中国建設銀行、香港上場予定 専門家ら投資家に警鐘
【大紀元日本10月14日】中国建設銀行は14日から香港で株式公募し、27日に正式に香港市場で上場する予定。公募幹事の中国国際金融公司は機関投資家に対し、公募価格の仮条件下値と上値を1・42香港ドルと2・27香港ドルと提示した、公開株数はH株の264・9億株だという。証券時報によると、中国建設銀行は今回の香港株式上場での資金調達目標は61億~77億ドルだという。専門家らは、中国金融業界に潜むリスクは体制によるもので、既に長く続いているとし、海外上場の目的は短絡的な金集めで、投資家は慎重かつ冷静に対応すべきだと警鐘を鳴らした。
アメリカで上場した中国企業の9割の株価は低迷
「中国経済週刊」の情報によると、今年6月までに、アメリカで上場した70社以上の中国企業に、株価が3ドルを超えたのがわずか7社で、平均株価が1ドル以下の企業は約50社に達している。アメリカ市場では株価が3ドルを下回る企業は重要視されないため、90%の上場中国企業の企業価値は市場に認められていない現状が浮き彫りとなった。
上場企業の公開情報は信憑性が薄い
「証券導報」の報道によると、中国上場企業には、情報捏造や、銀行の相互担保、証券会社が保証金を不正流用するなどの違法行為が日常茶飯事に行われている、さらに偽株主総会の捏造や、企業の高級幹部による会社資金の私的流用、インサイダー取引、政府権力の強制干渉、上場企業の市場戦略と法律の朝令暮改などの現実問題が挙げられ、上場企業の信用性は極めて低いという。
中国経済観察研究院の調査によると、中国上場企業の平均信用指数は35・6だという。
金融専門家は「中国証券会社とその上場企業は、ほとんど短絡的な金集めが目的で、取引の背後には裏規則が多く存在し、運営方法は国際証券市場の法則に反している、投資家にとっては危険の落とし穴である」と指摘している。
中国4大銀行の42人の支店長が海外に集団逃亡
最近香港政治誌「争鳴」が、中国4大銀行の42人の支店長らは巨額の銀行資金を流用し、海外訪問を口実に、集団逃亡した、不正流用された資金は最低でも人民元740億元(22・3億ドル相当)に達するという。
中国の金融機関の問題は山積み
中国人民銀行と銀行監察委員会の報告書では、2004年末までに中国4大銀行が抱えている不良債権額は32654億元(1元=14円)と記している、しかし国家審計署の審計長・李金華氏が国務院に提出した報告書には、「不良債権額を確定することは困難だ。銀行の会計帳簿が非常に混乱かつ不透明で、資金の不当流失も継続しており、各政府企業の裏口座の残高も増え続けているからである」と記している。中国当局は対外には不良債権比率は20%と公表しているが、国際金融専門家は45-70%に達すると分析している。中国人民銀行と銀行監査委員会の報告によれば、4大銀行の73の主要支店は2004年度の審計報告すら提出していない。その中工商銀行は19の支店、中国銀行は11の支店、建設銀行は16の支店、農業銀行は27の支店、それぞれリストアップされた。
投資家には警鐘を鳴らす
ある金融監察のベテランは、中国の銀行が抱えるリスクは体制によるもので、歴史性があると見ている。
英国のタイムズ誌の報道によると、世界経済学者のタパン・ダッタ博士 は「中国の経済発展の現状は、一部の隠されている深刻な問題を覆い隠した。標準分析方法で中国経済の状況を分析すると、誤った結果が出てしまう。投資家は慎重に考慮すべき」と警鐘を鳴らした。
最近中国を訪問したばかりの世界ヘッジファンドマネジャーのジェームス・トムソン氏は、ダッタ博士の見解に同調している。彼は「個人投資家は中国投資を避けるべき、低製造コストの優勢はすでに魅力を失い始め、過去10年間に中国で投資した人は、多くの損失を負う可能性が高い」と指摘した。
趙紫陽経済改革のチーフアドバイザーを勤めた程暁農氏は、「中国の経済統計資料には政治宣伝の要素が多く含まれ、中国の社会構図は逆T字型で、約90%の人は貧困層に集中している、外国投資家はこのようなショーウインドー式経済に惑わされないのが先見だ」と論じている。
今年の3月、中国建設銀行の総裁・張恩照氏による汚職が発覚する際に、英国のフィナンシャル・タイムズ紙は「銀行トップの汚職事件からは、中国金融機関の不良債権が資本金を超え、対外融資額が急速に増加し、さらに新しい不良債権が発生するという経営の不安定状況が再度明かされた、中国の銀行にはまだ投資すべきではない」との評論を発表した。