【ニュースレターが届かない場合】無料会員の方でニュースレターが届いていないというケースが一部で発生しております。
届いていない方は、ニュースレター配信の再登録を致しますので、お手数ですがこちらのリンクからご連絡ください。
血糖値対策に!

ご飯の半分をこれに置き換えるだけで血糖値が1/5ダウン 栄養士がすすめる食材とは?

レンズ豆(日本ではヒラマメとも呼ばれる)は、高タンパク・高食物繊維の食品で、ミネラルや葉酸も豊富に含まれています。価格も手頃ですが、日本の食卓ではあまりなじみのない食材かもしれません。そんなレンズ豆が血糖値を下げる効果を持つことが、カナダの研究で明らかになりました。

この研究は、栄養学専門誌『Journal of Nutrition』に発表されたもので、健康な成人24名を対象に行われました。研究では、4種類の異なる主食を食べてもらい、食前と食後2時間の血糖値を測定しました。その主食とは、白米のみ、白米の半分を緑レンズ豆に置き換えたもの、白米の半分を小粒の緑レンズ豆に置き換えたもの、白米の半分を赤レンズ豆に置き換えたものの4パターンです。

さらに別のグループでは、ジャガイモを主食とし、同じようにレンズ豆を半分混ぜた場合の血糖値の変化も調査しました。

その結果、白米の半分をレンズ豆に置き換えた場合、血糖値は20%低下し、ジャガイモの半分をレンズ豆に置き換えた場合は、血糖値が35%低下したことがわかりました。また、3種類のレンズ豆が、血糖値を下げる効果については大きな差はなかったことも確認されました。

この研究を主導したカナダ・グエルフ大学の栄養学教授であるアリソン・ダンカン氏(Alison Duncan)は、次のように述べています。「レンズ豆は、主食のご飯やジャガイモのおかずとして食べられることが多いため、日常生活の食事に近い形で研究を行いました。この結果は、日常の食生活に直接、活かせると思います。」
 

なぜレンズ豆は血糖値を下げるのか?

私たちが食べる炭水化物は、消化の過程でブドウ糖に分解され、血液中に吸収されます。このとき、食べ物の種類や消化のスピードが血糖値に大きく影響します。カナダの研究者ダンカン氏によると、レンズ豆などの豆類は消化がゆるやかで、デンプンに含まれる糖分が少しずつ分解されるため、血糖値の急激な上昇を抑えることができるそうです。

「糖の吸収が遅くなれば、血糖値の急上昇(血糖スパイク)を防げます。血糖値が長時間高い状態が続くと、体の血糖調整機能が乱れ、これが2型糖尿病に繋がります。つまり、レンズ豆を食べることで、このリスクを軽減できるのです」とダンカン氏は説明しています。

さらに、豆類にはブドウ糖の吸収を抑える酵素の働きを阻害する成分が含まれています。また、豊富な食物繊維が腸内で短鎖脂肪酸を作り出し、これも血糖値を下げるのに役立ちます。
 

レンズ豆は栄養豊富なのに、なぜあまり食べられないのか?

レンズ豆を含む豆類は、栄養価が非常に高い食品です。例えば、1杯のゆでたレンズ豆には、食物繊維が15g、タンパク質が18gも含まれています。これは、卵3個分のタンパク質に相当します。さらに、レンズ豆には葉酸、鉄、マグネシウム、カリウム、亜鉛などのミネラルも豊富に含まれています。また、豆類は血糖値の調整機能の乱れに関連する慢性疾患を予防する可能性もあるといわれています。

ダンカン氏によると、多くの人は豆類をあまり食べる習慣がありません。「カナダでは大量のレンズ豆が生産されていますが、そのほとんどは輸出されており、実際に毎日レンズ豆を食べているカナダ人はわずか13%しかいません」と指摘します。「今回の研究を通じて、豆類の健康効果についてもっと多くの人に知ってもらいたいですね」。

カナダの保健省の基準では、ある食品が血糖値を20%以上下げる効果が証明されれば、その健康効果を公式に表示することが許可されます。ダンカン氏は、「豆類の健康効果を証明するために、さらにデータを集めたいと考えています。公式に認められれば、より多くの人が日常的に豆類を取り入れるきっかけになるでしょう」と期待を寄せています。

(翻訳編集 華山律)
 

韩慧琳