梅とサンザシのドリンク&梅味サラダで脂肪燃焼!気血を巡らせる健康レシピ

現代の食生活は、脂肪や甘みが多く含まれており、その影響で多くの人が高脂血症や高血圧、肥満に悩んでいます。これらは、見た目だけでなく、心血管や消化器系にも悪影響を与えます。

そこで、現代の中医学では、伝統的な『梅湯』(梅を煮出して作る日本や中国の伝統的な飲み物)や『サンザシ丸』(山楂を使った漢方薬やお菓子)に基づいた製品で、これらの素材の持つ健康効果を活かして開発されています。脂肪を減らし、血圧を下げるための食事療法が提案されています。今回は、梅、サンザシ、陳皮を使った簡単な「梅湯」と、それに似た効果を持つサラダレシピをご紹介します。

 

梅とサンザシの飲み物
脂肪減少とダイエット効果

中医学の食事療法では、梅、サンザシ、陳皮は、消化を助け、余分な脂肪を分解し、血液の流れをスムーズにし、血圧を下げる働きがあるとされています。これらは、脾胃(消化器系)や心血管の健康をサポートするのに効果的です。

A. 梅の効果

梅は、未熟な青梅を燻製し乾燥させたもので、その酸味が特徴です。梅の酸味は、食事が脂っこいと感じたときに、自然と消化を助ける働きをしてくれます。中医学では、酸味が肝臓に作用し、体内の脂肪を分解する手助けをすると考えられています。また、梅は酸味とともに渋みを持ち、肺や大腸をサポートして、咳を和らげたり、下痢を防ぐ効果も期待できます。

B. サンザシの効果

サンザシは、消化を助け、特に脂肪や肉の分解に優れています。甘酸っぱい風味があり、胃腸の働きを整えるほか、血液をスムーズに流す働きも持っています。サンザシは、特に血中の脂肪を分解し、血圧やコレステロールを下げる効果が現代医学でも証明されており、高脂血症や肥満の方におすすめです。

乾燥サンザシ(Shutterstock)

 

C. 陳皮の効果

陳皮はみかんの皮を乾燥させたもので、辛味と苦味を持ち、温かい性質があります。肺を強化し、全身の経絡(エネルギーの通り道)の気の流れを促すことで、血栓や気滞(エネルギーの滞り)を防ぎます。また、脾胃を温め、消化不良や胃の張りを解消する効果もあります。消化をスムーズにすることで、脂肪の分解・排出を助けます。

これらの食材の相乗効果

梅、サンザシ、陳皮はそれぞれ、脾胃を整え、消化を促進し、脂肪を分解する効果を持っています。梅は消化を助けるだけでなく、喉の渇きを癒し、肺と大腸をサポートします。サンザシは、胃腸や肝臓、心臓に働きかけ、脂肪を分解し、血流を改善します。陳皮は、経絡(エネルギーの通り道)を整え、体全体の気の流れをスムーズにし、消化をサポートします。これらを組み合わせることで、気血の巡りが良くなり、消化が改善され、心血管の健康が保たれます。その結果、血圧やコレステロールが正常化され、肥満の予防にも繋がります。

 

食養生レシピー梅とサンザシの飲み物

材料:

梅(乾燥):5~6個

サンザシ(乾燥):10g

陳皮:5g

氷砂糖または蜂蜜(お好みで):適量

水:1000ml

作り方:

梅、サンザシ、陳皮をそれぞれ洗って準備します。

鍋に水を入れ、梅、サンザシ、陳皮を加えます。強火で沸騰させた後、弱火にして20分煮込みます。

お好みに応じて氷砂糖または蜂蜜を加え、さらに5分煮込みます。茶こしで濾して飲むと良いでしょう。

効果:

消化を助け、脂っこい食事の後に最適:脂肪の分解を促進し、食べ過ぎや消化不良の改善に役立ちます。

脂肪代謝を促進:胃腸の働きを整え、脂肪の燃焼をサポートし、体重管理に効果的です。

血液循環を改善し、ダイエットに役立つ:定期的に飲むことで、血中脂肪を減らし、動脈硬化の予防にもつながります。肥満や高脂血症の方にもおすすめです。

 

飲み方に関する注意点

梅、サンザシ、陳皮は日常の食事療法として広く使用されているものですが、体質に合わない場合もありますので、次の点に注意してください。

胃が敏感な方は注意:梅やサンザシには胃酸分泌を促進する作用があるため、胃酸過多や胃潰瘍、胃炎がある方は控えめにしてください。

体力が低下している方は注意:脾胃が弱く、冷え性の方には刺激が強い場合があり、寒さを悪化させることがあります。少量を試してみて、自分の体質に合うか確認してください。また、大枣(ナツメ)を加えると胃腸を温める効果が期待できます。

妊娠中・授乳中の女性は注意:サンザシは血行を促進する効果があるため、妊娠中の女性は子宮収縮を引き起こす可能性があるため避けるべきです。授乳中の方も、赤ちゃんへの影響を考慮して、摂取量に注意してください。

持病がある方や薬を服用中の方は注意:持病がある方や、薬を服用中の方は医師に相談のうえでお試しください。

 

梅風味の脂肪燃焼サラダ

梅とサンザシ、陳皮の組み合わせをもとに、日常的に楽しめるサラダを作ってみましょう。梅干し、リンゴ、レモン、パクチーを使うことで、消化を助け、脂肪の代謝を促進する効果が期待できます。これらの食材は、薬膳の強力な効果に比べて穏やかですが、体質改善を目的とした日々の食事としては最適です。

材料:

梅干し:2個

リンゴ(お好みのシャキシャキした種類):1個

トマト:1個

赤玉ねぎ:1/4個(通常の玉ねぎでも可)

きゅうり:1本

パクチー(香菜):少々

レモン汁:大さじ1

オリーブオイル:大さじ1

ハチミツ(お好みで):小さじ1

塩:少々

黒こしょう:少々

作り方:

ドレッシングを準備:梅干しの種を取り、梅肉をペースト状にします。梅肉にレモン汁、オリーブオイル、塩、黒こしょう、ハチミツを加えて混ぜ合わせ、サラダのドレッシングを作ります。

野菜と果物の下ごしらえ:リンゴは皮をむいて薄切りまたは小さなブロック状に切ります。トマトは洗ってスライスし、赤玉ねぎは細切りにして辛味を和らげるために水に10分ほど浸します。きゅうりは薄切りや細切りにし、パクチーは洗って適当な長さに切ります。

サラダを組み立てる:リンゴ、トマト、赤玉ねぎ、きゅうりをサラダボウルに並べ、パクチーを散らします。最後に、梅干しを使ったドレッシングを全体にかけて、軽く混ぜ合わせます。

効果:

このサラダは、消化を助け、脂肪の代謝を促すのに役立ちます。梅干しの酸味が食欲を刺激し、脂肪を分解する働きをサポートします。リンゴやレモンはビタミンが豊富で、体のデトックスを促進し、赤玉ねぎとパクチーは血液をサラサラにする効果が期待できます。定期的に食べることで、体質改善やダイエットに役立つでしょう。

乾燥梅(Shutterstock)

 

中医学的な効果分析

1. 脂肪を減らす効果
このサラダに含まれる梅干し、リンゴ、レモン、赤玉ねぎは、脂肪の代謝を促進し、体内の余分な脂肪を減らすのに役立ちます。特に、レモンや梅干しの酸味成分が脂肪を分解し、赤玉ねぎは血中脂肪を低下させる効果があります。

2. 血液をサラサラにする効果
トマト、赤玉ねぎ、レモン、パクチーには、血液の流れを改善し、血栓の形成を防ぐ働きがあります。これらの食材は血液中の脂肪代謝を促進し、血液をサラサラに保つ効果が期待できます。

3. 体内の熱を取り除く効果
トマト、レモン、きゅうりは、体を冷やし、体内の余分な熱を取り除く働きがあります。特に、暑い夏や秋の気候が厳しい時期に食べると、体内の熱を解消し、体調を整えるのに役立ちます。

4. 消化を助ける効果
梅干しやリンゴに含まれる酸味成分は、胃液の分泌を促進し、食べ物の消化を助けます。これにより、消化不良を緩和し、胃腸の機能を改善します。

 

まとめと注意事項

このサラダは、さっぱりとした酸味と甘味が特徴で、脂っこい食事の後にぴったりです。各食材が相互に作用し、脂肪の減少、血流改善、体内の熱の除去などの効果を発揮します。脂肪代謝や心血管の健康に問題を抱える方にも適しており、暑さを和らげ、喉の渇きを癒す効果も期待できます。

注意点

胃酸過多の方は注意:サラダにはレモンや梅干し、赤玉ねぎなど、酸味や刺激の強い成分が含まれています。胃酸が多い方や胃潰瘍がある方は、胃の不調を引き起こす可能性があるため、摂取を控えましょう。

冷え性や脾胃虚弱の方は注意:きゅうりやトマト、レモンは体を冷やす性質があり、冷えやすい方や胃腸が弱い方が過剰に摂取すると、消化不良や下痢を引き起こす可能性があります。生姜を加えて体を温めたり、にんにくと一緒に炒めることで、体に優しい調理法に変えることができます。

アレルギー体質の方は注意:パクチーや赤玉ねぎは一部の人にアレルギー反応を引き起こすことがあります。これらの食材に敏感な方は控えるか、少量で様子を見るようにしましょう。

抗凝血薬を服用している方は注意:赤玉ねぎには血行を促進する作用があるため、抗凝血薬を服用している方は過剰摂取を避け、医師に相談することをおすすめします。

 

(翻訳編集 華山律)

白玉煕
文化面担当の編集者。中国の古典的な医療や漢方に深い見識があり、『黄帝内経』や『傷寒論』、『神農本草経』などの古文書を研究している。人体は小さな宇宙であるという中国古来の理論に基づき、漢方の奥深さをわかりやすく伝えている。