中国安徽省:国有企業従業員数千人がデモ、副市長が人質に

【大紀元日本4月21日】香港明報の報道によると、安徽省阜陽市では4月16日に数千人の紡績工場従業員によるストライキとデモが行われたという。その翌日、さらに数百人の従業員は鉄道レールの上に横たわるなどによる抗議が続けられ、人質として副市長が工場内に捕らわれたという。今回のデモは中国国内で、国有企業における賃金問題による最大規模のデモ騒動である。

ストライキが起きた華源紡績工場は地元では50年の歴史を有し、数千人の従業員を有する国有企業である。従業員によると、工場側は近年の不況で、工場長の入れ替えが激しかったという。しかし、それぞれの工場長は務めている間に日々工場から利益をせしめたため、現在は数億元(約数十億円)の負債ができてしまったという。工場側は最後の手段として、従業員の賃金から赤字を補填したという。

情報筋によると、工場は市委関係者に対して、従業員の給料が1000元~2000元(約1万5200円~3万4000円)だと報告しているが、実際、20数年間勤務している従業員の給料は500元強(約7600円)しか支払われていないという。一方、工場側の上層幹部らは別荘を数戸保有できるほど高賃金を取得しているという。

従業員の耿(ゴン)さんは、従業員たちの不満は一朝一夕にできたものではないとし、彼らは阜陽市委に対して何度も訴えたが、明確な返答はなかったため、今回のストライキを呼びかけたという。これに対して応じた数千人が、16日にストライキを行い、市政府庁舎前までデモ行進した。しかし、それでもことが収まらず、17日に、数百人の従業員が駅へ向かい、鉄道レールの上に横たわるなどの抗議を行った。当局は騒動がこれ以上に大きくならないように、大量の公安および警備隊を現場へ派遣した。インターネットの情報によると、警察側は棍棒で数人の従業員を怪我させ、数人が公安警察に連行されたという。

情報筋によると、調停するために工場を訪れた阜陽市の王海彦・副市長は、怒った数千人の従業員に人質として囚われたという。

前出の耿さんは、事件はまだ完全に収まっておらず、今でもまだ百人以上の従業員がストライキしており、工場周辺で抗議を行っているという。阜陽市の宋家偉・常務副市長、王海彦・副市長は工場側と調停を続けている。ゴンさんは工場側は従業員の賃金を10%増しすることに同意したが、従業員たちは「現在の賃金は600元(約9000円)しかなく、10%増しにしても、まったく足りないのだ」と、提案に合意していないと語った。

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