米国防省・国務省、先端技術の研究員に制限規定
【大紀元日本12月7日】米国防省はこのほど、先端技術の外国人研究員を制限する規定を新たに提案、来年初に結論が出る予定。米商務省も年末までに同規定を新たに提案するという。専門家は、当規定は中国政府に対するものだと見ている。
米紙『ニューヨーク・タイムズ』によると、米商務省監察官のジョニー・フランツァー氏は昨年の白書で、外国研究員、特に核開発に携わる関係者の管理制限を強化するよう提案した。二重国籍を持っている者が多いため、研究許可を審査する際、研究員の現国籍だけではなく元国籍も調査すべきだと指摘。現行法規では、例として中国人が米国、カナダ、英国等の国籍、永住権を取得した場合、許可証申請は必要がないと規定している。この新たな管理規定は中国政府に対するものと見られている。中国政府は米国の軍事技術を取得しようと目論んでいるからだという。
統計によると、中国留学生や学者など毎年6万人超が米国に渡っている。『フィナンシァル・タイムズ』紙の報道によると、米国連邦捜査局と中央情報局は、15万人にもなる中国人留学生の一部が中国政府に利用され北京へ情報を流していると見られており、その多くが既に二重国籍を取得したと懸念している。
一方、大学の一部は、外国人の研究領域を厳しく制限すると、米国技術の発展に歯止めをかけ却って国防に損害をきたすと見ている。同規定は、軍事に応用するソフトウェアや設備及び技術資料などに対し規範を制定し、許可がない場合、一部の特定国家にこれらを輸出してはいけないとしている。また、外国人が米国の研究機関で類似技術を使用する際も、輸出許可書を提示しなければならない。これらの外国人が母国に帰ってから当技術を複製することを想定しているためだ。但し、基礎研究に従事して研究結果を公表する外国人学者一般は制限されない。新たな基礎研究が先端技術に広範に応用されることをねらっているからだ。
米国大学協会の会員、トビン・スミス氏は米紙『ニューヨーク・タイムズ』のインタビューで、「先端技術と関係する設備や学生の出生地をあげさせ、どのような人物がどのような機器を使ってはいけないのかをデータにするため、その開発経費として数万ドル余計に拠出しなくてはならない。学校の教師もこの機器を使う前に相手の出身地を聞きづらいだろう」と話した。米軍事戦略シンクタンク研究員、米国防省、国務省、米議会議員などを歴任し、駐中米国大使館に過去2回奉職し、中国問題に造詣の深いラリー・ウォーゼル博士は、この規定の厳格化を認めている。同博士は「米中経済安全保障諮問委員会」の委員で、「米国の超音速機エンジン技術は中国より優れている。中国にこの技術を渡し、台湾、日本または米国に脅威が及ぶことになってはいけない」と述べた。