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黒豆で育む長寿の力

『黒豆』毎日の健康を支えるパワーフード

暖かくなってきた今、黒豆シチューや黒豆ご飯は、クリーミーな舌触りとほのかな甘さで心身を癒してくれます。健康の源として、心臓を強化し、血糖値を調整し、健康的な体重を維持する助けになります。

黒豆は中国医学(TCM)で腎臓に滋養効果をもたらすとして珍重されています。体を温め、血液と陰(または水のエネルギー)を滋養し、生殖機能を向上させます。インドの伝統医学であるアーユルヴェーダでは、黒豆は食物繊維を多く含むため、排便を促すと考えられています。黒豆は食欲を抑える効果もあり、特に春先に食べるのが効果的です。

世界中で時代を超えて愛される黒豆は、食卓に欠かせない存在となっています。

黒豆は体を温め、血糖値を調整し、心臓を強化する健康食材です(Shutterstock、大紀元)

 

主な栄養素

黒豆が何世紀にもわたってダイエットの定番となっている理由の一つは、栄養豊富であることです。黒豆は植物性タンパク質の優れた供給源であり、水溶性および不溶性の食物繊維を豊富に含み、脂肪分とカロリーは低く、コレステロールはゼロです。

以下に、黒豆が持つ栄養効果をご紹介します。

  • タンパク質が豊富: 黒豆1カップには、15グラム以上のタンパク質が含まれています。
     
  • 豊富な食物繊維: 豊富な食物繊維が含まれているため、満腹感が持続し、消化器官の動きがスムーズになり、便秘を防ぐことができます。
     
  • 高い抗酸化作用:他の豆類と比べて際立って豊富なアントシアニンを有しています。アントシアニンは、炎症の軽減や心臓に良い強力な抗酸化物質です。
     
  • 豊富なマグネシウム:マグネシウムも特に多く、1/2カップあたり約60ミリグラムを含み、他の豆類よりも多く含まれています。
     
  • 必須な栄養素を含有: この栄養豊富な豆には、鉄分、カリウム、亜鉛、ビタミンA、カルシウムが豊富に含まれています。
     
  • 葉酸が豊富: 葉酸(ビタミンB9)は、DNAとRNAの生成に寄与し、細胞分裂と成長に必要です。 また、葉酸は健康な赤血球を作り、神経管の形成を助けるため、妊婦には非常に重要な栄養素です。
     

利点

黒豆は素晴らしい栄養価に加えて、さまざまな健康効果があります。

◎心血管に良い

最も注目すべき健康効果のひとつは、心臓に良いことです。

50歳以上の成人を対象に行った研究では、2か月間毎日豆類(黒豆を含む)を二人前食べたグループは、総コレステロール値が8.3%、低密度リポタンパク質(LDL)コレステロール値が7.9%も大幅に低下したことが明らかになりました。

LDLコレステロールは「悪玉」コレステロールとも呼ばれ、高濃度になると動脈に蓄積し、心臓発作や脳卒中のリスクを高めます。同研究で両方のコレステロールを減らすことにより、心血管疾患のリスクが最大25%低下することが分かりました。

さらに、黒豆に含まれるアントシアニンやケルセチンなどの抗酸化物質は、心臓病のリスクを高める酸化ストレスや炎症と戦ってくれます。血管の炎症は動脈硬化につながり、心臓発作を引き起こす可能性があります。マグネシウムやカリウムも豊富に含まれており、これらは心拍数や血圧の調整に役立ちます。

先行研究では、健康な成人を対象に、黒豆を食べることで血管が血圧や伸張性に好ましいことが分かりました。

◎血糖値を調整する

黒豆には、水溶性食物繊維、タンパク質、レジスタントスターチ(複合糖質の1種)が豊富に含まれています。これらは消化と糖の吸収を遅らせ、血糖値の急上昇を防ぎます。食物繊維はインスリン感受性を改善します。

2021年、肥満なマウスに黒豆に加えて高脂肪食を与えました。その結果、高脂肪食だけを食べ、黒豆を食べなかったマウスと比較して、インスリン感受性が87%改善したことが分かりました。注目すべきことは、黒豆を食べたマウスは比較的腸内バランスを回復したことです。

二重盲検プラセボ対照試験では、黒豆から作られたプロテインパウダー(黒豆タンパク加水分解物)を摂取した被験者が、プラセボを摂取した被験者と比較して、摂取後2時間の血糖値が有意に低くなりました。

◎体重管理に役立つ

黒豆に含まれる食物繊維とタンパク質は満腹感を増進し、より長い時間満腹感を維持します。そのため、食べ過ぎや間食を抑えることができます。

低脂肪で低カロリーなので、満腹感を得ながらカロリー摂取量を抑えたい方には最適です。

その他の利点

豆類は、レジスタントスターチを含む複合炭水化物を豊富に含む、持続可能なエネルギー源です。このタイプのデンプンはゆっくりと消化されるため、血糖値が急上昇してインスリンが必要になるのを抑えることができます。
 

豆類の豆知識

  • 適切に保存された乾燥黒豆は10年以上も日持ちするため、非常食や保存食としても最適です。
     
  • 黒豆は中南米が原産で、7,000年以上前から栽培されています。
     
  • ブラジルは世界最大の黒豆生産国であり、消費国でもあります。黒豆はブラジル料理に欠かせない食材であり、ブラジルの国民食であるフェイジョアーダ(黒豆と肉の煮込み料理)の主要材料です。
     
  • 黒豆は、硬く光沢のある殻と亀の甲羅に似た楕円形をしていることから、亀豆とも呼ばれています。 一般的な名称としては、スペイン語で黒豆を意味する「フリホーレス・ネグロス」や、黒豆の滑らかでクリーミーな舌触りをキャビアに例えて「キャビア・クリオーリョ」などがあります。
     
  • 黒豆は、世界3番目に大きい科であるマメ科に属し、レンズ豆、ヒヨコマメ、エンドウ豆、ピーナッツなどもこの科に含まれます。

吸収率を高める方法

私たちがどのように食品を組み合わせたり調理するかによって、体が吸収する栄養素の量は変わってきます。

その良い例が黒豆ご飯です。黒豆とご飯はそれぞれ単独では、必須アミノ酸が不足しており、不完全タンパク質です。しかし、一緒に食べると、それぞれが不足しているアミノ酸を補い合い、完全タンパク質となります。必須アミノ酸は体内で生成できないため、食事から摂取しなければなりません。これが、豆と米が何世紀にもわたって食されてきた理由なのかもしれません。

黒豆は鉄分の良い供給源でもあり、調理した豆1カップあたり約3.61ミリグラムの鉄分を含んでいます。鉄分とビタミンCを含む食品を一緒に食べることは有益です。ビタミンCは体内で鉄分をより効果的に利用するのを助けるからです。

黒豆wご飯(完全タンパク質)を食べるとき、ピーマン、ブロッコリー、トマトなどビタミンCを多く含む食品を加えると、栄養価の高い食事となります。
 

専門的なアドバイス

塩分摂取を気にしている方や高血圧の方は、黒豆の缶詰を使用する際には、通常、低塩分タイプのものを選び、 必ず十分に水洗いしてください。 また、缶詰食品を食べると、一缶の裏張りなどに使用されているビスフェノールA(BPA)にさらされる機会が増えますが、多くの企業では、その使用を中止しています。 BPAは有毒で、多くの生体システムに悪影響を及ぼすため、BPAを含まない缶詰を選び、さらされる機会を減らすようにしてください。

乾燥した黒豆を使用する場合は、少なくとも数時間、理想的には一晩浸してください。浸した後、豆をよく洗うようにしてください。
 

注意

黒豆はほとんどの人にとって安全な食品ですが、日常的に食べる前に考慮すべき点がいくつかあります。

黒豆に多く含まれる食物繊維やでんぷん質は、人によっては膨満感やガスなどの消化不良を引き起こすことがあります。黒豆に慣れていない場合は、徐々に食事に取り入れるようにしてください。水をたくさん飲むと、体が慣れて消化不良を起こさなくなります。

黒豆が消化不良を引き起こすもう一つの理由は、オリゴ糖とレクチンが含まれているためですが、これは乾燥豆を一晩水に浸すことで減少できます。
 

黒豆の保存

黒豆は日持ちがするため、家庭での備蓄に適しています。

乾燥黒豆は、新鮮さを保つために、涼しく乾燥した場所で保存してください。

長期保存し、乾燥豆をできるだけ長持ちさせるには、食品用プラスチックバケツや、酸素吸収剤入りの頑丈なマイラーバッグに密封して保存します。酸素吸収剤はオンラインで購入できます。

調理済みの豆は、冷蔵庫で3~4日間、冷凍庫で最大6か月間保存できます。

子ども向けの黒豆についての画像(Shutterstock、大紀元)

 

(医学的監修 ジミー・アーモンド医学博士)

 

(翻訳編集 呉安誠)

鍼灸医師であり、過去10年にわたって複数の出版物で健康について幅広く執筆。現在は大紀元の記者として、東洋医学、栄養学、外傷、生活習慣医学を担当。