中国核原料基地:核汚染告発の職員、逮捕され行方不明
【大紀元日本8月23日】中国甘粛省迭部県の核原料基地の職員が基地の核汚染問題を告発したため、警察に密かに逮捕され、三ヶ月以上たった現在も行方不明である。彼の家族は中国当局に直ちに釈放を呼びかけている。米国VOAが伝えた。
人権擁護団体「中国人権」(本部・ニューヨーク)の発表によると、甘粛792ウラン鉱山の職員・孫小弟氏は、1989年から792鉱山の核汚染を告発するため奔走していた。今年4月28日、孫氏はAP通信の記者の取材を受けた後、北京南駅にある「直訴村」へ戻る途中に、私服の警察官に逮捕され、いまだに行方不明。多くの目撃者の証言により孫氏はナンバープレートの無い車に押し込まれたという。
孫氏を取材したAP通信の記者によると、孫氏が逮捕された翌日、北京在住の親友宅にも私服警察官の捜査が及び、親友本人も尋問された。警察は、孫氏が指名手配犯人で、国家機密漏洩の重罪を犯したと彼に伝えた。792鉱山の職員数人も6月に警察に呼び出され、孫小弟氏が海外のメディアに核汚染の情報を漏らしたと告げられ、取り調べを受けた。
現地官僚が密かにウランを売買 核廃棄物の汚染は高死亡率を招いた
甘粛迭部県にある792鉱山は中国の最も重要なウラン鉱の基地の一つ。2002年鉱山は「政策的に」閉じられたが、従業員達が告発したところによると、鉱山の幹部と関連政府部署がそれを廃業鉱山として報告しながら密かにウラン鉱物を採掘して売り出し、しかも核廃棄物を長江に排出して環境を汚染したという。地元の人に癌、白血病、奇形胎児、流産などの発病率が明らかに他の地区より高く、特に癌死亡率は現地の死亡率の半分も占めているそうである。
孫小弟氏は1989年から鉱山労働者たちの利益のために上京し陳情に行った。それから様々な打撃を受け、家族までも巻き添えにした。彼は4月に連行された後、家族は早めに事件が解決できることを望んで、ずっと控えめに孫小弟氏の帰りを待っていたが、今まで100数日間過ぎても、依然として彼の行方が不明のままである。
娘はあちこち探したが父の行方がまだ分からない
今年6、7月の間に、孫小弟氏の娘は何度も甘粛省迭部県及び北京公安局に父の行方を尋ねに行ったが、孫小弟氏に関していかなる情報もないと返事された。しかし孫小弟氏の北京の親友が6月に彼を取り調べた警察から聞いたのは、甘粛公安機関の依頼を受けて、彼らはすでに孫小弟氏を現地に送還したという。