昭和12年(1937)7月7日、盧溝橋事件が発生し、日中戦争が泥沼化してゆく中、北京近郊の通州で日本の民間人225人(朝鮮人111人含む)が虐殺される事件が起こった。
昭和12年(1937)7月29日、通州事件と呼ばれるこの事件は、その殺害方法が、猟奇的で凄惨であり、戦後、日本では殆ど語られることなく、半ばタブー扱いされてきた。当時、城壁に囲まれていた街も、何事もなかったように、今や城壁も建物も無くなり、ただ1400年前の唐代に建造されたとも言われる仏舎利の塔だけが残っている。
なぜこの事件が発生したのか、その理由について様々な説が出た。事件の数日前、実行犯である通州保安隊を日本の爆撃機が誤って誤爆したことや、日本のアヘン販売に対する報復など。しかし、当時、活発に活動していた国際共産党運動(コミンテルン)や中国共産党(中共)など共産主義者の暗躍があったことはあまり知られていない。
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