中国の公金流用多発、制度上の腐敗が原因=香港誌

【大紀元日本2月5日】香港月刊誌「動向」によると、中国中央紀律委員会、国務院研究室、監察部がまとめた「党政国家関連機関における公金の流用、横領(税収)の状況について」と題した調査書は、全国党政国家関連機関における紀律違反、横領、接待などに使われた公金が、2006年度だけで2万億元(約29兆6千万円)に達したと報告した。

*中央を驚愕させた合同報告書

2006年12月25日、中共当局中央政治局が開いた会議で、中央紀律委員会、国務院研究室、監察部の共同調査報告が公開発表された。発表によると、調査は2006年11月1日から、同年12月18日までの期間行われた。本調査の担当者である何勇(かゆう)・中央書記処書記は、合計700人以上の紀律委員、監察、審査および専門家らと一緒に、綿密な調査および照合を行った。

調査報告書によると、全国党政、国家関連機関における公金の流用、横領(税収)、飲食、旅行、海外観光・留学、贈答、社用車の私用、奨励金の乱発等に使われた公金は、2006年度は2万億元(約29兆6千万円)に達した。2万億元(約29兆6千億円)とは、2006年全国税収3万9800億元(約58兆9千億円)の約50・5%で、2006年国民経済総生産18・5万億元(約273兆8千億円)の11・5%を占める。

*流用・横領された公金の出所

調査報告書によると、膨大な公金が流用・横領された原因として、①厖大な予算外の資金②制度規定外の資金③税収の多重帳簿④行政支出、プロジェクト支出から捻出した資金⑤長官にコントロールされた財務会計⑥金融機構からの融資⑦偽って報告された機関職員の人数⑧地方部門の政策、などがあるという。

李金華・監査長官は国務会議上で、省級政府から提出された行政支出報告書の中に、誤差が5%以内だったものがないことを挙げ、この問題が深刻であり、制度上の腐敗が根深いことに強い懸念を示した。

*胡錦濤:共産党執政不合格であれば、歴史の舞台を退くべき

胡錦濤・総書記は2006年12月25日の政治局会議上で、腐敗状況は深刻であり、一部の領域ではすでにその仕組みが形成され、連帯していると指摘した。さらに、反腐敗闘争活動を展開して17年が経った現在、状況は思わしくなく、制度、監督、検査機制、素質、思想認識になどにおいて根本的な問題があると主張した。

1月1日、国務院の「簡報」報道によると、胡総書記は全国政治協商会議の副主席との談話で、執政者は党の風紀を正し、反腐敗を段階的に進展させられるか否かによって、歴史の舞台を退くか退かないかを決めると述べた。

*5省市(上海・広東・江蘇・浙江・山東)幹部の年間収入状況

次は一部の中央、地方幹部、半政府系部門の調査研究報告資料:

国務院研究室、国務院参事室が纏めた「一部の省市党政国家関連機関の高・中級幹部の経済収入状況」報告によると、状況は以下の通りである。

(1)上記5省市市庁(局)における一級幹部らの年収(福利、手当、ボーナスを含む)は55万元~105万元(約814万円~1554万円)であり、実収入および貨幣価値は西ヨーロッパ、北欧主要国家の州知事、市長、政府部門幹部のそれを上回っている。

(2)上記5省市の副省級または、それ以上の幹部の年収(福利、手当、ボーナスを含む)は125万元~250万元(約1850万円~3700万円)である。浙江、上海、広東3省市の省級幹部の家庭の電熱費は、一戸あたり平均で年間約18万元~25万元(約266万円~370万円)、ホテル、クラブなどでの接待費は1人当り年間約40万元~100万元以上(約592万円~1480万円)であるという。

*上海市、公金流用状況

上海市政府参事室の「上海市公金流用、使用状況」の報告書によると、上海市党政国家関連機関で、公金を使用し、飲食、旅行、海外観光、留学、贈答、予定外奨金、手当等に流用された金額は、2004年が1045億元(約1兆5466億円)、2005年が1276億元(約1兆8884億円)。

*広東省、公金流用状況

2006年9月に発表された中央紀律委員会、広東省社科院の「広東省における公金流用についての調査」によると、2005年に発覚した金額は2485億元(約3兆6778億円)に上るという。調査報告書では、省・地(庁)の幹部123人が流用した公金は合計41・35億元(約612億円)に上り、また、規定された官庁用車のほかに、2750台の乗用車が追加購入されているという。

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