中国雲南省:独記者、ダム建設立ち退き問題取材で拘束される
【大紀元日本7月7日】独誌「ツァイト(die Zeit)」のゲオグ・ブルモ記者=中国駐在=が7月5日、雲南省で怒江ダム建設をめぐり、立ち退きを余儀なくされた住民を取材した際、地元当局の警察に「非合法な取材」の罪で拘束された。ドイツのDPA通信(Deutsche Presse-Agentur)が伝えた。
7月6日、ブルモ記者は監禁された六庫(音訳)警察局から、携帯電話にて自社本部とDPA社に報告したという。同氏は5日に、雲南省怒江沿岸の小沙ベイ村で、農民たちと怒江ダム建設をめぐる立ち退き問題について、インタビューをしたのち、警察に逮捕された。盧水県(音訳)当局はブルモ記者に対して、農民とのすべての会話の音声および映像記録の処分を要求したという。同氏はそれを拒否したが、地元での活動に関する声明に署名することに同意したという。
今年の5月、三峡ダム竣工後、北京当局は長江上流の金沙江で新に12のダムを建設することに決定し、計画中の怒江ダムを入れて、雲南省境界内の山脈を横断した一帯は合計13のダム建設が行われることになったという。13ダムの総発電量は三峡ダムの3倍になるとし、住民の立ち退きと環境破壊問題で、各界の懸念や反対を引き起こしたという。怒江は現在、中国で唯一人間による破壊のない河川の1つであり、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に世界文化保護遺産に認定されている。
中共国務院は1週間前に、第十回全国人民大会第22回常任委員会で討論された「突発事件応対法」(草案)で、「規定を違反し、不利な情報を勝手にばら撒く」メディアに対して、最高額が10万人民元(約14万円)罰金を科すると明確に示してあり、同法案は外国および香港メディアにも適合すると発表した。同法律規定が公布されてから、国内外メディアの強い反発を受けた。