中共宣伝部が新規定、国内メディアに「減点制」実施
【大紀元日本2月19日】香港「南華早報(サウスチャイナ・モーニングポスト)」の報道(9日)によると、中共中央宣伝部は、国内メディアに対し、「減点制」を適用する旨の新政策を計画していることを明らかにした。この点数がゼロになった時、停刊処分になるという。審査が中共当局によって決まることや、「減点制」の内容・範囲が不明確であることなどから、この制度は、当局による言論の自由への統制強化のための新たな手段であると指摘されている。
報道によると、中共当局は、これまで編集スタッフへの更迭、警告や出版停止などの処分を行ってきた。ある分析によると、当局の「減点制」は、秋の党代表大会及び2008年のオリンピックに合わせて国内の言論の自由に対する統制を強化するための施策の一環であるという。
ある情報筋によると、「減点制」の内容、及び対象、範囲は明確ではない。しかし、各メディアに対して12点のポイントが与えられ、当局が報道内容に違反性があると判断した場合、これを減点していく。新聞報道の違反の程度を判断する審査機関として、中共の言論監察機関の内部において組織される特別委員会がこれを担い、減点のレベルは、1点、3点、6点、12点である。12点の配点が減点されてゼロとなった場合、このメディアは、発行停止、及び出版権の取り消し等の処分を受ける。
多くのメディアは、最近、当局が既に関係メディアに対して制度の実施について説明していることを明らかにしている。しかし、メディアは当局の判断基準が不明確であることを憂慮している。
共同通信社によると、香港の各メディアが政治的に敏感な報道を行う場合、事前に中共宣伝部に申請を行う必要があり、その指示を受けて初めて報道が可能になるという。
以前に、中共当局は、著名な作者の書籍8冊を発禁処分にするとともに、関係出版社を処罰した。この中には、香港の女性作家・章詒和の著書《伶人往事》が含まれる。発禁処分となった作品は、いずれも知識分子が現代中国及び歴史上の大事件について再考したものである。ある報道の指摘によると、この禁令は、人民が真相を知ることを中共が恐れており、統治を固めるため、情報の流通と近代史に係る敏感な討論を依然として統制しようとしていることを示しているという。
国内の作家・高瑜は、既に当局を批判しており、2008年のオリンピックを前にして、中共がイメージアップのために外国メディアに対し規制緩和のポーズを見せる一方で、国内人士に対する言論統制を強化していると述べている。