の乱用、そして貧しい人ばかりが犠牲になることが日常的になってしまった。」
またアムネスティは8日、麻薬戦争が首都マニラから郊外に拡大しているとの報告書を公表した。これについてオラノ氏は「(郊外には)マニラよりも人目につくことなく人を殺せる場所がたくさんある。おそらく警察にとって、より自由に作戦を行えるだろう。マニラでは難しくても、郊外なら高速道路や田んぼに死体を遺棄することができる」と述べた。
一方、ドゥテルテ大統領の報道官は超法規的殺人の可能性を否定。調査要求は、フェイクニュースに踊らされた「外国政府の不当な干渉」だとしている。
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