研究者たちは、乾癬と食事の関係についての可能性を発見しました。乾癬は、厚くて鱗状の皮膚が蓄積する慢性的な疾患であり、推定750万人のアメリカ人に影響を与えています。
この発見は、食事が炎症性疾患に及ぼす影響についての理解を深める可能性があると考えられています。
乾癬の悪化リスクが1.5倍以上に増加
11月27日に『JAMA Dermatology』に掲載されたこの研究には、18,528人の参加者が集まり、そのうち10%が乾癬を患っていると報告しました。研究者たちは、自己診断によるアンケートを用いて、超加工食品の摂取量を評価しました。乾癬の状態は、以下の3つのグループに分類されました:
・乾癬になったことがない
・非活動性乾癬
・活動性乾癬
乾癬のケースのうち、803人が活動性乾癬と分類されました。
研究者たちは、50万人以上の参加者を追跡しているフランスの主要な栄養研究であるNutriNet-Santéコホート研究のデータを用いて、食事と健康の関連性を調査しました。
その結果、活動性乾癬を持つ人々には以下のような人口統計学的な特徴が見られました。
・活動性乾癬のグループでは女性の割合が低い(68% 対 74%)。
・BMI(体格指数)が30を超える人の割合が高い(16% 対 9%)。
さらに、活動性乾癬患者は高強度の運動を行う割合が低いことが研究で協調されました。
初期の分析では、活動性乾癬の人々とそうでない人々の間で超加工食品の摂取量に大きな違いがあることが示されました。特に、超加工食品を最も多く摂取している参加者は、乾癬になったことがない人と比較して、活動性乾癬を持つ可能性が1.52倍高いことがわかりました。
さらに、年齢、体重、アルコール摂取、その他の健康問題などの要因を考慮しても、この関連性は統計的に有意でした。調整後の分析では、超加工食品の摂取群の人々が活動性乾癬を持つ可能性は1.36倍高いことが確認されました。
超加工食品が炎症を引き起こす理由には、以下のようなものがあります。
- 食品添加物の影響:乳化剤、甘味料、着色料、ナノ粒子などの添加物は、腸内細菌叢や腸の透過性を変化させ、炎症を引き起こす可能性があります。
- 高塩分含有:超加工食品に含まれる塩分は、炎症を促進するT細胞の産生を増加させる可能性があります。
- 高糖分含有:過剰な糖分摂取は、低レベルの慢性炎症を引き起こす可能性があります。
超加工食品とは、工業的な加工によって本来の状態から大きく変化した食品を指します。例えば、清涼飲料水、スナック菓子、チョコレート、キャンディ、アイスクリーム、甘味のある朝食用シリアルなどが含まれます。
さらなる研究が必要
研究の著者たちは、「超加工食品の摂取量は活動性乾癬と関連していた」と述べ、超加工食品の摂取量はBMIの高さに関係なく炎症誘発効果を示すことを指摘しました。
ただし、この研究にはいくつかの限界があります。例えば、自己申告によるデータのため、乾癬の分類が誤る可能性があります。しかし、この自己診断法の感度と特異度は、過去の研究で検証されています。
今後、食事が炎症性疾患に与える影響をより深く理解するために、さらなる研究が求められます。
(翻訳編集 神谷一真)
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