フォーブス・アドバイザーの報告書によると、コロナによるパンデミックの副産物として始まったリモートワークは、今や多くの人にとって一般的な選択肢となっています。2025年までには全労働者の約4分の1が完全なリモートワークに従事すると予測されています。しかし、リモートワーカーは、社内勤務者よりも解雇される率が高いとデータ会社のLive Data Technologiesが報告しています。
それに応じて、多くの労働者は、競争力を維持するために仕事の習慣を変えてきました。
アメリカ西海岸に拠点を置く全国会計事務所のプロジェクトマネージャー、レスリー・ダンバー氏は、東海岸に拠点を置いているにもかかわらず、自分がチームの重要な一員として見られるようにするために、毎日決まった儀式を行っていると大紀元に語りました。
「私は自主的に太平洋標準時間で働いています。これは、私の上司やチームがその時間帯で働いているからです。誰からも頼まれたわけではなく、自分の成功とチームの成功のためにできる調整を考えた結果です」
ラトガーズ・ビジネススクールの経営学および国際ビジネス教授であるテリー・カーツバーグ氏はダンバー氏の戦略は「的を射ている」と評価しています。従業員間のコミュニケーションを効果的に行うには雇用主に一定の負担を課す必要があると述べました。
「見えない場所での問題は非常に現実的です。しかし、リモートワークがうまくいかないと言ってオフィスに戻るのは現実的ではありません。重要なのは、どのようにして従業員を快適にさせるか、そして期待されるレベルで仕事が行われているかをどうやって確認するかです」
Live Data Technologiesの分析によると、2023年には、リモートワークの従業員はオフィス勤務またはハイブリッド勤務(出勤とテレワークを組み合わせた勤務形態)の従業員よりも昇進の機会が31%少なかったといいます。2百万のホワイトカラー労働者のサンプルを調査した結果、59万9千人が転職しました。そのうち16万8千人は会社を辞めて60日以内に新しい仕事を始めませんでしたが、Live Data Technologiesはこれを非自発的または「解雇」と分類しました。
リモートワーカーはもっと目立たなければならない
Dellの最高経営責任者(CEO)であるマイケル・デル氏は今年初めにリリースした社員向けメモで「リモートチームメンバーは、キャリアの進展や新しい役職に応募するには、ハイブリッドオンサイトに再分類する必要がある」と明言しました。
ミシガンのIT企業でチームのスーパーバイザー兼社員としてリモートで働くラシェル・クロジック氏も同様の経験を持っています。彼女はフロリダに住みながら、リモートでチームを管理しています。
同氏は大紀元に、リモート勤務の従業員と上司が一貫した可視性を保つためには、仕事以外のことでも同僚と関わる必要があると語りました。
「私はチームメンバーとオンラインで頻繁に会い、彼らの生活で何が起こっているか、どうすれば彼らともっとうまく仕事ができるかを話し合っています」
「勤務時間外のZoom会議やパーティーなどがあり、顔を見せて参加し、会社に積極的に関わっていることを示す必要があります。ただし、話し合うべき内容は仕事だけではありません」
クロジック氏は、リモートワーカーの交流において人間味を示すことは自分の責任だと感じています。「私は人を管理していますが、彼らに共感できる何かを与えなければ、人々は私のために働きたがらないでしょう」と述べました。
一方、リモートワーカーに対して好意的でない意見もあります。
ミネアポリス市長のジェイコブ・フレイ氏は、ミネアポリスのダウンタウンで働くことが企業にとって有益である理由を説明する最近のスピーチで、リモートワークを選ぶ人々を「負け組」と呼びました。これはFox 9が公開したビデオで明らかになりました。
「最近の研究を見たかもしれませんが、この研究が明確に示したのは、オフィスに来ることができるのに自宅で猫の毛布に包まれてソファに座っていると、数か月で負け組になるということです。私たちは負け組ではないですよね?」とフレイ氏は述べました。
双方向のアプローチが必要
カーツバーグ教授は、リモートワーカーに対する一部の雇用主の否定的な見解を認め、その問題を解決する簡単な方法があると述べました。それは、たとえ頼まれなくても、従業員は時々オフィスに出勤する必要があるだけだ、ということです。
同氏は「一度会えば、連絡を取りやすくなります。直接会って個人的なつながりを築く必要があります。ズームでの長時間の通話ではなく、1対1で知り合ったときに、人は最高の成果を上げます」と語りました。
しかし、雇用主はリモートスタッフの解雇に伴う法的影響に注意を払う必要があると、ロサンゼルスのフィッシャー・フィリップスの雇用弁護士ジャックリン・ラッド氏は指摘しました。
同氏は大紀元に、「多くのプロジェクトマネージャーが仕事と介護の責任を両立させるために自宅で働いている場合はどうでしょうか。その多くが女性従業員ですか。リモートワーカーのステータスを解雇基準にすることは、女性に不公平な影響を与える場合、違法となる可能性があります」と語りました。
母親でもあるダンバー氏は、リモートワークに真剣に取り組んでいることを上司に示すために、現地で働いているかのように振る舞っているそうです。ダンバー氏は「オフィスに行くのと同じように毎朝準備を整え、プロフェッショナルな服装をします。そして、個人的なつながりを加えるために、できるだけビデオをオンにします」と述べました。
「要するに、積極的であることとチーム意識を持つことが重要だと思います。これらの特性は、どこに座っていても価値のあるメンバーと見なされることにつながると感じています」とまとめました。
翻訳編集 清川茜
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