広大な宇宙に生命が存在しないはずがない
豪州初の女性宇宙飛行士、キャサリン・ベネル=ペッグ氏は最近、宇宙の広大さと地球外生命の可能性について、興味深い見解を語った。同氏は、宇宙の恒星の数を地球上のすべての砂浜の砂粒の数に例え、「このような広大な宇宙に生命が存在しないはずがない」と述べた。
ニュースサイト「news.com.au」によると、39歳のベネル=ペッグ氏はシドニーで開催されたサウス・バイ・サウスウエスト会議で、「宇宙には約2千億兆(2×10^23)の恒星が存在する」と科学者たちが推定しており、生命の構成要素である分子や元素が、宇宙全体に豊富に存在していることを指摘した。
また、ここ6年間で、6千個近い系外惑星が発見され、その中には居住可能な条件を備えたものも多いことを指摘し、「生命はそこに存在する可能性が高い」と語った。
ベネル=ペッグ氏は、太陽系内で地球外生命の痕跡を発見できる可能性に、強い関心を寄せていると述べた。火星や木星の衛星など、液体の水が存在する可能性がある場所で、探査が進められていることにも触れた。NASAが先月打ち上げた木星の衛星「エウロパ」に向かう探査機「Europa Clipper」もその一環だ。
同氏は「生命が私たちと同じ起源を持つのか、それとも異なるのかを探ることは非常に興味深い」と語り、こうした研究が、生命の進化や適応能力の理解に貢献すると強調した。
宇宙での生活と課題
ベネル=ペッグ氏は、初めて宇宙に行った際の感動を振り返り、「宇宙飛行士になるという夢が叶った瞬間だった」と語った一方で、宇宙空間では細かい粒が飛び散る食品が、重力のない環境では問題になるため、食事に制約があることも明かした。
同氏は、辛味やうま味のある食品を好み、特にオーストラリアの発酵食品『ベジマイト(Vegemite:パンに塗るなどの食品)』が好物だと明かしている。
宇宙で最も怖いこととして、ベネル=ペッグ氏は「宇宙遊泳」を挙げた。宇宙ゴミが人体に与える危険性や、地球で待つ家族を思い出すことや、宇宙空間の危険性について語った。
初の豪州人女性宇宙飛行士としての歩み
シドニー大学を卒業したベネル=ペッグ氏は、2023年に欧州宇宙機関(ESA)で宇宙飛行士訓練を受け、国際宇宙ステーション(ISS)での任務に向けた資格を取得した。現在は、アデレードにあるオーストラリア宇宙局で勤務しており、宇宙飛行士としてのキャリアをさらに広げている。
「宇宙での発見と研究は、私たちの生命や進化に関する理解を深める貴重な手がかりを提供する」と語るベネル=ペッグ氏は、今後の探査において、注目される存在だ。
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