中国の自殺率の高さとその原因

【大紀元日本8月5日】(ワシントン=VOA記者萧敬)自殺は、世界各国において共通して見られる社会問題であるが、中国では、1949年の中国共産党による政権奪取以降、長きにわたりこれをタブー視してきた。自殺者は、“自ら人民であることを放棄し、自ら党を棄てる者”とのレッテルを貼られてきた。しかしながら、ここ数年、自殺問題は中国でもそのタブー視を解かれ、社会学者たちによる研究対象となっている。専門家による綿密な調査・研究の結果、中国の自殺率は他の国家に比し高く、世界の平均の約2~3倍に当たることが判明した。このような現象には、専門家が関心を寄ており、市民一般の関心も集まっている。

1.素質、教育、生活の圧力

山西省の李氏は、中国において自殺率が高い原因として、二つの事項に言及しています。

彼によると、「自殺には、いくつかの原因があると思いますが、第一は、中国人の素質に見られる欠点です。つまり、挫折や逆境に立ち向かう能力、困難を克服する勇気が比較的に欠乏していると言う点です。これは人の本性に関係しているものですが、しかし中国の教育制度及び社会の影響も少なからず関係しています。第二は、社会における就職又はそのた競争等による圧力、生活上経済的圧力があり、一部の中国人は生活に対して自信を失い、絶望感を抱くようになり、自殺を考えるようになるのです。国家の関係部門は、この問題に関して一定の責任を負うべきだと思います」。

2.政府機関の機能不全

河北省の張氏は自殺の問題について、政府の関係機関を次のように批判している。

「経済上の大きな変革が社会に矛盾を引き起こし、また教育と宣伝部門は、そうした問題の解決のため、自らの責任を全うしきませんでした。救済が必要とされるところに救済措置が講じられてこなかったため、悲劇が生まれたのです。私が最近ある省の放送で聞き及んだのは、13歳の女児が貧しさ故に進学することができず、自殺したケースです。このような事件には心が痛みます」。

「人口が大いため、中国の自殺者が多いのも理解できる」との意見もあるが、、その数値を分析すれば分かるように、中国の総人口は世界の総人口の五分の一であるのに対し、毎年の中国人の自殺人数は世界の自殺人口の五分の二にのぼっている。この自殺率の高さは尋常とは言えない。中国の自殺問題は、人々の熟考を促しています。

3.男性に比し多い女性の自殺

内モンゴル自治区の徐氏によれば以下のとおりである。「自殺は、ごく一般的に見られる現象です。ここ数年、中国では貧富の差が増大し、それと共に生活上の圧力が強まっています。またその人の素質、受けた教育及び社会背景などの要素も加わり、人は落ち込んだり、うつ状態になったりするのです。女性の自殺者は男性よりも多く、女性は、自殺に際し、しばしば、一種の非理性的状態、感情的状態を伴うことが比較的多いと言えます」。

中国女性の自殺者が多いという現象は、専門家の関心をも集めている。

調査の結果はっきりしたことは、中国人女性の自殺は男性よりも多いという事実であり、これは世界でも類を見ない。世界の他の国々では、自殺者の大部分は都市部に住む男性である。しかし、中国の大多数の自殺者は農村部に住む女性である。その原因がどこにあるのか、専門家はまだ明確な原因を見出してはいない。

関連記事
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]