遼寧省に新たな感染、百人余りが隔離、温家宝は情況厳しいとコメント

【大紀元日本11月13日】中国政府は11月10日、遼寧省の2地区で新たに高病原性鳥インフルエンザが確認されたと発表し、遼寧省において既に116人が隔離されているという。当局は、116人の隔離の場所について説明はなかった。温家宝総理は、9日に遼寧省黒山県の感染地区を訪れ、防疫業務は「非常に厳しい局面」に直面しており、感染は蔓延・拡散する危険性はあると指摘した。

農業部の11月10日の発表によると、遼寧省錦州市北寧市の養鶏農家の飼育する鶏が6日に死亡し、10日、国家鳥インフルエンザ参考実験室において、H5N1亜型の高病原性鳥インフルエンザであると診断された。今回の感染は4つの鎮に及び、合計で300羽の鶏が死亡し、感染地点の周囲3キロの範囲で、250万匹の家禽が屠殺された。これは、遼寧省で発生した第4番目の感染であり、先月初旬以来、中国において発生した地区が6つに増加したことを意味している。

これ以前には、阜新モンゴル自治県、大阪鎮朝陽寺村、錦州市南站新区大嶺村の全てで感染が発生した。これらの地域においては、感染の拡散を防止するために、100万羽もの家禽が屠殺された。

さらに、香港メディアの報道によると、黒山県八道壕鎮において、病死した鶏を食べた猫が大量に死んでおり、村全体で100匹余りの猫が行方不明となっている。

農業部長杜青林が9日に述べたところによると、遼寧省における鳥インフルエンザに係る防疫の情況は非常に厳しく、現在のところ、鳥インフルエンザが蔓延・拡散する可能性が存在しており、これは決して驚くべき話ではない。杜青林の指摘によると、遼寧省で市場において基準に合致しないワクチンが販売されているという。

遼寧省の他にも、内モンゴル、安徽省、湖南省においても感染が発生している。

WHO駐北京代表ワディアによると、内モンゴル、湖北省及び安徽省の情況とは異なり、遼寧省における鳥インフルエンザの感染範囲は非常に大きいという。ワディアは、WHO及び国連食糧農業機関は、遼寧省の鳥インフルエンザの防疫作業において基準に合致しない偽物のワクチンが出現したことを非常に重視しており、中国の関係部門に質問状を発出し、問題の解明を希望しているという。

このほか、湖南省における検査において、豚への感染が初めて確認された。専門家によると、豚が鳥インフルエンザに感染したことは、ヒト間における感染の予兆であり、感染した豚の数が一旦増加すれば、遺伝子が突然変異してヒト間で感染するウィルスになる可能性がますます高まるという。したがって、豚への感染数と拡散の度合いは、重要な観察指標となる。 

台湾中興大学獣医微生物学研究所教授張柏俊は、10日に本紙の取材を受けた際、鳥インフルエンザから直接ヒトへの感染は難しいが、ブタは感染を媒介することがありうると説明、「豚が鳥インフルエンザに感染したことは、特に留意すべき予兆であり、次の段階において、ヒトに感染する可能性がある」という。張教授は、鳥インフルエンザを予防・治療するカギは、感染が発生した際に即時に感染した動物を屠殺してその拡散を阻止することであり、感染が蔓延した段階になった後では、ヒト間に感染するウィルスが出現するのは時間の問題であると強調した。

(記者・王珍)

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