【独占インタビュー】胡耀邦の元秘書・林牧 趙紫陽氏死去の衝撃は大きい

【大紀元1月17日】元中国共産党の趙紫陽・総書記が1月17日、死去した。故胡耀邦元中国共産党総書記の秘書だった林牧氏が大紀元記者のインタビューに応じ、「趙氏死去が中国人社会全体に与える影響は大きく、当局にとっては一つの難題であり、一つの試練である」と語った。

趙紫陽氏の死去が中国に与える影響は大きい

林牧氏は次のように語った。

――趙紫陽氏の死去が中国に与える影響は大きく、当局にとっては一つの難題であります。葬儀を営み、追悼会を催すべきなのか?若し、そうするとしたらどのように評価するか?当局にとっては完全に無視することは不可能だと思います。多分あまり盛大でない、格を下げた葬儀・追悼になり、”天安門事件”は無視するでしょう。

――”天安門事件”に言及しないことも考えられますが、”天安門事件”は趙紫陽の人生にとって最も重要な事件で、最も輝く点ですから、完全に無視することはできないと思います。”天安門事件”を無視する、中国人民は同意できないことで、民衆も賛成できないことです。

――若し、当局が不公平な態度をとったとしたら、必ず全国人民の反抗を誘います。彼らにとっては一つの試練だと思います。中国共産党の指導者が、人民の側にたつか反人民の側にたつか、進歩の側にたつか反動勢力の側にたつか、民のために人を本にし、人民のための執政なのか反人民になるのか。

――現在は人民の不満は多く、当局との対立はますます深まっています。今回、当局が正しく処理しなえければ、色々な面での当局との対立が激しくなります。(趙紫陽を十六年間も軟禁したことは)あまりにも不公平です。蒋介石によって軟禁された張学良に比べれば、趙紫陽の中国への貢献ははるかに大きいのに、不公平な処遇は張学良が受けた処遇よりはるかにひどいです。

胡耀邦と趙紫陽の功労が最も大きい

林牧氏は中国の改革開放について、胡耀邦と趙紫陽の功労が一番大きいと語った。

――中国の改革開放の事業において、指導者としては胡耀邦と趙紫陽両氏の功労が一番大きいと思います。趙紫陽は最後に個人の地位、権力、さらに個人の自由を犠牲にして中国の人民を守ろうとし、人民への鎮圧に反対しました。これは偉大な風格、偉大な人格であります。趙紫陽の名は永遠に歴史に残り、名は後世に伝えられると思います。中国の人民は永遠に彼を懐かしく思い、感謝するでしょう。

退党は最も痛烈な抗議である

また、林牧氏は最近国内外で(中国共産党からの)退党ブームが巻き起こっていることと趙紫陽元中国共産党総書記の政治担当秘書鮑彤についても語った。

――このまま発展すると、影響は大きくなります。中国共産党の多くの古参党員は完全に失望しています。退党は最も痛烈な抗議であると思います。私たちのような党員はいち早く除名されましたから、退党する必要もありません。鮑彤と私を含む一部の党員は早くから党籍を奪われました。私は中国共産党から三回も除名されました。

――鮑彤は(”天安門事件”による)刑期を終えた後、また一年間監禁されました。毎日、十数人の私服警官が監視するほか、彼の家に監視のための事務室を設けています。実際には、”軟禁”の状態です彼はもともと正部級(部は日本の省)の幹部ですが、現在はすでに除籍され、公職から追放されました。

――鮑彤は刑務所を出た後、当局から毎月500人民元の救済金しか配給されず、非常に苦しい生活を強いられています。しかし、彼は誰の援助も受けたがらず、友人の援助さえも断っています。彼は去年やっと古いコンピュータを持つようになりましたが、しばしば封鎖され、電話さえもよく通じなく、現在もつながりません。

 


林牧氏。 77歳、現住中国西安、前故胡耀邦元中国共産党総書記の秘書、前陜西省委宣伝部副部長、前陜西省委副秘書長、前国務院科学技術幹部管理局局長、前中国共産党西北大学党委書記。文化大革命などの政治運動の期間中に12年間迫害を受け、2度刑務所に入り、二回中国共産党から除籍され、8年の労働矯正を受ける。

林牧氏は89年6月の天安門事件で学生を支持したため、3度中国共産党から除籍され、行政と学術の職務をすべて奪われた。1995年、”中国人権”中国国内理事に推薦され、1998年に名誉陽理事に。国内外に思想、言論、雑文、詩などの論文を多数発表し、林牧氏主幹の『中国風俗』シリーズは西安、台北で出版される。

鮑彤氏。 故趙紫陽元中国共産党総書記の政治担当秘書、政治局常員秘書、前中共委員、元中共政治体制改革研究室主任。1989年”天安門事件”の前夜逮捕され、1992年3月、中央政治局により以「国家機密漏えい罪」と「反革命宣伝煽動罪」で党籍を除名され、同年7月、裁判所により「国家機密漏えい罪」と「反革命宣伝煽動罪宣」で七年の有罪判決が渡される。鮑彤氏は服役後、1998年、公に趙紫陽の公民としての権利と政治権利を呼びかけ続けてきている。

(大紀元記者辛菲による取材、日本支局が編集)

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