北京市:「中国人権展」、直訴者の入場拒否

【大紀元日本11月20日】中国国務院報道事務局が主催する「中国人権展」は11月17日、北京の民族文化宮で幕を開けた。主催者は「だれでも無料入場できる」としているが、展覧会場に訪れた大勢の直訴者や、市民などが入場拒否され、会場周辺では警官や私服警官が動員され、パトカーが往来し、現場を巡回していた。

「中国人権展」入場口、警察とパトカーが駐留(大紀元)

北京市の郭と名乗る女性直訴者は17日の開幕の当日、郊外から展覧会場に駆けつけたが、告訴の材料を渡そうとしたため、スタッフに追い出された。彼女は記者に自分が受けた迫害の実情を明かした。それによると、郭氏は罪もなく8ヶ月の禁固刑を科せられ、理由は法輪功の無罪を訴えるビラを配ったと疑われたからだ。監禁中の拷問で鼻の骨が折れ、排泄も思うままにならなかった。いまだに後遺症が残り、完治できないでいるという。最後に彼女は記者に、「この体験を思い出すたびに、生きる希望がなくなってしまう」と語った。会場から追い出された後、警官は彼女に、「いまここから早く消えなければ、すぐにパトカーに乗せ、逮捕する」と脅迫した。彼女は涙を流しながら現場から去った。

同じく入場を拒否された北京市の直訴者・孫連喜氏は、「よくも恥知らずに人権展と名乗っている。市民は観覧する権利すらない。警官の人数は観客よりも多い。この人権展は直訴村(注:全国各地から北京に直訴するために集まった民衆が一時的に生活するエリア、生活条件が非常に粗悪な上、度々警察の取締りを受けている)で開くべきだ。そこには本物の中国人権展がある。開催資金一銭もいらない。リアルに真実を現している。この展覧会は嘘ばかり。しかも自由に観覧できない。政府は本当に心細いね」と怒りを露にした。

田と名乗る市民は、最近、新聞や、ラジオ、テレビなどは連日繰り返しこの人権展覧会を報道していると語り、中国人権研究会の副会長兼事務局長・董雲虎氏が、「人権をテーマとする総合的な展覧会は、中国では初のことであり、国際社会においても前例がない」「国家が人権を尊重と保証している」などと発言したことを挙げ、市民が入場できない人権展覧会はどういうものなのかと疑問を投げかけた。

多くの直訴者は、「政府はだれでも無料で入場できると承諾しているが、ここにいる警官とパトカーをみれば、中国に人権があるかどうかは、一目瞭然。まったく見せかけのお芝居だ」と漏らした。

直訴者が提供した情報によると、18日午前から会場の前で警察や、私服警官が集結、6台のパトカーが止まっていたという。

内情を知る人によると、今回の人権展覧会の入場管理は非常に厳しく、入場券を販売も配布もしない。案内状を持つ人だけが入場できるほか、企業が団体で入場券を予約している。ある大学では、学生向けの校内の掲示板には、入場券を配布する知らせが書いていたという。

今回の「中国人権展」は26日に閉幕。中国人権研究会は11月22日から24日まで、北京市で「人権を尊重と促進し、調和ある世界を構築する国際人権シンポジウム」を開催する予定。

(記者・馮長楽)

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