北京郊外で農民が土地の強制収用に抗議

【大紀元日本6月20日】中国政府がオリンピックの試合会場を建設するために、農民らの生計手段である土地を強制収用した上にいかなる賠償も与えなかったとして、北京郊外の農民ら数百人が16日、デモを行い抗議した。問題になったのは、北京郊外の順義地区の土地約5000ヘクタール。2008年に夏季オリンピックを迎えるため、中国政府は、この地区に順義オリンピック水上運動センターを建設することを計画している。

米国ラジオ「ボイス・オブ・アメリカ」が16日伝えたところによると、北京郊外の農民ら数百人が16日建設中の運動センター附近に集結し、政府が農民らを強制退去させたことに対して抗議した。農民らは、「オリンピック、失地農民の(立ち退き先の)再配置を!」などの標語を掲げた。農民らによると、彼らには、土地収用の過程において、いかなる補償や配置計画も提示されておらず、抗議は既に23日間続けられているが、この日まで政府の回答が得られていないという。

この事件は、オリンピックへの準備を進める過程での立ち退きが原因で発生した土地争議に関する中国で最新のもの。北京オリンピック組織委員会のある官僚によると、北京政府は既に土地収用に係る費用を地方政府に与えており、この資金が農民の手に渡るか否かは地方政府が決めるものであるという。

河北省北部において11日、強制立ち退きに対して抗議する別の事件が発生したが、抗議に参加した農民は暴徒の襲撃を受けた。この襲撃で農民6人が死亡、数十人が負傷した。

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