焦国標:中共は難攻不落の「敵」に直面している   

【大紀元日本7月26日】中国での法輪功弾圧開始からまる7年を迎えた7月20日、北京大学の元助教授で、フリージャーナリストの焦国標氏は、海外中国語サイト「看中国ネット」の電話取材に応じ、法輪功が過去7年間行ってきた中共の迫害に抵抗する非暴力な運動を、「中国の歴史上において前例がない」と賞賛し、中共は法輪功を弾圧する中で、「勝てない‘敵’に遭遇した」と分析した。以下は取材内容の一部。

記者:今年の7月20日で、中共政権による法輪功への集団弾圧が開始してから7年が経過した。法輪功学習者は7年間、常に非暴力な方法で迫害停止を訴えてきたが、このような抗争に関する先生の見解を伺いたい。

焦国標氏:これは忍耐強い抗争だ。しかも非常に平和的、かつ自制的で、このような抗争は中国の歴史上において前例がない。暴政(中共)は前例のない「敵」に直面している、しかも勝てない「敵」だ。このような抗争は事実上、中国社会のその他の被害者層が抗争活動を発起するにあたって、励みとなる。だからこそ、(このような抗争の)意義は計り知れないほど深いといえる。

記者:最近、カナダの独立調査団は、生きている法輪功学習者の臓器が強制摘出されているという告発に関する調査報告書を公表した。一方、中国メディアの報道によると、中共政権は、7月1日から違法な臓器売買を禁止する関連法案を実施し、8月1日から死体の輸出入と処理に関する関連条例を発足する予定だ。中共政権が相次ぎこのような法律を施行する目的は何だと思うか。

焦国標氏:死体管理の規定に関し、私はまだ関連のファイルを確認できないが、もし中に(死体の)臓器提供に関する規定があれば、これは蘇家屯・秘密収容所での生きている人からの臓器強制摘出の告発への対応だと思う。私は、「新浪ネット」に掲載されたカナダ独立調査団の調査報告書に対する、駐カナダ中国大使の声明文を読んだ。あの言い方は非常に品が無く、まったく常識のない口調だ。言葉使いと表現の仕方は非常に野蛮、かつ愚かで、文明的な表現ではない。また、非常に意地悪な表現ですらある。私は、中共政権全体がこの時期、野蛮な本性を露出したと認識している。彼らは紳士を装おうとしても無理があり、どうすればよいのか、まったくわからない状態だ。

記者:国内の人権弁護士で、盲人の陳光誠氏や、高智晟氏、鄭恩寵氏などは、中共から嫌がらせを受け、監視、軟禁、懲役刑などを科せられているが、彼らと比べ、先生はまだ出国の自由を有している。中共政権からの迫害を恐れていないか、あるいは中共はわざと(先生と彼らを)区別して、対処していると思うか。

焦国標氏:私はこれらの人権弁護士とは、状況は違うと思う。彼らは行動派で、活動を起し意見表明している。私はほとんど言論での表現を用いている。これが我々の異なる点だろう。一方、中共政権はわざと区別して対応している可能性もある。

記者:中共政権は、焦先生は政治的な最低限のガイドラインにまだ触れていないと思っているだろうか。

焦国標氏:多分そうだろう。しかし、私が中共の最低ガイドラインに触れていないからといって、私が触れることを恐れている訳ではない。私が中共と中共政権に対して持っている認識と判断は、中共が許容できる範囲にあるかもしれない。

記者:法輪功への集団迫害が6年目を迎えた昨年同日、先生は文書を発表し、中共と法輪功は談判の席につく選択肢があると述べた。現在、まだこのような考えをもっているか。

焦国標氏:いかなることにも可能性があり、特にこのような(法輪功の)大きな問題は、大勢の人に関連している。しかしこのような談判には、強者は態度を落す必要がある。例えば政権としては真心を込め、誠意を持ってこの問題の解決に取り組む必要がある。現在の国家指導者は、この問題を解決する十分な権限を有していないかもしれないが、歴史の責任は背負わなくてはならない。なんとしても、彼らは強者として、一層道徳と倫理を有するべきだったが、実際は、中国において、強者は道徳を喪失し、弱者側のみが道徳を重視している。一部の人は状況に追い込まれ、そうせざるを得なくなっているが、一部の人は確かにこのような精神レベルに達している。法輪功の平和抗争は後者に類する。弱者側の抗争として、彼らは自ら道徳を重視する道を選択した。私は、これは非常に貴重な一面だと受け止めている。

記者:強者と弱者に言及したが、「六四天安門大虐殺」のときに、大学生は弱者として、民主を強く求めたが、強者の中共政権は軍隊と装甲車を出動させ、学生の民主運動を武力弾圧した。中共は大学生との平和談判すらしないのに、法輪功と冷静に話し合いができると思うか。

焦国標氏:これは事実上胡錦涛・総書記が直面している問題のひとつだ。すなわち先代指導者のやり方を繰り返すかどうかが焦点になっている。個人的には、執政中の中共指導者が突破しなくてはならぬ課題は、中国社会における様々な勢力が同じテーブルに座り、平和的な話し合いをすることだ。もしこれを実現できれば、中国の政治文明にとって、素晴らしい前進になる。もしかすると、現在、中共指導者は平和的な話し合いを行う意欲はあるかもしれないが、現存の権力構造の中で、実現するには困難がある。例えば、胡耀邦元総書記(編集者注:元中共の総書記、1989年に逝去、理知的な指導者として、知識人の支持を得たが、同氏の死亡には中共の陰謀が絡んでいるとして、大学生の民主運動が勃発し、後に『天安門大虐殺』が発生した)や、趙紫陽元首相(編集者注:1989年の大学生民主運動に一定な理解を示したため、職が剥奪された上、昨年逝去するまでに、十数年間軟禁された)の名誉回復などについて、胡錦涛・総書記の個人的意見を十分に表せるかどうか、私は疑問を感じている。

記者:先生の見解によると、胡錦涛・総書記は中共独裁政権のトップなのに、それでも制限を受けている。先生が2年前に発表した著書・「中宣部を討伐せよ」(注:「中宣部」は、「中国宣伝部」の略称で、中共のメディア規制などを執行する最高機構である))は、海外で大きな反響を呼び、中共政権に突きつけた挑戦状とみなされた。今日になって、中共は報道の自由を認めるどころか、むしろ統制を益々強め、最近では突発事件の報道規制を定める条例を通過させるなどした。中共は実質上、中共宣伝部を改革するのは不可能なのではないか。

焦国標氏:私は、変化はあるとみている。中宣部は、現在技術的な機構に変身しつつあり、過去の恐怖機関のような組織ではなくなった。現在の管理は技術的な面を強化し、過去のような意識形態を制圧する体制で、触れてはならない絶対的な存在ではなくなりつつある。

記者:現時点において、先生の個人の自由と身の安全について聞くが、中共からは更なる脅迫または迫害を受けているか。

焦国標氏:私は現在、言論を発することになんら問題はないが、中共による私個人への危害や、一部の自由の制限などは、私を恐れさせる要因にはならない。ここ数年間、鍛えられてきたからだ。私が背負っている圧力は、自分自身にとって、まったく問題にはならない。

記者:先生のような歯に衣着せぬ知識人は、国際社会にも一定の影響力がある。中国の知識人たちは、良識や道徳、責任感の面においてどうか。

焦国標氏:改革開放が始まってから、中国の知識人層はある時期、勇敢に言論を発表した。中共の迫害を受けていた先代の知識人たちは、自分たちの苦しい体験を語り続けていた。1989年(天安門大虐殺)の後になると、全国家、民族がこのような悲劇を目の当たりにしたため、知識人たちは言論を発表する意欲と願望を喪失してしまった。若い世代の知識人は以前、迫害を受けた経験がなく、(大虐殺の)このような悲劇に初めて遭遇し、(中共の残虐さに)極度な恐怖感を覚えてしまった。それに加え、1989年以降、中共は知識人に対し、経済的な利益を与えるという国家政策を推進し、知識人たちは恐怖に怯えながらも、利益を手にすることができた。その結果、知識人全体は中共の飼い犬と化し、自分の身さえ安泰であればいいとの考えを持っている。私はこのように認識している。

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